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白猫プロジェクトのパルメショックの思い出ーー当時のガチ勢としてーー
白猫プロジェクト史上最大の事件と名高いパルメショック。
当時のガチ勢として正直な思い出を綴ります。
こんにちは、こもくです。
ついさっきの話ですが、Youtubeの動画を適当に流していたらこんな動画に出くわしました。
何だか懐かしくてつい最後まで観てしまいました。白猫プロジェクトは私が人生の中で最もハマったソシャゲ、否、コンシューマーゲームまで含めて最も好きになったゲームなのです。
2014年8月頃、白猫の1周年を彩ったエクセリアやゲオルグのイベント・・・の何故かその直後にリセマラし、リコを相棒にゲームスタートしました。
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チュートリアルの時点でワクワクが止まらず、どハマりしそうだなと思って、結局その通りになりました。
ダウンロードした2015年8月から2016年4月までの私の生活は本当に白猫漬けで、そのプレイ時間は、正社員の労働時間を余裕で上回っていたと思います。X(旧Twitter)で繋がっていた白猫仲間と、毎日協力プレイをして楽しんでいました。
そんな私は、2016年4月を境に白猫へのモチベーションが下り坂になります。2016年4月に何が起きたかというと、タイトルにもある通称"パルメショック"です。
当時のガチ勢として、パルメショックの思い出を綴っていきます。
※本記事ではパルメのことをあまり良くは言いませんが、あくまでパルメの"性能"の話です。キャラクターとしては大好きなのでキャラ自体を否定する意図はありません。
1.パルメショックとは
白猫Wikiにはこのように書かれていました。
パルメショックとは、狭義では株主総会後にコロプラの株価がストップ安を記録した現象を指す。現在では2016年4月末のパルメ実装に端を発したとされる売り上げの急激な減少も含む。
白猫の全盛期からの衰退を語る時に絶対に触れられる事件です。ざっくりとした内容としては「強すぎるパルメが実装された」というようになります。
ただ、強すぎるキャラが実装されるというのはソシャゲあるあるの話で、実際、パルメの前にも剣シャルロットや魔ツキミといったぶっ壊れキャラが実装されることは度々ありました。
私はその頃まだ白猫をやっていませんでしたが、エクセリア・ゲオルグ、夏カスミ、双剣シズクなどのキャラも相当壊れていたと聞きます。
パルメ以外のぶっ壊れキャラが全く叩かれていないではありませんがーー特に剣シャルロットは自分で回復もできるアタッカー、いわゆる自己完結の走りであり、協力プレイにおける役割分担の概念を消し去ったキャラと言われることもありますねーーパルメ並みに叩かれている存在は他にいないと思うのです。
何故このパルメだけやたらと槍玉に挙げられるのか。その理由は、パルメ登場までの経緯にあります。
2.募っていた不満
パルメ実装前の時期、キャラのインフレは進むのに協力ステージの最高峰は長らく☆11のクロスファイトで、ガチャで新キャラを当ててもそのキャラで遊ぶ場所がなかったんですよね。引いた直後にちょっとスキルを試してあとは島掘り用か倉庫番になってしまい、白猫の醍醐味である協力プレイで使えないことにはもやもやしていました。
特に、パルメ実装の直前に行われたイベント「茶熊学園2016」は当時の人気キャラが一堂に会した大イベントであり、ガチャの実装直後はそれはもう大盛り上がりだったのですが、すぐに盛り下がりました。試運転でクロスファイトに行くとみるみる敵が溶けていき、協力も何もあったものではなかったのです。
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「新キャラを当てても使う場所がない・・・」という不満が募っていました。
3.それでも縛りプレイで楽しんでいた
このような不満を抱えていたのは事実ですが、それとは別に私を含むガチ勢は白猫に楽しみを見出していました。
それが縛りプレイです。
縛りプレイとは、弱いキャラで強いクエストをクリアしていくことです。具体的には、呪剣を持たせた☆2キャラの剣士×4人でクロスファイトに挑むとかですね。
難関協力クエストをソロでクリアすることも一部で流行っていました。ただ、協力クエストをソロで挑むために、当時はバグ技や別端末を必要としていたこともあり、これは本当に"一部で"の話です。
縛りプレイは本当に楽しくて、初見ではクリアの兆しが全く見えなくても、様々な立ち回りを考えたり練習したりすることで、少しずつクリアに近づいていく手応えがありました。そして、クリアした瞬間の達成感は堪らないものがありました。
しかし、縛りプレイを沢山やっているうちに、やがてどんな縛りプレイでも大した苦労もなくクリアできるようになりました。上で具体例として挙げた「呪剣を持たせた☆2キャラの剣士×4人でクロスファイト」なんかは、クリアできても大して嬉しくなく、クリアできなかったら落胆する、そんな扱いになっていました。
100点を何度も取っているテストを解く感覚・・・
フルコンを何度も達成している楽曲に挑む感覚・・・
縛りプレイの内容は、基本的にTwitterの誰かが考えたものです。色々な楽しい縛りプレイがありましたが、高難易度クエストの内容が変わらないので、アイディアが飽和していくのは当たり前の話でした。
ユーザー自身で白猫の楽しみ方を考えるのも限界にきていた時期でした。
4.待望の高難易度クエストの追加
新キャラを当てても使う場所がない・・・
楽しめる縛りプレイがもうない・・・
2016年4月22日。そんな不満が募っていた折、最高難易度の協力クエストとして☆13のメルヘンが追加されました。これが本当の本当に難しいクエストで、当時の最強キャラを使ったとしても、何も考えずに臨んではクリアできないようなクエストだったんです。
当時の白猫界隈で最大手のYoutuberだったミナトさんのメルヘン初見プレイ動画を観ると、その難しさの衝撃を思い出します。
ミナトさんと他3人の熟練プレイヤーが、思い思いのキャラと立ち回りで挑んで苦労されています。キャラ編成と立ち回りをしっかり考えることで、ようやくクリアされていますね。
このようにメルヘンは、立ち回りを理解している4人が、役割分担をしっかりすることでようやくクリアできるような難易度でした。
メルヘンの登場は、
新キャラを当てても使う場所がない・・・
楽しめる縛りプレイがもうない・・・
というユーザーが抱えていた不満をどこか彼方に吹き飛ばすものでした。
新キャラを当てても使う場所がない・・・メルヘンで使える!
楽しめる縛りプレイがもうない・・・メルヘンならいくらでも楽しめそう!
盛り上がりに欠けていたTwitterの白猫界隈が一気に活気を取り戻しました。かくいう私も、毎日何十回もメルヘンに挑戦し、床を舐めることを繰り返していました。全然クリアできないんですけど、それでも思いました。楽しい!
ぶっ壊れキャラ勢揃いのランダムマッチングでも楽しめたのはよく覚えています。クロスファイトのランマチは、強キャラが1人いたらそれで終わってしまうので中々遊びにくかったですが、メルヘンのランマチは楽しかったです。
5.そしてパルメが実装される
2016年4月26日。パルメが実装されました。
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メルヘン登場の4日後の話です。
この日を境にパルメが白猫を蹂躙していった・・・訳では実はありません。誤解されがちなんですけど、そうではないのです。
パルメは確かに強力なキャラクターだったのですが、以下の弱点を抱えていました。
・即死回避がない(大ダメージで即死する)
・状態異常バリアがない(メルヘンの毒沼とマンドラゴラ対策としてほぼ必須)
・SP管理が難しい(新職種ヴァリアントはSP回復をしにくい特徴があった)
このように扱いが難しい面があったので、パルメの評価は、
ガチ勢が使うとメルヘンのクリアすら容易になるが、初心者が使いこなすのは少し大変
という感じに落ち着いていました。そう、モチーフ武器が登場するまでは。
6.究極完全体パルメの完成
2016年4月30日。メルヘンの登場から8日後。この日こそが、白猫の分水嶺となります。
パルメのモチーフ武器が実装されました。性能は以下の通りです。
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![](https://assets.st-note.com/img/1699242101522-dIDyoHqjpN.png)
武器スキル:状態異常バリア
オートスキル1:水属性ダメージアップ
オートスキル2:即死回避
オートスキル3:SP効率アップ
上で書きました、パルメのキャラ単体としての弱点をもう一度記載しますね。
・即死回避がない→オートスキル2
・状態異常バリアがない→武器スキル
・SP管理が難しい→オートスキル3
そうなんです、キャラ単体としての弱点がモチーフ武器によって全て完全に補われているのです。その上、メルヘンに刺さる水属性ダメージが強化される豪華なおまけ付きです。
モチーフ武器は、そのキャラを使いやすくするための武器であるので、キャラの弱点を補う性能を備えるのは当然のことではあります。が、これはどう考えてもやり過ぎでした。
即死回避と状態異常バリアのおかげでそう簡単に床ぺろしなくなったことに加え、SP効率がアップしてしまったことが決定打です。パルメのSP管理が難しいことの原因は、ヴァリアントの職業の仕様ーースキルを打つのは変身後、SP回収するのは変身前ーーに由来していたのですが、モチーフパルメはアクセサリ等を組み合わせることで、
スキル1をSP3、スキル2をSP5
で打ち続けることができるようになったのです。パルメはタウン無しの状態でSP211なので、開幕スキル1を打って、あとはスキル2を41発打てる訳です。そして、それまでにはメルヘンを殲滅し終わっているんですよね。SP効率が上がったというか、SP回収をする必要がなくなったと。
次の動画はミナトさんによるパルメのメルヘンソロの動画です。SP回収を一回もしていません。
この動画は2016年7月13日のものであり、パルメモチーフ武器実装から少し時間が経っているので、厳密にはタウン事情などが異なります。ただ、パルメモチーフ武器実装時点でも、モチーフパルメの恐ろしさはこれくらいでした。
このように、モチーフ武器の実装によって、究極完全体パルメが完成したのです。
7.モチベーションの限界
さて、究極完全体パルメの登場によって次のように揶揄されることが多くなりました。
「パルメを当てた新規ユーザー」>>>>>>>>「パルメを持っていない既存ユーザー」
私はまさに「パルメを持っていない既存ユーザー」だったのですが、実はこのことはあまり気にしていませんでした。誤解されがちなのですが、私たちガチ勢は「最強キャラを使う新規ユーザー」に負けることはもともと大して嫌に思っていないのです。
縛りプレイが好まれていたことがその象徴ですが、ガチ勢は弱いキャラを使って難しいクエストをクリアすることに楽しさを覚えていたので、新規ユーザーが強いキャラを使って難しいクエストをクリアしていく姿に対して否定的な意見は持っていませんでした。むしろ、新規ユーザーでも強キャラを手にすることで難関クエストに立ち向かえるという門戸の広さに、白猫の良さを感じていたほどです。
ただ、そんなガチ勢でもパルメの実装は堪えました。
ガチ勢に対してメルヘンがどのように刺さっていたのかを再掲します。
新キャラを当てても使う場所がない・・・メルヘンで使える!
楽しめる縛りプレイがもうない・・・メルヘンならいくらでも楽しめそう!
前者の希望が完全に潰されたのはわかりやすいと思います。今後出るキャラは、どうせメルヘンを悠々とクリアできるものだから、新キャラを当てても使う場所がないのは変わらないと。
後者の縛りプレイは、正直ぶっ壊れキャラがいくら実装されても関係ないように一見思えます。パルメ実装時、私もそう思っていました。挑戦を重ねるごとに強キャラではクリアできるようになっていたので、次は中キャラ、やがて弱キャラでメルヘンの縛りプレイを楽しめるだろうと。
ただ、そうは事は運びませんでした。これは、クロスファイトとメルヘンの仕様の違いによるものです。
クロスファイト縛り内容として、上で「呪剣を持たせた☆2キャラの剣士×4人」というものを紹介しましたが、最初からこの縛りで遊んでいたわけではありません。それ以前の段階として例えば「燃焼はあり」とかそういうのがあったのです。クロスファイトの難敵はラス面のムカデとマンティコアでしたが、それらに対して燃焼がとても有効だったのでそれは一旦ありにしようと。
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また、立ち回りでも色々工夫の仕様がありました。一番有名なのは最後のマンティコア二匹の対処法でしょうか。マンティコアがこちらに気が付いていない状態から始まるので、一匹だけにそーっと近づいて、その一匹だけと戦闘を開始するというものです。
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アクーアを倒してからマンティコアをおびき寄せればいいのに、と言いたいですが我慢します。
また、最難所のラス面前半も色々とやりようがありました。二匹のムカデが驚異的ですが、例えば上のムカデをタゲ取っている人が下側に回ると、上のムカデは電撃飛ばし以外の攻撃をしてこなくなります。最も怖いデンジャラスアタックの噛みつきを防げるだけで攻略のしやすさがかなり変わってくるのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1699268272990-AL54MvYzrz.png)
また、電撃飛ばしはタゲを取っていないプレイヤーがムカデを怯ませることで発生を阻止できるので、ムカデを完封できるわけです。
ちなみに、ムカデのタゲについてはラス面突入時のプレイヤーの位置に依存していました。縦一列に並んで突入するのですが、その並びが例えば
A
B
C
D
であれば、上のムカデのタゲはAかB、下のムカデのタゲはCかDでした。したがって、開始直後、AとBは下側へ、CとDは上側へ回ることでムカデを無力化できるのです。
当時の楽しさを思い出してしまったためにだいぶマニアックな話をしてしまいましたが、何を言いたかったと言うと、クロスファイトは色々と小細工ができて段階的に縛りプレイのレベルを上げることができた、ということです。
これに対してメルヘンは小細工のしようがほぼありませんでした。状態異常は効かないし、プレイヤーの立ち位置によらず敵キャラは全員気が付いてくるので一部だけをおびき寄せるといったこともできません。
強いて言うならラス湧き。アスラとバフォメットA、バフォメットBを異なるプレイヤーでタゲ取るという戦術です。プレイヤーは4人いてタゲを取らない人が1人出てくるので、その人はバフォメットBを叩きにいくという感じです。バフォメットBを撃破するまでは、アスラとバフォメットAをタゲ取っている人は回避に専念し、バフォメットBを倒した後に順次合流して倒していきます。
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理論上はかなりイケてる戦術なのですが、問題はバフォメットが強すぎるということです。バフォメットはHPが減ってくると、一定時間、デンジャラスアタック(スキル回避ができない)状態で高速攻撃を繰り返してきます。プレイヤーは、その間は実質的には回避に専念する他ありません。
大ダメージで瞬殺すればそのデンジャラス状態を拝むことはないのですが、縛りプレイでそんな大ダメージを与えることはできません。
回避するだけだったら正直そんなに難しくないのですが、他のプレイヤーに攻撃が当たらないように回避し続けるのがかなり難しくて。上の戦術では、バフォメットBを担当している2人は、その他の2人にバフォメットBの攻撃が向かないように立ち回る必要がありますが、それは難易度がとても高い話でした。
このように、クロスファイトの縛りプレイに比べてメルヘンの縛りプレイは難航を極めました。そして、その難航に立ち向かうだけのモチベーションが、私たちにはもうありませんでした。パルメショックに嫌気が差したユーザーが、ひとりまたひとりとTwitterを去っていきました。
シャルロット、好きでした。
8.まとめ
以上が、当時のガチ勢から見たパルメショックの全容です。
総括すると、メルヘンからパルメという流れが最悪でした。
メルヘンだけだったら下手したら神ゲーのままだったかもしれないし、パルメだけだったら「またキャラのインフレが進んだなあ」くらいで済んでいたように思います。
メルヘンという希望を見せてからパルメという絶望に落とす一連の流れは、もともと不満が募っていた多くの白猫ユーザーのモチベーションを奪うには十分でした。
パルメショックは白猫衰退の”原因”と言われることも多いですが、私の認識としては原因ではなく”とどめ”です。モヤモヤとした不満が色々とあった上でのパルメショックだったのです。
※冒頭でも申し上げましたが、本記事で批判的に論じているのはあくまでパルメの"性能"の話であって、キャラ自体を否定する意図は一切ありません。
白猫にはもう長年触っていませんが、この記事を書いて、クロスファイトの縛りプレイをまたやりたくなりました。でも、当時の白猫仲間は全員白猫をやめてしまっていて、一緒にやる人がもういません。
もう少し違った運営をしてくれていたら、もう少し違う未来があったのかなと思ったりもします。白猫を楽しんだ思い出自体は不変とはいえ、やっぱりちょっと寂しいなあ。
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