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ツクツクボウシ、鳴く。

たまごと牛乳を買うために家を出ました。
いつも出かける時は二本杖で頼りなく歩いています。

出かける時はこんな感じ

駅から500歩(350mくらい)までで行くことができるお店を紹介する「500歩ランチ」の企画を実行するために、公園のベンチや駅の待合室で休憩を取りながら、リハビリをかねてできるだけ毎日歩くようにしています。

セミの鳴き声がきこえています。「ツクツクボウシ」の鳴き声です。
夏もそろそろ終わりのようです。

気温と蝉の活動期間は関係しているように思いますので大阪だけかもしれませんが、ぼくは他のセミより、ツクツクボウシの鳴き始める時期が遅いと感じています。

だから小学生の頃、ツクツクボウシが嫌いでした。その鳴き声は、夏休みの終わりのサインだったからです。

九州大学の理学研究院・立田晴記教授によりますとツクツクボウシの鳴き声は「オーシンツクツク」から「ツクリヨーシ」と、鳴き声の途中からパートが変わる世界的にも珍しい鳴き声で、またその鳴き声のパートそれぞれに意味があるそうです。

教授のツクツクボウシの鳴き声の言語化が個人的にはどうかと思いますが、まぁ空中ブランコの音を「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」と表現して、賞賛されている詩人もいますからとやかく言うつもりはありません。それよりも面白いことを研究しているんだな、と感心しています。

ですが、この研究は海外の人たちに理解してもらえるのだろうか、と少しだけ心配になりました。
海外の人は虫の声を雑音として聞き流し、まったく気にしないときいたことがあるからです。

虫の声を聞く時、日本人は左脳を使い、海外の人たちは右脳を使う。これも日本人の研究です。
右脳は「音楽脳」と呼ばれ、左脳は「言語脳」と呼ばれています。
虫の声を左脳できくのは日本人とポリネシア人だけだそうです。

ポリネシア人が多く住むトンガ王国にもセミはいるのでしょうか?
もしいなければ「ツクツクボウシ」や「ミンミンゼミ」のように、鳴き声から命名(言語化)される蝉は日本人だけの感覚なんでしょうね。
「ああ おもしろい むしのこえ」
童謡「虫の声」の歌詞の面白みを理解できるのは日本人とポリネシアリの人たちだけなのです。

授業中「なんでやねん、どんな耳しとんねん」と思っていましたが、英語の「バウワウ」「クックドゥドゥルドゥ」と日本語の「ワンワン」「コケコッコー」の謎が解けました。
耳ではなく脳だったのですね。納得。

日本人にはやっぱり「シズル」より「ジュージュー」の方がおいしく調理されているように感じます。

「それにしても、最近たまごの値段が高いなぁ」
と、ブツブツ文句を言いながら、スーパーで買い物を済ませました。

帰り道。ツクツクボウシはまだ鳴いていました。

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