調子のいいヤツ
小3の息子、なんだか調子がいい。
夜、パパが帰ってきて、
「おい! 宿題やったんかー!」
「あー、はいはい、
今からやるところでーす!」
テレビの前から、自分の勉強机に走っていく。
家族がテレビを見ていたら、後ろの方で、
「(クイズの)答え、わかった!」
「あれ、おまえ、宿題やるんじゃなかった?」
「あー、はいはい。しまーす!」
向こうから、声が聞こえてくる。
「あー、これ、バランスがいい!
すごくバランスがいい!」
何かと思えば、自分が書いた漢字がきれいだと自画自賛していた。
宿題の後、早くやることすませてゲームをしたいので、急いでお風呂に入って出てきたが、
「ねえ、あんた、頭にまだ泡ついてるよ。」
「えーー!?」
寝る前に、学校で習った地図記号が面白かったらしく、いろいろ教えてくれた。
「これ、図書館のマーク。」
「図書館のマークなんてあるんや。」
「これは、城ののこりかけ。」
「のこりかけ? 城跡のことやろ?」
「田んぼマンと畑マンがおって、·····」
そんなキャラが授業で出てきたらしく、イラストを描いていた。
機嫌いいなー。何かいいことあったのか?と思ったら、布団に入ってから、ぼそっと
「今日、学童のクイズ大会で優勝した。」
と言っていた。
次の日、朝の支度もせず、ぼおーっとしている息子。
「早くしないと遅れるよおー!」
「じゃあオレは仕事行くからな。
頑張れよ!」
とパパ。
「あー、はやくしやな!
車くらいの速さで行かな間に合わん!」
急に慌てだす息子。
パパが車に乗ると、後部座席にランドセル背負った息子が·····
「あれ! おまえ!
歩いて行かへんのか?」
「ボクはもう、車に乗ってしまったから。」
ニヤニヤ笑って、大好きなパパに学校まで送ってもらった息子だった。