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ケーブルを考える。 モニター編

初めから取り上げるには地味な題材だが今回はパワードモニタースピーカー接続用のケーブルについて考える。

数値化は出来るとは言っても目には見えないオーディオ業界というのは、よくオカルトだと言われるくらい不確定で感情的なもののように思える。

なので僕の考えも胡散臭いので参考程度に。

-作り手と聴き手では焦点が違うのでは?-

まずエンジニア界隈とオーディオ界隈での話は別物として考えた方がいいと思う。超高額オーディオアイテム達はもう貴族の趣味の領域というのはあるとしても、そうではない業務用のケーブルですらも求めている物が違うと思えるから。

〇〇って国の音楽には△△のケーブルを使うとピントが合うだとかいう謎論調を見たりするが、精神的な要素だと思う。

米国の音楽にはBeldenというのもどうだろうか? Mogamiを使っているスタジオも多いらしいし、そもそもその楽曲の制作にどんなケーブルが使用されているかなんて調べようがない。ましてや一種類でもないと思う。

作り手も聴き手もケーブルによって音は変わるということは分かっているのに、何故作り手側がケーブルの特徴も音作りに取り入れるという事を聴き手側は無視してしまうのか?

そう考えたらケーブルを国によって変えるなんて事は???だ。

何にせよ聴き手は楽曲の再現性や心地よさのようなものを求めているように思えるし、自身の環境でのバランスが重要なはずだ。

逆に作り手は淡白気味な方が個人的にはいいと思う。モニター環境だけでいくらよく聴こえても聴かれる環境は様々だ。

スマホのスピーカー、イヤホン、TV、、、

なので極論どの環境でも破綻なく聴けるMIXが出来るならケーブルなんてなんでもいいと思う。いくら完璧な作業環境でも音作りをミスしたら意味がないし、どんなバランスの悪い環境でも慣れていて自己補正出来てしまえば結果オーライなのだ。

音響が整っているに越した事はないけれど、ケーブルの優先順位は上じゃないかな。

-結局、何を使っている?-

長年Mogamiの2534を使っていたのだけれど、気分転換をしたくてKlotzのSQ434Yに去年変えた。他にもBelden、Canare、Gothamなど王道業務用的なものは一通り試してもみた。

元々の2534は優秀なケーブルだと思う。中域が濃い、倍音が多い印象。そういえば聞こえはいいが、PAN的にもやや中央によって聴こえる、倍音のせいで若干ぶつかりめに聴こえる。

オーディオなんて言葉遊びで、物は言いようだと強く思う。

SQ434Yは純粋にレンジが広くなった感じを受けた。低音がボヤけずにHi-Fiな印象。倍音成分が落ち着いたのか、スッキリとつまらなくなった印象もあった。音楽的な感動が感じづらくなったなといった第一印象ではあったが、Ariana GrandeやBruno Mars等のトップエンジニアがMixした曲は結局素晴らしく感動的でモニター的にシビアなケーブルだと思う。

ドンシャリとも取れるが世の中の再生機器がドンシャリで迫力ある風のものが多いため、ある意味ではモニター環境との乖離が落ち着きフラットとも言えるのではないだろうか?

何よりも、日本国内ではTEAC Storeで切り売りを取り寄せて自作する以外術がないというマイナー感とレア感が使用の一番の理由である。

ミュージシャンとは大方そういう生き物だ。王道も好きだが、人と被らない機材というのも好きなのだ。

-最後に-

耐久性や最低限のクオリティは必要だけれど、僕にとってケーブルはファッション感覚に近いのかもしれない。

気分が上がるとかの要素が強い。

いつも思うことだけれど考え過ぎ、比較し過ぎで泥沼にハマることが大概。案外最初の直感が正解だったパターンはどんなことにもあると思う。

そう、野生の勘、本能は凄いのだ。

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