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娘の不登校日記/18.悪化するリスカ

これまで娘のリスカに関しては見て見ぬふりをしていた。
それは以前「リスカは無理やり止めてはいけない」ということを学んだからだ。

ただ、ここ最近の様子がおかしい。
2日間寝てなかったり、逆に24時間以上寝たり、鬱っぽい症状もでている。
奥さん曰く、ゴミ箱に入っている血の付いたティッシュの血の量が明らかに増えているらしい。
これは命に関わるレベルじゃないかと思ってしまう。
そんな時に家族の共有スペースに血の付いた絆創膏とカミソリが見つかった。
共有スペースで発見したので娘にも伝えやすい。
むしろこの機会を逃せばもうタイミングはない。
その日の夜に話をすることを決断した。

娘の部屋をノックして、二人で入った。
こちらの緊張が伝わったのか、娘もただ事じゃないと察知したようだった。
僕はなるべく言葉を選びながらゆっくりと話し始めた。
・最近の様子が気になっていること。
・血の付いた絆創膏とカミソリを見つけたこと。
・娘を心配していること。
・不安に思うことを相談してほしいこと。
・病院の受診をすすめたいこと。
そんなことを話した。

娘はうつむいて黙っていたが、途中から鼻をすすりながら泣きだした。
そして「もうほっといて!ここから出ていって!」と叫んだ。
一瞬その場が無言になるが、ここで出ていくことはできない。
何も解決していない。
この話し合いを逃せば、次回はない。
そんな思いだった。
すると、これまで黙っていた奥さんが「ほっとけないよ!」と泣きながら言った。
二人が涙ながらに感情をぶつけ合う姿を見て、僕も涙が出た。

話は前に進まず、娘は「出て行って」の一点張り。
不安やストレスは無いか聞くと、
「質問攻めの今の状況が苦痛でしかない」
という、正論をたたきつけられて、やむなく退散した。

正直、成果はゼロ。
むしろマイナスかも。
ただ、こういった機会が無い限りリスカの話はできなかったのでしょうがない。
いつも腫れ物に触るように接していたけど、お互い感情むき出しで対峙したのは初めてかもしれない。
明日からまた不安だなぁと思いながら、眠りについた。

次の日、娘はいつもと変わらない様子だった。
昨日のことが嘘のように思えた。
一晩寝て冷静になったのかもしれないし、必死に普通を装っているだけなのかもしれない。
一つ収穫があったのは、
「タイミングを見て病院にいってみよう」
ということになった。

結果オーライだけど、一つ前に進めた。


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