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柴崎友香「パノララ」を読んで

友人のイチローに誘われて、コンクリート三階建て・木造二階建てと並ぶ鉄骨ガレージ上の赤い小屋を間借りすることになったわたし。ヘンテコな家で個性派揃いの彼の一家と生活し始めたある日、イチローから「たまに同じ一日が二度繰り返される」と打ち明けられる──芥川賞作家が描く未体験パノラマワールド!

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思いを言葉にするのは困難で言葉にしても届くとは限らず届いても心の内をそのまま解ってもらうのは不可能に近い。
人は自分の願うように変わってはくれない。
同じ時間同じ場所にいても全景が一望できる本当のパノラマではなく少しずつズレてるパノララ(マ)写真のようにしか見ることはできない。
見ている光景は皆違う。
同じ日を繰り返すことで見えた少し違う光景は誰かが見ていたものかもしれない。
それほどに解り合えない絶望。
それでも言葉にして自分自身が変わるしかない。
それで少し世界も変わる。本当に僅かだけれど。


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