【政策実現まであと一歩】男性育休が次のステップへ!男性育休公表義務化が拡大の見通し!
男性の家事育児を社会的に推進する「厚労省イクメンプロジェクト」の駒崎です!
2022年から法改正が重ねられ、除々にバージョンアップしてきた「男性育休」がさらに次のステップへ進みます!
100人超の企業に、「男性育休の取得率の目標」の設定が義務付けられる方針が固められたそうです。これは嬉しいーっ!
【イクメンプロジェクトとは?】
2010年に立ち上がった厚生労働省の「イクメンプロジェクト」。僕は座長として参画しています。
イクメンプロジェクトでは、男性がもっと積極的に育児に関わることができる一大ムーブメントを巻き起こすべく、様々な啓発活動や提言活動を展開してきました!
なぜなら・・・
男性育休は、日本社会にとって絶対に必要だから!!
【なぜ男性育休が必要なのか?】
「男性育休」が必要な理由。
1つ目はズバリ「産後うつ」の予防です。
過去の調査研究(※1)によれば、妊娠中や産後の女性の死因の1位は「自殺」であることがわかっています。
この「産後の自殺」の要因のひとつとして考えられているのが、「産後うつ」なんですね。
そしてその「産後うつ」を引き起こしている要素として、「パートナーや家族からのサポートの不足」や「パートナーの不在などから生じるストレス」が関与していると言われています(※2)。
産後間もない時期は、夜間の授乳や赤ちゃんの夜泣きなど、親にとってはとてもハードな時期。産後うつのリスクのある産後1年の間に、父親が育休を取り育児参加することで、「産後うつ」を防ぎ、お母さんとこどもの命を救うことに繋がります!
2つ目の理由は「少子化対策に有効だから」。
先日速報値が出た2023年の出生数は、過去最少75万人。
待ったなしの状況にある日本の少子化ですが、これに歯止めをかけるには、「夫の育児参加」が必須です。
内閣府の調査によれば、休日に夫が全く家事・育児を行わない場合、第2子以降の子どもをもうける夫婦は10%。それに対し夫が6時間以上家事・育児を行う場合、第2子以降の子どもの出産に至る夫婦は87%なんです!(※3)
つまり、夫が家事・育児をすればするほど子どもの出産に至る可能性が増えるということ。
そして男性育休には、「家事育児参加のスイッチを押す」効果があるんです!
東京大学大学院経済学研究科の山口慎太郎教授によると、父親が5週間育休を取得した場合、3年後の家事時間が、なんと2割も増したというカナダの調査結果があるのだそう(※4)。
男性が育休を取って家事・育児にフルコミットすることで、育休が終わった後の継続的な育児参加につながるわけです!
【男性育休、これまでの歩み】
そんな超大事な「男性育休」ですが…
イクメンPJ発足時(2010年)の日本の男性育休取得率、なんと1.23%でした。
絶望的ですよね。
その後、2022年に「育児休業を取得しやすい雇用環境の整備」や「従業員への育児休業取得の意向確認」が企業の義務になったり、「産後パパ育休」制度の創設などによって少しづつ男性育休取得率は上昇。
2022年度には過去最高の17.13%となりました。
それでもまだまだ低すぎる!
政府目標の「2035年までに50%」に全然達してないのはもちろんのこと、女性の育休取得率は80.2%ですよ。
同じ親でありながら、この乖離は何事かと。
【育休取得率の公表義務化】
この状況を打開するのに絶対叶えたいことの1つだったのが「育休取得率の公表の義務化」!
男性が育休を取る最大のハードルである「職場の雰囲気」や「上司の無理解」を突破するためには、各企業の育休取得率をオープンにすることによる企業側の意識改革が必須だからです。
実際に、2023年4月から「従業員1,000人超」の大企業を対象に義務化を開始したところ、公表が義務化されている企業の男性育休の取得率は46.2%と、平均(17.13%)の2.6倍に!!(※5)
そして今回の改正で、その対象が中小企業まで拡大されたんです!
今回報道のあった法改正の内容は、以下のとおり。
これによって、これまで1,000人超の企業4,400社に義務付けられていた育休取得率の実績値の公表が、17,000~18,000社に拡大する見通し!(※6)
「男性も育休を取る」というあたらしいあたりまえが、中小企業を含め多くの会社に広がっていくことが期待できます!
【男性育休は取ることがあたりまえの社会に!】
上司や職場の理解が得られず、育休取得を諦めてしまった男性。
男性が育休を取れないためにワンオペ育児で苦しんできた母親やこどもたち。
今回、男性育休がさらに大きく一歩前進したことで、このような家族が救われることを期待しています。
僕も、男性育児があたりまえになり、「イクメン」という言葉が必要なくなるまで、引き続き提言を続けていきます!
こうした提言活動ができることは、寄付者の皆さんのお陰です。
制度や政策を変える活動を応援したい人はぜひ、フローレンスのマンスリーサポーターになってください!
よろしくお願いします!
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