自然栽培の本質4
自然栽培稲作講座いよいよ今週末から!現場生産者のプロセスをぜひ皆さんの米づくりにお役立ていただきたく定期的に開催していきますのでよろしくお願いいたします!
さて、今回は自然栽培生産者側から見たクオリティの判断基準についてです。
[プロセスを食べている]
プロセスと言ってもチーズではありませんよ。。はい、一応お決まりのボケということで✌️
この場合のプロセスとは植物がタネから育っていく道程のことです。
例えば虫が出てキャベツを食い荒らされたとします。
その時、自然栽培では「虫が食べる植物は健康的ではない」と解釈します。主な理由は、
☑︎肥料などによる過剰な代謝が起こっている
☑︎生育不良で免疫機能が発達していない
☑︎品種の特性が天候や気温に合っていない
これ以外にも理由はあると思いますが、具体的にはそんなことが原因で虫が「来てくれる」と考えます。来てくれるって、ドMか!と突っ込まれそうですが、ちょっと深掘りしてみれば決して自虐的なことではないとわかります。
虫や菌それ自体はいろんな場所に存在します。それが必要な時に現れ、必要な働きをするという観点で自然栽培は考えます。
謂わば、地球の生理作用です。
もし動物の糞が道端に転がっていたら、誰が命令することもなくハエや虫や菌たち達がどこからかやって来て分解のお手伝いをしてくれます。
彼らがいるからこそ糞が早く大地に還っていけるのです。これも素晴らしく完成された地球の生理作用ですね。
虫食いが出た!病気になった!ということは、植物たちが自分たちを取り巻く異変を伝えてくれているのです。だから悪いことでは決してないということですが
それを農薬などで症状を抑え最後まで代謝させて出荷する、というのが現代農業での代謝産物です。
でも根本的にはどうでしょう。虫や病気が教えてくれるバランスの異変はそのままな状態ですよね。薬で症状を抑え込んでいる状態。
自然栽培生産者は無農薬で栽培したいのですが、有機生産者と違い虫や菌と戦いたくない。
そこで自然環境全体のバランスを虫や菌に出動命令が出ないニュートラルなバランスにすることに着眼します。
虫や病気が過敏に反応しない環境を整えて栽培を実現していきます。
自然栽培生産者ってこんな仕事なんですよね。どうですかワクワクするでしょ?僕はしちゃいましたね〜
では、現場の生産者はどんなお野菜を理想として栽培しているのか。それは
「のびのびたっぷりと根が張ってしっかり免疫もあり、肌ツヤも良く、磨いてもいないのにキラキラしていて、ゆっくりじっくり形になってくれるお野菜」です。
そんな彼らには虫も病気も発動しにくい。そして美味しいことを生産者は知っています。その姿はおおらかでスッキリと大地に根ざしていて本当に美しいものです。
それは地球の生理作用を理解した上で田畑に関わるプロセスから実現できるものです。
とはいえ自然界は無限みたいなものですから、僕の話も永久に「かもしれない」と言った仮説です。
でもこの仮説のように虫や病気が栽培環境によって発動するとしたらどうでしょう。単純に元気な「イノチ」をいただく方が、食べる方も元気になる気がしますね。
自然栽培の場合は最終的にクオリティに全部でてしまうので誤魔化すことができません。美味しさ、食感、見た目の美しさ、香りなどに全部出ます。
すごいでしょ!美味しいでしょ!と宣伝したところで五感的に不味ければ、現場の何かがバランスを欠いているという世界です。
でもこういうシビアなところも面白さであり、だからこその価値でもあり魅力的な部分だと思います。
そしてこのプロセスを重視する考え方は畜産や林業のほかいろんな他の分野でも共通するものなんですよね。その話はまた今度!
ありがとうございます!
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