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本を読む②-2

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前回のnoteで内容がおさまりきらなかったので、続きです。

社会的証明

特定の状況で、ある行動をとる人が多いほど、人はそれが正しい行動だと判断する

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例えば、行列ができている光景を目にすると、そこに並びたくなる心理。
新型コロナの影響でトイレットペーパー等の買占めが起こった心理。
私たちは真実を確かめることなく、そういった光景を目にする事で思い込みをしやすくなります。
ネットショッピングをするときにレビューを見て商品の価値を調べたり、食べログの評価を見たりするのもそれですよね。

この社会的証明の章を読んだとき、上の動画を思い出しました。
最初にこれを見たとき、なんでこういうことが起こるのか、ショックを受けたんですよね。車を運転する人ならこういう時は道を譲る習慣がついているのですが。
著者は次のように述べていて納得しました。

人が集団になると援助したくなくなるのは、人が不親切だからではなく、確信が持てないからなのだと、ちゃんと理解することです。人が救いの手を差し伸べないのは、緊急事態が本当に起こっているのか、行動する責任が自分にあるのかどうか、確信が持てないからです。
緊急事態なんだとはっきりしている状況で、手を貸さなくてはいけないと確信すれば、人は直ちに反応するものなのです。

上の動画では、無関心な人の多さ、気が付いても流してしまう人の多さから、自分が立ち止まって道を空ける必要性に気が付けなかったということなのかな、と。
誰かがはっきりと意思表示することで、その場にいる人たちは緊急事態と把握し、自分が道を譲らなければならないとわかるはずなんです。

「誰か」の意味

私が救命講習会に参加したとき、次のようなことを教えてもらいました。

道端に人が倒れていたとします。
私は救命講習会に参加し、資格を得ているのでその場で救命対応をする義務があるので助けようとします。その際、私一人だけでは心臓マッサージしかできないので、「誰か」に助けをもらわなければなりません。
その時に、
「誰かAEDを持ってきてください」
「誰か救急車を呼んでください」
と、周囲に言っても反応してくれる確率は低いそうです。
「誰か」ではなく、その場にいる人を特定し、その人に向かって
「あなたはAEDを、あなたは救急車を呼んでください」
と、具体的に言う必要があるそうです。まさにこの著者が言っていることと通じています。

連鎖する「ウェルテル効果」

社会証明の原理は、悪いことにも影響を与えます。
ドイツの文豪ゲーテが「若きウェルテルの悩み」という小説を出版しました。その小説の主人公であるウェルテルは自殺をします。
自殺を扱ったこの本はヨーロッパ中に大きな影響を及ぼしました。
その本は有名になっただけなく、ヨーロッパ中でウェルテルを真似た自殺が相次いだといいます。
あまりにもの影響力を懸念し、複数の国ではこの本を発禁処分にしたほどです。
現代に当てはめてみると、新聞やテレビ、ネットで自殺、交通事故や殺人の記事を大きく報じられた地域では、その後同じような現象が起こるそうです。問題を抱えた人がそういった記事を見ることで、それらを模倣してしまいます。
XーJAPANのhideさんが自殺した時、後を追って自殺者が続出したことが思い出されます。

私たちはその時の自分に似た他者の行動に最も強く影響されるのです。

社会的証明の影響力が強く発揮される条件は大きく分けると二つあります。

①不確かさ
自分の決定に自信を持てないとき、あるいは状況が曖昧なとき、他の人たちの行動に目を向け、人数が多いほうの意見に大きく影響を受けてしまう。

②類似性
自分と似たような状況におかれている他者のリードに従う傾向がある。

誤った社会証明に影響されないための防衛法

①類似した他者が行っている明らかに偽っている証拠に対して敏感になること。
②自分の行動を決定する際、自分と似た境遇の他者の行動だけを判断材料にしない。時には反対の意見を出してみたり、様々な角度から問題を客観視することが大事。

好意

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人は自分が親近感や好意を感じている人に対して承諾をしやすい傾向がある

外見的な魅力がある人の方が影響を与えやすいそうです。
ある人が望ましい特徴を持つことで、その人に対する他者の見方に影響を与えることを「ハロー効果」と言います。

このハロー効果を上手く使うことで、他者に好意を持たせ、自分にとって有利となる承諾を引き出しやすくなります。
服装とかにもそれは現れますね。
髪型など清潔感がある人は、そうでない人と比べると好意においては一目瞭然です。
見た目に対して私たちは無意識に影響を受けるのです。

防衛法

好意を逆手に利用されるのを避けるための方法は、自分の承諾を引き出そうとする相手に対して、客観的になること。
例えば、自分は過度にこの人のことを信用していないか?など思い返すことが必要になります。
「親しき仲にも礼儀あり」
「それはそれ、これはこれ」
などと重要な決定をする際は、きっぱりと割り切ることで一歩引いて物事を考えられるようになります。

権威

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権威が持つ影響力、それは私たちにとって非常に大きなもののようです。
私たちは無意識のうちに、権威に対して服従するようになっています。
権威者の言うことだから、ある程度理不尽であっても受け入れてしまう、みたいな。
本を読む②-1の一貫性でもありましたが、部活動における体罰なども権威ある人からの行為なので、それが間違っているか疑わず、受け入れてしまうということもあります。
決して許されることがない暴力だったとしても。

まず、私たちは何をもって権威者と判断してしまうのでしょうか。
その要因として「肩書」・「服装(装飾品)」・「車」の3つのシンボルがあげられます。
この3つのシンボルを上手く操ることで大きな効果を私たちに与えることができるのです。
しっかりした肩書、清潔感ある服装、高級な車などをその人が要している時、私たちは自動的にその人を権威者として認知するわけです。(カチ・サー)
権威者として認知すれば、信用もあるわけですから、自然とその人の言動を信じてしまう事になります。悪く言えば誘導されてしまう、みたいな。
自分の意見を過小評価し、権威者の意見を過大評価することにつながるわけです。
良いこととしては、本当に優れた知識を持っている権威者であれば、こちらは考える時間を省略できるし、従うだけで得を得ることができます。
悪いことでいうと、こちらは考えなくて済むので、相手の思惑にまんまと誘導されることにつながります。

防衛法

自分に以下2つの質問をしてみてください。

①「この権威者は本当に専門家なのだろうか。」
②「この専門家はどの程度誠実なのだろうか。」

①について、最初に3つのシンボルに惑わされず、本当に信頼できる証拠に目を向けます。いくつか質問してみてもいいかもしれません。その答えに根拠があり、納得できるのか。曖昧な点はないか、確認することが必要です。
②について、人格や言葉遣いなどに注意を向け、誠実さを伺います。
権威者は、こちらを信頼させるための策略があることに注意します。
その手法として、視覚のコントラストを使ってきます。
最初こちらにとって少し不利な情報を私たちに提供します。私たちはその情報に不安などを抱かされ、自分を誠実に見せかけてから、次の提供をしてきます。そうすることで情報の全てが信頼できるように仕向けてくるのです。

一旦距離を置き、客観視する。医療系であればセカンドオピニオンがあります。その他でも他者に意見を求めることが必要かもしれません。
自分がいま丸め込まれていると自分にアラームを設定できると対処しやすくなるかと思います。

希少性

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手に入りにくくなるとその機会がより価値のあるものに思えてくるという原理。
上のイラストのように時間の期限があるのがそうですね。
良い機会を失ってしまうかもしれないという心理にさせること。

心理的リアクタンス

心理学者のジャック・ブレームが提唱したこの理論によると、私たちは何かのサービスを受けようとするとき、何かしらの制限を受けると(時間、個数、時期)そのサービスあるいは商品をより強く求めるようになるそうです。限定品に弱い人、雑誌の袋とじなんてなんてまさにそれですね。

情報操作

これ情報などにも強く影響されてしまいます。
ある情報の希少性が高ければ、その情報の信憑性が定かでなくても価値があるものとして受け捉えるようになります。

防衛法

こうした希少性に影響を受け、丸め込まれそうになった時、2つの段階を経ていく防衛方法があります。

①希少性の影響を受けたとき、私たちはその興奮から一旦距離を置き、まず落ち着かなければなりません。
②①ができたなら、今度はそれが欲しい理由を自問します。
よくあるパターンとして、買うことで満足するだけではないのか。
どうしてそれが欲しいのかという観点から冷静にその機会を評価していくことで対処しやすくなります。

私たちから承諾を上手く引き出そうとする人たちは、こういった希少性の影響を武器として使ってくるのです。

影響力の武器・・・

私たちは何か意志の決定をするとき、今まで紹介してきた各章の影響をあまりよく考えず、断片的な情報のみで承諾する傾向があります。(カチ・サー、うん、わかった)
しかし、この影響力をうまく使って私たちから承諾を引き出そうとする人たちにコントロールされることがあり、愚かな意思決定をしてしまう事もあります。
こうしたことにならないように正しい選択をするべく「返報性」・「一貫性」・「社会的証明」・「好意」・「権威」・「希少性」の原理を採用していかなければなりません。

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ここからは、私の個人的な見解です。
現代の生活は、ものすごいスピードで進化していってます。
新型コロナウイルスの影響で、そのスピードは更に速まったという専門家もいます。
知識や情報の量が爆発的な勢いで増えている日常において、私たちはものすごい数の意思決定をしていくことになります。
その数故に、手っ取り早く判断する(断片的な情報のみで判断していく、カチ・サー)ことで対応する機会も多くなります。そのため、影響力を多く受け、承諾誘導の専門家(詐欺師とか)に上手く操られていることもあると認識しなければなりません。

承諾誘導の専門家たちは次々に凄まじいスピードであの手この手を使って私たちから承諾を引き出そうとしてきます。
だまされないように、利益を失わないようにするためにも、今私たちには本質を見極めるための適切な手段を用いることが必要とされています。

こんな時代だからこそ、誰かの責任にするのではなく、この本で紹介された影響力の原理6つを上手く使って自分の力で考えて意思決定していくことが大切なのではないでしょうか。

以上でこの本のまとめは終了です。
ハッキリ言って自分の言葉のみでまとめることは不可能でした。
でも、なにがどうあっても自分でまとめないことには覚えないので、やってみました。
これを完成した後にYouTubeでお世話になっているサラタメさんの動画を見てみようと思います。
それであまりにもの違いに打ちひしがれてきます・・・💦

たくさんの時間がかかりましたが、やってよかったと思います。
次の投稿でサラタメさんの動画を見た感想を載せたいと思います。


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