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失敗が教えてくれたコト。|インタビュー 利用者の今|2021年06月

身体の障がいをもつ、Fさん。こもれびグループで、就労継続支援A型の利用者として働いています。Fさんの【今】について教えてもらいました。


■こもれびグループの就労支援を利用することになった経緯を教えてください。

障がいや病気などの理由で、当時仕事をしていなかった私は、ある日、病院へ行く用事がありました。その病院へ向かう途中(帰りだったかも)のバス停で、バス待ちをしていた際、こもれびの事業所が目に入ったんです。そこで、話を聞いてみようと訪問し、案内をしてもらいました。可能であれば、ここで働いてみようかな、とも思いましたが、その時は病気の手術がまだ残っていたので、手術が終わってから、また検討してみようということになりました。
それから1年ぐらいして、手術も終わり、家にこもっていても良くないな、仕事を探そう、と思いハローワークへ行きました。そのハローワークで、就労継続支援A型の事業所をいくつか紹介してもらい、その中のひとつが、こもれび、でした。バス待ちをしていた際に訪問したのは、こもれびの就労継続支援B型の事業所、ハローワークで紹介してもらったのは、A型の事業所でしたが、面接を受けた結果、こもれびのA型で働くことになりました。

面接の際、見学もさせてもらいましたが、こもれびで働く皆さんは、楽しそうに、頑張って仕事をしている印象で、これまで私が思っていた障がい者の方の就労施設とはイメージが違っていました。
作業らしい作業はせず、座っているだけのようなイメージを勝手にもっていたので、そこは、大きなギャップでした。


■現在、どんな仕事に取り組んでいますか?

除菌消臭剤(次亜塩素酸水)を入れる袋(パウチ)の検品や、タオルの検品、袋詰めなどの軽作業をしています。支援員さんの指示を守りつつ、より正確に作業するにはどうしたら良いのか、自分なりにいろいろ工夫しながら、作業をしています。ただただ指示された通りに動くだけではなくて、より高い品質の作業をするには、どうすれば良いのかを考えながら、作業に取り組むことが大切だと思っています。

いまでこそ、こうして作業に対し、積極的に取り組むことが出来ている私ですが、入社してしばらくは、そうではありませんでしたし、仕事も休みがちでした。指示されたこと以外は考えず、仕事の終わる時間まで、淡々と作業をしていました。そんな自分が変わるきっかけとなる出来事があったんです。

こもれびに入社し、1年ぐらいたった頃、シール貼りの作業をしていたのですが、シールの貼る箇所を間違え、かなりの数の不良品を出してしまいました。怒られてもしょうがないと思いながら、支援員さんに報告したのですが、その支援員さんは、ニコニコしながら、誰でも間違いはあるので、これからは気をつけてくださいねと言い、一緒に手直しをしてくれました。
その時に、障がいを持っているからこれくらいでいいではなくて、自分で出来ることはちゃんとしなくてはいけない、責任をもって仕事をしなくてはいけない、という気持ちがわいてきたんです。
あの時、ただ怒られるだけだったら、こんな気持ちにはならなかったかもしれないと思うと、支援員さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。


■仕事をするなかで、うれしいことはありますか?

私たちが、たずさわった商品が、実際にネットで販売されているのを見るとうれしい気持ちになります。また購入していただく方のために、いいかげんな仕事は出来ないな、とも思います。

作る側の立場になってみて、わかったことは、ひとつの製品が完成するまでには、たくさんの人がかかわり、たくさんの工程を経て出来あがっている、ということです。一見、簡単に作られているようにみえる何気ないものでも、作ってくれている、たくさんの人たちに感謝し、大切に使わないといけないな、と感じています。


■仕事をするなかで、大変なことは?

軽作業の仕事をするなかで、仕事によっては、同僚の皆さんよりも、時間がかかったり、上手く出来なかったりすることもあります。そんなときは、支援員さんにコツを教えてもらったりしています。おかげさまで、皆さんよりは、まだ遅いですけど、以前よりは出来るようになりました。


■今後の目標や、将来の夢があれば教えてください。

目標は、皆勤をなるべく長く続けることです。少々のことでは、休まないと決めたので。私も、もう今年で60歳ですが、少なくとも65歳になるまでは仕事を続けたいですね。

今、障がいや、病気で、家にこもりがちな方には、仕事ができるようなら、なるべく外へ出て、仕事をすることをおすすめしたいです。目標をもって仕事をすれば、今より楽しく生活出来ると思うからです。障がいや病気だからと、やる気をなくしたり、あきらめたりする必要は無いと思います。私みたいな身体のわるい人間でも、こもれびという場所がありました。皆さんにもそんな場所を見つけてもらいたいです。

20220119_note【記事挿入画像】利用者の今_02