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米粉と卵の相性最悪?!卵入り米粉食パンの研究🥚後編〜有料級の大発見👀


さてさて…卵を入れたら絶対ふわふわになるだろうという予想の元、始めた卵入り米粉食パンの研究ですが、思った以上に難航し、冷蔵庫の中の卵を全て使い果たしてしまいました…💦絶対に成功させたい…寝ても覚めてもその事ばかり考えて、夢の中でもパンを焼く日々…

(詳しくは全編をご覧ください)

このままではいけない!なぜ卵を入れると陥没してしまうのか、その原因をもっと根本的に追求しよう!と、新たな実験を行ってみました。


卵黄と卵白の役割を分析

卵の黄身と白身、米粉食パンを陥没させている犯人はどちらなのか?それとも、どちらでもないのか?はたまた黄身と白身が合わさる事で陥没を引き起こすのか?

この疑問を解決するため、全卵を混ぜたもの、卵黄だけ混ぜたもの、卵白だけ混ぜたものを比較してみることにしました。

皆さんは、卵黄と卵白、どちらを入れた方が良いと思いますか?
私は、なんとなく卵黄を入れると、パンにコクが出てふわふわになるのではないか、と考えました。少し調べてみると、卵黄にはパンの発酵を促進する働きがあり、卵黄を入れることでよく膨らむと書かれていました。一方、卵白はパンの歯切れを良くする作用があるそうです。

さぁ、どちらが米粉パンには合うのでしょうか?


その結果は…


左から全卵、卵黄のみ、卵白のみで焼いたもの。


なんと、一目瞭然!卵黄を少しでも入れると真ん中が大きく陥没してしまうのに対し、卵白だけにすると、自己ベストを上回る高さまで膨らむことが分かりました😳

さらにキメの細かさをみてみると…

全卵を入れたもの
卵黄のみ入れたもの
卵白のみ入れたもの

全卵や卵黄を混ぜたパンは大きな気泡が入り、キメが荒いのに対し、卵白のみを混ぜたパンはキメが細かくフワフワに仕上がりました。

米粉パンを陥没させている犯人は、卵白ではなく卵黄であることが分かったのです!


なぜ卵黄を入れると陥没するのか?

一般的に(特に小麦粉のパンにおいては)、卵黄を入れることでパンの発酵が促進されること、滑らかな生地になり食感の良いパンが仕上がることが知られています。一方で卵白のみだと硬くパサパサしたパンになることが多い様です。

ではなぜ、米粉食パンでは、卵黄を入れると陥没してしまうのでしょうか?この1番の理由は、卵黄を入れることにより生地が過発酵してしまったから、と考えています。私の経験上、米粉食パンが陥没する理由の大半は、水分量と過発酵によるものです。今回は3種類とも水分量は同じであること、全卵と卵黄を混ぜたパンではキメが荒くなっていることから、過発酵が原因であると考えられます。

ここまでの結果を読むと、卵黄を入れるとパンが陥没する=米粉パンに卵黄は入れるべきではない?!
と思われた方が多いと思います。しかし、勘違いしていただきたくないのは、ホームベーカリーで米粉パンを焼くときは、卵黄は入れるべきではない、ということ。ホームベーカリーは発酵時間や焼き時間が既にプログラムされていて、それを変えることはできません。作る人がその日のパンの発酵具合を見ながら時間を調節すれば(卵黄を入れるときは発酵時間を短くする等)、卵黄を入れたパンを焼くことも可能です。米粉パンでも、卵黄を入れると卵の甘みやコクが感じられる美味しいパンになることは間違いありません。しかし、私はあくまで、ホームベーカリーと相性の良い配合を研究しているので、今回は卵黄は向いていないことがわかりました。

卵白は米粉食パンに入れるべき?

卵白を入れても米粉パンの膨らみは阻害されないことが分かったけど、わざわざ卵白のみ入れる必要がある?と思われた方いらっしゃいますよね?私の感覚では、卵白を入れるとかなりきれいに膨らみ、キメも細かいと思ったのですが、実際に卵白なしのものと比較してみないとハッキリと断言はできませんよね。そこで、今度は卵白ありと無しで、その他の条件は全て同じにし、比較してみることにしました!

左が卵白あり、右が卵白なし


見比べてみると、卵白を入れるとキメが細かく、てっぺんがきれいな山型になることが分かります。卵白なしの場合も、充分キメが細かくて美味しいのですが、並べて比較してみると、キメが荒く見えますね💦それだけ卵白をいれた方がキメ細かくなることが分かりました!

ということで、わざわざ卵白のみ入れる価値は充分あると言えます!


卵白ありと無し、味や食感の違いは…?

卵白ありでも無しでも、味自体の違いはほぼありません。卵白を入れたからと言って卵の味がするわけでもなく、むしろ言われなければ卵白を入れていることはわからないと思います。

しかし、食感には多少の違いが生まれました。卵白無しだと、しっとりもちもちとした食感ですが、卵白を入れるとふわふわとした食感が加わります。

小麦粉のパンは、卵白を入れるとパサパサするそうですが、米粉パンはもともとモチモチしているので、卵白のみでもパサパサ感は気になりませんでした。むしろ、米粉パンのモチモチ感が少し緩和され、ふわっと軽い小麦粉パンに近づいたような感じです。

卵白なしでもとっても美味しいのですが、卵白を入れることでまるで小麦粉のパンのように軽く、それでいて米粉のもっちりした食感も残っている最高の食パンが出来上がりました!

卵白を入れるメリット

ここまでの結果を踏まえて、卵白を入れるメリットをまとめると…

①よく膨らむ。

②キメが細かくなる。

③米粉パンなのにふわっと軽い食感が出せる。

④小麦粉のパンに近い食感になる。

ということが分かりました✨

ホームベーカリーで米粉のパンを焼くと、硬くなってしまう、お餅のようにモチモチと重たい食感になってしまう等でお悩みの方は一度試してみてください♪また、米粉より小麦粉の食パンの方が好きだという方も、これを食べれば小麦粉のパンに戻れなくなると思います🫢

この発見の後、さらに改良に改良を重ね、世界中どこにもない、完全オリジナル、自分史上最高の自信作が出来上がりました!詳しいレシピは次回、ご紹介させていただきます🙏🏻

※無断転載、複製、改変等はご遠慮ください。

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