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富士山はどの神に守護されているのですか?古文書『富士信導記』解読⑥

明治10年発行の古文書『富士信導記』第6回目。今回が最終回です。

魂とはなにかという壮大なテーマで始まり、ようやく今回で終結します。

富士山に登ることにどのような意味があるのか、また、それに値するにはどういった心がけが必要なのか、といったことがこれまで語られてきましたが、最終回は富士山本宮浅間大社ふじさんほんぐうせんげんたいしゃに祀られている木花咲耶姫このはなさくやひめ(木花之佐久夜毘売命)がようやく登場します。

どのように書かれているのか、楽しみですね。

■神への誓いはどこで行われるのですか

教会所で教長に願い出て行います。

■富士山はどの神に守護されているのですか。木花之佐久夜毘売命がお守りする山ではないのですか。

天祖天神の命によって、木花之佐久夜毘売命が守護なさる山なのです。

■木花之佐久夜毘売命が守護する山なのでしたら、木花之佐久夜毘売命を信仰するべきですが、なぜ天祖天神を信仰するのですか。

富士山は神聖な霊山です。つまり諸神がお集りになる場所ですから、特に天祖天神のご寵愛を受けた木花之佐久夜毘売命が山守となったのだと、理解しましょう。

■遠くからやってきて富士山に登るのが難しいという人は、どうやって天祖天神に御恩を尽したらよいのですか。

先祖棚に向かって厚く天祖天神を拝みましょう。

■神様を先祖棚に祀ってよいのですか。

神葬祭(神道の葬儀のこと)でしたら、一緒に祀ってかまいません。

■富士山に登らなくても神棚に向かって厚く信仰すれば、登山したのと同様に神のお助けがあるのですか。

同じお助けがありますが、教えを継いだ者は武邦尊師(藤原武邦=富士講の開祖)の後を守り、登山しなければ元祖の本意に背くことになるでしょう。

■木花之佐久夜毘売命を信仰して天祖天神の祟りはあるのですか。

祟りはありません。厚く信仰しましょう。


【たまむしのあとがき】

木花咲耶姫をご存知ない方にサクッとご紹介しますと

コノハナサクヤヒメは桜の花とされる木花が咲いたように美しい女性と言う意味を持っています。

神仏ネット

美人の神様ということで大変人気があるのですね。

コノハナサクヤヒメの名前が有名な神社と言えば、富士山頂に奥宮を奉る、富士山本宮浅間神社です。
浅間神社の主祭神が「コノハナサクヤヒメ」で、配神には、コノハナサクヤヒメの夫であるニニギノミコト、父のオオヤマヅミの神が祭られています。
富士山を頂く、浅間神社は古くから富士信仰の拠点になります。
そのため、諸説ある神社になり、元々はコノハナサクヤヒメが祭神ではなく、富士大権現、富士大菩薩、浅間神、浅間大菩薩と言う呼称で一般に信仰を集めていました。
その後、江戸時代の文献の中で、富士山がその昔活火山であったことと、コノハナサクヤヒメが火の神であったことから、富士山の主祭神の浅間大神はコノハナサクヤヒメの別称という表記も見られます。

神仏ネット

肝心のご利益は「農業・海上安全・航海安全・安産・子授け・火難除け・機織り・酒造繁栄」とのこと。

該当される方はぜひ参拝をご検討されてもよろしいかと思います。

全6回お付き合いくださり、ありがとうございました。

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