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あっちの顔とこっちの顔

初めて人の二面性を目の当たりにしたのは中学生の頃だったと思う。

学年で一番人あたりの良いとされる女子が、クラスメイトのことを「あいつウザいよねー」と言っているのを偶然聞いてしまった。ただの陰口なだけじゃなくて、周りの取り巻きの意見まで先導するような「ウザいよね」だった。

ああ。あの子がいつも人に囲まれているのは人気者だからじゃなくて、ボスだからなんだと瞬時に理解した。

ボスとは今まですれ違ったら一言・二言笑顔で話すくらいの距離感だったのだけど、なんだか一気に怖くなって話さなくなった。

それ以来、人をしっかり見るようになったと思う。

どんなコミュニティにも、たいてい「人気者」と多くの人から「よく思われていない人」がいる。よく思われていない人というのは、実際の人柄を知る前に第三者から良くない印象が植えつけられるから不利だ。他人の評価に惑わされて、距離を置いている人を何人も見たことがある。

全員がそうではないけど「人気者」は「世渡り上手な人」で、「よく思われていない人」は「不器用な人」なことも多いと感じる。ちゃんと話してみると、よく思われていない人の方が案外芯が通ってて面白かったりする。

噂話で人との接し方を決めるのではなく、出来る限り自分の目で見た情報で、その場で感じたもので判断する人が増えればいいなと思う。

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