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3章⑥【狛犬の不思議】 Season2 パラレルワールドの事実 10/14/2017

可哀想な狛犬[平成29年10月14日(土)] 

「狛犬を巡る会」に参加。

サークルやいろんな集まりのほとんどがフェイスブック繋がりであり、例外なく狛犬巡りの会もフェイスブック繋がりである。
待ち合わせ場所連絡などフェイスブックが凍結しているため、大変苦労した。
連絡手段なく、うろ覚えの待ち合わせ場所、時間に取り敢えず行ってみた。
変更があったらアウトである。

御徒町の出口は何か所かあるが、たぶんここに違いない。
神社巡りの会は2回目なので主催者さんと会えればいいのだけど。
会えなかったら、お茶して帰ろうと思っていた。
そうしたら、人を探している様子の帽子を被ってリュックを背負った年配の男性と、周りを見回してはスマホを見る若い女性が、同じ柱の近くにいた。
神社巡りの格好をしている。
思い切って声をかけてみた。
初参加の方だった。
よかった。
それから、5人、6人と集まり、8人で全員集合。

1人で神社に行ってもいいのだが、神社のどういうところがご利益あって、何がどう良いのかよく分からない。
お参りして、叶ったこともないし、おみくじで大吉が出たこともなくて、小学生の頃は初詣で2年続けて凶が出るという、あまり神社によく思われない人なので、神社は年に1度行くか行かないかである。

でも、せっかく大学で文化人類学やら歴史をやっているわけだから、日本の太古からある神社についても知識をつけて学のあるところが見せられたらいいと、この会に参加することにした。
この会の人たちは、神社オタクの人ばかりだから、普通の学のある人でも知らない超レアなことを教えてくれるから面白い。
神社の溝を見たり、裏に回ったり、狛犬に話しかけたり面白い人たちである。

1人のおじいさんが、
「狛犬は可哀想な存在で、石垣と同じ扱いされた時代があるから、もしかしたら足元の石畳とか、石の土台に変身させられた可能性があるのだよ」
と神社の石畳1つ、1つ、観察して可哀想な狛犬を探していた。

神社の裏庭あたりにいた女性が、
「発見、こっちよ!」とおじいさんを呼ぶ。
みんな一斉におじいさんの後ろについて、呼んだ女性の方へ小走りで近づく。
「ほら、こんなところに狛犬がいたわよ」
女性の指差す方向を見ると、神社のゴミ捨て場のような一角に、緑の苔と土で汚れ、角が風化して、ほぼ円状になった狛犬らしき石の塊が、無造作に置かれていた。
置かれちるというより、「捨てられている」という表現の方が合っている感じがした。
近づいて、よく見ると、確かに、かつては狛犬だったような形状をしている。
「可哀想に、こんなところにほっぽられて」
みんな一斉にスマホや一眼レフを構えて、可哀想な狛犬らしき石を撮りまくる。
そしてみんな一斉にインスタやツイッターにアップしている。
おじいさんも折りたたみ携帯で、舐め回すように接写していた。
望遠の重そうな一眼レフを肩から掛けた女性は、石の塊を上から横から、下からとあらゆる角度で連続で相当数撮っている。
うーん、この汚い石の塊の何がいいのかサッパリ分からない。

3つくらい神社を廻って、お昼は適当に定食屋で食べて、また3つくらい神社を廻る。
全く富士山が見えないのに、昔、昔は富士山が見えたことから縁起を担いでか富士山の神社と称するところが多くあった。
夕方には、足が痛くなってくる、それでも、神社好きの人は、
「もうひと神社廻ってきますよ」
と解散後も1人で神社巡りを続けるようだった。

良いことの無い日々だから、たまには良いことがあってほしい。
今日のお勉強、狛犬には可哀想な狛犬もいる。
いいことない日々だから、たまには良いことあってほしい。

☆神社巡りは好きですか?

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神社に神様がいた[平成29年10月16日(月)] 

今日は、今年始まって以来の最高に幸せで、最高に心休まる夜である。
何があったかというと、仕事がキャンセルになったのだ!
バンザーイ、やったー。
今まで本当にやりたくない仕事を嫌々受けていたのだなあって、改めて思う。
受けたからには頑張らねばって、ものすごいプレッシャーだった。
仕事の時間が近づくと、腹痛になって、トイレに駆け込んでいた。

もう、トイレに駆け込まなくてもいい。
この嬉しさは、なんだろう。
この幸せはなんだろう。
神様は、やっぱりいるのだ。

実は、ついさっき、神社にお参りして、
「なんとか、明日も滞りなく過ごせますように」
と真剣に、真剣に祈った。
できることなら、仕事したくないと思いながら。

いつもの帰り道の、いつも素通りしている神社だが、何となく立ち寄ってみた。
繁華街の一角にある神社なので、仕事の帰りがけに寄る人が多いのか、夕刻の暗くなった時間も、お参りしている人がちらほらいる。
周りのビルの明かりと灯篭の明かりで、境内はとても明るくて、夜の神社とは思えない。
ハンチング帽をかぶって、セカンドバックを脇に抱えている、いかにも水商売風のおじいさんが、
「パーン」「パーン」と境内中に響き渡るような拍手を2回してから、手を合わせること2分くらい、何やら長いお願いをしていた。
きっと毎日仕事前に、商売繁盛を拝んでいのだろうなと想像する。
コマゾロがお祈りしたのは、せいぜい10秒くらいである。

たった10秒でも、お参りして、境内の階段を降りて、ため息をついた。

スマホが鳴ったのは10分も経たない頃。

先方から連絡が来て、念願の、念願のキャンセル。
それも、事情は、こちらの所為でも、先方の所為でも無い、致し方ない理由だった為、突然のキャンセルとなって申し訳なかったことを謝罪されて、キャンセル料まで払ってもらえるということだった。

こんな奇跡があるのだ!
これからは、信心深くなるよう心がければ、いつも幸せ気分になるのかもしれない。

あの水商売風のおじいさんのように2分くらい長いお祈りをしたら、さぞかし幸せな一生を送れることだろう。
あのおじいさんなりの、幸せなのだろうけど。

明日は、お礼参りに行かねば。
そうすれば、ますます幸せが近づいてくるのだ、など考えながら、ニヤつく。
3ヶ月振りの、心からの寛ぎで、今夜はゆっくり眠れそうである。

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☆神様はいると思いますか?


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半世紀以上前の世界に来てしまった。どうすれば、元の世界に戻れるんだろう。

2018年の夏。 幽霊や宇宙人は相変わらず見えないけれど、ある日、世界が変わってしまった。 ある日から、ボクの周りが変わってしまった。 ど…

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