見出し画像

こもる宿ができるまで。

2021年11月24日(火)

2023年春開業に向けて宿をつくりはじめましたので、開業までに考えていたことを備忘録として残す意味も込めてnoteを。こもるは会社名になる予定(まだ予定。会社つくるのは確定。)で、籠るをひらいただけです。タイトルは小林せかいさんの「未来食堂ができるまで。」と同じ。創業までの道のりを記そうかなと。

場所は青森、五所川原という何もない場所で。立佞武多(たちねぶた)祭りがあるところです。母方の実家ということもあり、幼少期には何度も訪れていました。当時は6男3女(だっけな?)の長男であるじいちゃんの兄弟が集まる場所でした。お盆と年末は連日お祭り騒ぎになっていたその場は、ばあちゃんもじいちゃんも住まなくなってしまい、更には周辺に住んでいた人もみんないなくなり、寂れた空き家の集落へと変わっていました。ので、孫のぼくが2年前に土地も家ももらうことにし、宿をつくることを決めました。

*

 なんで宿をつくるのかと言うと、始まりは大層な理由があるわけでもなく。「何も無い場所で籠もった生活をしたかったから」です。世の中情報多いな、疲れたな。と思い始めたところがきっかけです。1年前ぐらいからひっそり構想を始め、小さく副業としてやるつもりでしたが、一緒につくってくれる仲間が増え、次第に会社組織にしようと考えはじめました。

泊まる人には最大限宿としての良さを感じてもらいたい思いでつくっています。「籠る」ことが思想でありコンセプトにしたのは「思考する時間を取り戻してもらいたい」からです。混沌とした時代に、目的を見出さない、思考する旅。目にうつるものが全てではなく、目には見えない自分の時間、本来の自分を見つけてもらいたい。宿という切り取られた一つの世界に生き方を見出す。こもることは、あなたの内面深くへ誘い、そしてまだ見ぬあなたに繋がります。

*

私たちが位置する五所川原には、今もなお豊かな自然が残ります。りんご園に畑に田園に、周囲を見渡す限りに自然が広がっています。ここに宿を建てる事は、この土地で生きていくことを意味します。畑を耕し、食物を共有し、大地に根付く。日本有数の豪雪地帯であるこの場所で生き抜くには、先人たちの知恵を授かる必要がありました。僕らはその知恵を活かし、家族の住宅に宿として命を吹き込みます。

昨今での自然への共生という言葉だけでは伝わらない一面があります。こもるを単なる自然との触れ合いをする宿泊と思わずに来てもらいたいと願うのは、自然への畏怖も感謝も含めた、「生き方」と触れ合う時間と考えてもらいたいのです。

一緒にこの土地の生き方を感じ、目に見えぬものを見る。

*

2023年春に開業予定なので、是非、籠もりに来てください。ホテルの中身の話はまた今度。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?