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フランドルの交易地 祭壇画に差し込む天上の光

ベルギー第2の都市アントワープ(Antwerpen)。中世後期から商業・金融の中心地として栄え、現在もヨーロッパ有数の港町であるこの街には、歴史ある美しい街並みが残されていて、ノートルダム大聖堂と市庁舎がベルギーとフランスの鐘楼群として世界遺産に登録されています。

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この街に来たからには、先ずはノートルダム大聖堂を訪れ、ルーベンスのキリスト昇架とキリスト降架をご鑑賞ください。

フランダースの犬のネロ少年が想い焦がれた作品ですが、暗い色調の画面中央に白く浮かび上がっているキリストの姿は、最期を迎えたネロにとって天から降り注ぐ光のように映ったのでは…

アントワープにはルーベンスの家もあります。

ルーベンスと言えば大学生の頃に受けた授業で、当時は食糧事情が良くなかったので、現代とは反対に、ふくよかな女性が美の対象であったと聴いたのですが…どうでしょう?
まあ、お陰様ででぶでぶルーベンスと覚えてしまい、どの美術館で見つけても間違えることはなくなりましたが…
ちなみにドイツではミュンヘンのアルテ・ピナコテークのコレクションが有名です。

ベルギーの公用語はフランス語とフラマン語(Flemish)ですが、フラマン語とオランダ語は実は同じもの… アントワープはフランドル地方にあるので単一表記ですが、ベルギーの首都ブリュッセルでは市内の標識も二言語表記になります。
ガイドブックで世界で最も美しい広場グラン・プラスと刷り込まれていたので、現地でGrand PlaceとGrote Markt(大市場広場)が併記されているのを見た時は受けるイメージの違いにくらっときました。

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アントワープのグローテマルクト(発音的にはフローテマルクト)は市庁舎の前にあり、スヘルデ川岸で高額な通行料を強要していた巨人を倒したローマの戦士、ブラボーを記念する噴水があります。

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川岸にあるステーン城には悪さをした巨人もいます。

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アントワープには古い建築物だけでなく、20世紀初頭にお金持ちが競い合って建てた住宅街も…
コーヘルス・オジレイ通りにはアールヌーヴォー、アールデコ、ネオルネッサンス、ネオクラッシック等、装飾的な様式が建ち並んでいます。

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それから、アントワープの中央駅は最も美しい駅として常に上位にランクインするほど豪奢なもの。
お越しの際は是非構内のカフェもお楽しみください。

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(2001年の回想録: 写真はフィルムカメラにて撮影)

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