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「本を読む本」を読んで―分析読書のまとめ―

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Ⅰ.読書の意味

「読書によって何かを学ぶには、読書の過程で、常に、『それにはどんな意義があるのか』問いつづけなくてはならない」

「良書の、知的かつ積極的な読み方」、「理解を深める為の読み方」についての本
「意欲的な読者」になるには…読書の目的を意識する、見返り(読書によってしか得られない利益)を期待して努力する(≠娯楽としての読書)
教わること…極めて積極的な活動
「読んでいる間に質問をする、自分自身でそれに回答できるよう努力する」
1. 全体として何に関する本か
2. 何がどのように詳しく述べられているか
3. 全体として真実か、どの部分が真実か
4. どんな意義があるのか
…読むに値するものすべてに当てはまる、読者の義務

読書の4レベル
1.初級読書
2.点検読書
3.分析読書←メイン、「内容を理解した」といえる段階
4.シントピカル読書

Ⅱ.分析読書について

a. 第一段階―概略

キーワード:分類(理論or実践)、透視・統一とアウトライン・読むことと書くことの相互性、意図
① どんな種類の本かを知る
② その本の統一を表す
③ 主部分を述べ、どのような統一性を持って全体を構成しているかを示す
④ 著者が問題としている点は何であるかを知る

b. 第二段階―解釈

キーワード:著者との折り合い、単語、命題・キーセンテンス・論証、
⑤ 著者と折り合いを付ける
1. 重要な単語を見つけ出す
2. 意味を正確に掴む
⑥ 最も重要な文に注目、そこに含まれる命題を見つける
・ 文の表す意味を掴む、重要な単語の解釈
・複雑な文は、二つ以上の命題を表す
命題の理解…「自分の言葉で言い換えてみる」「一般的真理を具体的経験orありうる場合に即して例証」ことでテスト
思想・知識、著者の意図を掴めているか(←外国語翻訳・シントピカル読書にも有効)
言葉の背景にあるものを掴む
⑦ 一連の文から基本的な論証を見つけ、組み立てる
文の集まりについて
「重要な論証を述べているパラグラフを見つけるorあちこちのパラグラフから文を取り出し、論理を構成する命題が含まれる一連の文を集めて論証を組み立てる」
概括の箇所…点検読書で把握する
⑦の実行に役立つこと
i. どの論証にもいくつかの叙述が含まれることに注意する
「何故筆者の示す結論を受け入れなければならないか」の理由etc.
ii. 論証の方法を区別する(帰納法or演繹法)
iii. 筆者が仮定しなければならないのは何であるか、立証できるものは何か、自明の事柄は何か、を見定める
⑧ 筆者の解決が何であるかを検討する(第一段階、第二段階の統合)
…④「筆者が問題としている点は?」について、
・どの問題が解決できたのか
・ 新しい問題は生まれたか
・ どの問題が解決できなかったのか、筆者はそれを自覚しているのか
以上、本の内容の理解

c. 第三段階―判断(修辞)

キーワード:正しい批評、読者の義務、積極的読書の完成、知的エチケット、学ぶことの効用、「本から学ぶにはどうするか」、修辞

「意欲的でない読者は、内容の分析や解釈を怠ることも多いが、それにもまして、判断を怠る。理課する努力を惜しむだけではなく、本を放り出して、書いてあったこともきれいさっぱり忘れてしまう。何の批判的考察も加えず、悪いときめつけることは、形ばかりの褒め言葉よりも、尚悪い」
内容の理解→対等な対話…読者の義務であり、著者の権理
「自分の判断を下さない人間は、本当の意味で、学び得ない」
理解から批判へ…修辞が問題になる
「修辞」…コミュニケーションのあらゆる場面で問題になる
聞き手自身の立場を明らかにする務め
相手を納得させ、説得するための手段、話し手・書き手に反応するための技術

文法・論理・修辞
⑨ 〈この本が分かった〉とある程度確実に言え、その上で〈賛成〉〈反対〉〈判断保留〉の態度を明らかにする(第一、第二段階の完了を確認するまでは語り返さない)
・「批評≠反論」
・ 安易に納得(したふりを)しない
・ 一部だけで判断を下さない(他の著作等との関連)
⑩ 筋道を立てて反論する
著者との対話から得る唯一の利益:相手から何かを学ぶこと
読書の成功:知識を得ること
「反論するだけでなく、賛成するにも、それなりの準備が必要」
読者が考慮すべきこと:「書かれていることが、事実であり、真実であるかどうか」
⑪ 反論は解消出来るものと考える、「いかなる判断にも、必ずその根拠を示し、知識と単なる個人的な意見の区別を明らかにすること」
人間の〈理性〉性
大部分の反論は誤解と無知の排除で解消できる
「意見≠私有財産」
知識=「弁護しうる意見」

以下、反論の心得
⑫ 知識不足な点を明らかにする(名辞)
⑬ 知識の誤りを明らかにする(命題)
…著者の結論に関わる場合に限って指摘すれば十分
⑭ 論理性に欠ける点を明らかにする(論証)
・不合理な推論…前提、仮定の誤りetc.
・ 推論における矛盾
…著者の結論に関わる場合に限って指摘すれば十分

⑫⑬⑭が立証できない限り、読者は著者の主張に賛成しなければならない

⑮ 分析・説明の不完全な点を明らかにする(全体の構成)
判断保留「分析が完全かどうか」

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