学校でのトラウマに悩まされている

「私たちは、幼いその子が学校でトラウマに悩まされていることに考えも及ばないのです。」
(中略)
私たちの中に学校に行って初めて、自分は絵が下手だと知った人がどれくらいいるだろうか。
(中略)
自分に対するこうしたレッテル貼りを免れて人はほとんどいないのではないか。いつの間にか忘れているかもしれないが、私たちは皆、心の片隅に『自分に対する下された評価』を隠し持ち、しばしば同時に自分が見られたくない欠陥から目を逸らせる方法を身につけている。        (学習する学校p67)

今、僕はとてつもなく絵を描くことが嫌いです。
アメトークの「絵心ない芸人」に出場したら優勝できるのではないかと思うほどです。

教室で絵を書こうものなら子どもたちからブーイングの嵐です。(まあそれをネタにできるのも先生という職業のいいところで、むしろ笑いにしているのですが。)

でも小学校に入学する前は、とても絵を描くことが好きだった記憶があります。

ドラえもんの絵や大好きなサッカーの絵を必死に描いていました。

できた絵を両親に自慢げに見せては、飾ってもらったりしていたな。

でも、状況が変わったのは小学校に入学したこと。

小学校の図工では描く課題が決まっています。
そして、同じ題材で書けば必然的に周りの友達と比べらることになります。

仲のいい友達が絵が得意でした。そのことが羨ましくて、自分の絵が不完全に思えてしかたがなかった。
やりきれない思いを抱いたことをいまだに覚えています。

好きだった絵を書くことがいつから苦行に変わったのか。

思い返してみると、図工の時間だったんどろうなと思うのです。


小学校のときに「自分に対するくだされた評価」を忘れることができず、他者と比較されたことを今でも引きずっているのでしょう。

自分の欠点を隠すために、絵を書かないという選択をして、自分の欠点から目を逸らすすべを身につけてきたのだと思います。(そして下手になる)

こんなことは絵だけでなく、他にも山のように起こっているはずです。

現在の学校の制度では、なかなか避けることが難しい問題なのかもしれません。
でも、今の制度の中でもできることはあるはず。

そして、僕は学校で子どもたちに関わる先生です。
自分の言葉がけや自分の態度が、子どもたちに影響するのだということを肝に銘じて、毎日過ごす必要があるのだと感じました。

また、2人の父としても、子どもたちの様子をしっかりと見て、子どもたちの気持ちにしっかりと寄り添って、生活していきたいと思います。

言葉かけも本当に考えないとね。

確かに、ぼくは絵を描くことが好きだった。
まだまだ本当の自分に蓋をしていることもたくさんあるはず。

本当の自分に目を向ける時間も勇気も、もっと必要なのかもしれません。


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