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墨田区で「こまった課?」あそび体験​​ワークショップを開催しました! 【 UDCすみだ編 】

こんにちは、「こまった課?プロジェクト室」です。2023年2月27(月)、UDCすみだ(東京都墨田区)の地域開放スペースで、公務員・学校職員・学生・地域住民が参加してのこまった課?のワークショップを開催しました。今回は、当日の様子をお伝えします!

こまった課? あそび体験ワークショップについて

今回開催したワークショップは、株式会社デジタル・アド・サービスと障害者支援施設ひだまりの里きよせ(設置主体:社会福祉法人東京都手をつなぐ育成会)が中心となり企画・開発・制作したカードゲーム「こまった課?」を活用して行うものです。

■ これまでに実施したワークショップの様子はこちらから

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今回のワークショップでは、会場となったUDCすみだに隣接するiUの職員と学生さん、墨田区障害者福祉課の職員さん、地域の方、合計15名にご参加いただきました。役所の方のご参加はワークショップ初になります。

当日は4グループに分かれ、それぞれに東京都手をつなぐ育成会の職員の方がファシリテーターとして参加しました。

UDCすみだについて

UDC(アーバン・デザイン・センター)すみだは、公・民・学連携のまちづくりプラットフォーム組織です。UDCは全国各地にあり、UDCすみだは2021年4月に全国で23番目に開設されました。開設から遅れてオープンしたのが、会場となった地域開放スペースで、今回のワークショップは初のイベント事例でした。こまった課?のプロジェクトメンバーがスタッフとして参画している縁から、今回開催する運びとなりました。

■ UDCすみだ ホームページ

あそび体験ワークショップ スタート!

UDCすみだ、こまった課?プロジェクトについての簡単なご説明、参加者同士の交流を深めるためのアイスブレイクを設けたのち、こまった課?のゲーム体験をスタート! 今回のワークショップでは、じっくりとこまった課?を体験いただけるよう、70分間という長めのプレイ時間を設定しました。

職員側と住人側に分かれ、職員側はどのような特性を持った住人なのか住人側の名前が何なのか、場面カードを使って質問しながら探っていきます。

はじめましての参加者同士も協力しながらプレイ!

初対面同士ということもあり、最初は声量も控えめだった参加者たち。ゲームが進むにつれて笑い声も多く聞かれるようになり、活発な雰囲気に変わっていきました。
 
何に困るかがわからなければ住人の名前(特性)を絞りづらいのですが、どのカードでも住人民側全員に「困らないです」と言われ続けてしまい、苦笑いを浮かべながら職員側が考え込む様子も見られました。打ち解けてきたあとは、職員同士「これ?」と推測される住人民の絵をさして協力する様子も。

「こまった課?」のゲームの難易度は3段階。最初はどのグループも「やさしめ」からスタートしましたが、2巡目、3巡目になると「ちょいむず」、「むずいぞ」に移行していくグループも見られました。難易度が上がっているにも関わらず、質問の仕方のコツを掴んだのか、正解に至るまでの時間がどんどん短くなっているグループが多かったのが印象的でした。

住人の名前を見事当てたあとは、住人側が困るシーンを1つ提示し、職員側がその困りごとを解決するアイディアを考えます。そのアイディアに対し、住人側が「永住したい = 3ポイント」「1〜2年なら…=1ポイント」「引っこします=0ポイント」と点数カードで評価して1ゲームが終了となります。

各グループが制限時間ギリギリまでゲームを楽しみ、どんどん盛り上がりを増していくワークショップとなりました。

プレイ体験後、こまった課?プロジェクトメンバーには「制作するにあたって、どのように住人を決めていったのか」という質問も寄せられました。制作過程において実際に当事者の方と話せる機会はそうそうなく、書籍やインターネット等でリサーチを行い、特性をリストアップし、ひだまりの里きよせの職員さん、心理士さんに相談、アドバイスをいただきながら制作を行いました。

■ 開発のストーリーはこちらから

ワークショップの最後には、墨田区職員・障害者福祉課長の瀧澤さんよりご挨拶をいただきました。

「墨田区では3年に1回、新しい障害者福祉計画を作っていまして、来年度がちょうどそのタイミングになります。障害の有無に関わらず、誰もが同じ情報を手に入れて生きていける社会づくりに取り組んでいきたいと思っています。こまった課?は非常におもしろい上で学びのあるゲームでした。ぜひ来年度の新入職員向けの研修に取り入れたいです」

参加者インタビュー

また、ワークショップ終了後、iU職員・保健室 看護師の大榮さん、墨田区 障害者福祉課長の瀧澤さんにインタビューする時間をいただき、こまった課?を体験してのご感想や今後の活用イメージなどについて、お話ししていただきました。

左:墨田区 障害者福祉課 課長の瀧澤さん/右:iU職員・保健室 看護師の大榮さん

■ 大榮亜由美さん(iU職員・保健室 看護師)

簡単にできるゲームで、誰とでも楽しんで取り組めると感じました。中学生ぐらいになれば子どもでもできそうですね。
 
自分が子どもだったころを振り返ってみると、意外と特性を持っていた同級生がいたなと思います。ただ、当時は「変わっている子」で一括りにされていて、私自身、警戒心を持って彼らに接していたこともありました。
 
接しながら知っていくうちに好きになったり手伝ったりできるようになっていったため、やはり「知る」ことは大切だと思います。相手にとって適切な接し方ができるようになるためにも、子どもの頃からいろいろな困りごとを抱えている人がいると知ることが大切であり、私の子ども時代にも「こまった課?」があればよかったなと思いました。
 
現在、保健室には特性の影響でしんどくなってやってくる学生がいます。自分でできる対策をしている子が多くいる一方、多感な年ごろであることもあり、なかなか周りに自分の特性について知らせるのは難しいようです。
 
誰かに伝えたところで、困らないようにはできないかもしれません。それでも、みんなでアイディアを出し合って、困りごとに対して「どうしよう?」と考えられることが大切だとゲームを通して感じました。困りごとを抱えている多感な年ごろの当事者の子たちにとっては、「こまった課?」の体験が「自分だけではない」と思える機会になるのかもしれません。中高生、大学生と若い世代が「こまった課?」に触れられる機会が増えればいいなと思います。

■  瀧澤俊享さん(墨田区 障害者福祉課 課長)

非常におもしろかったです。「障害」といっても、知的障害や精神障害など、言葉で言われてもいまいち理解しづらい、ピンとこない部分があるものですが、「こまった課?」の住人のようにキャラクターで見ると、すっとイメージできると感じました。
 
役所の窓口に、何度も何度も同じ質問をしてくる方がいらしたことがあります。今回のワークショップで、この方は期待している回答がほしくて同じ質問を繰り返していたのだとわかりました。質問に対してただ返すのではなく、その方に寄り添って、ほしがっている答えを出そうと意識すれば安心していただけたのでしょう。そうしたヒントに気付けるいいアイテムだと思いました。
 
職員側のときには、キャラクター名を当てるために必死に頭を働かせましたね。なかなかわからず、真剣に考えてようやくわかるくらいなのですから、ふだんの仕事ですぐに相手の特性に気付けることはなかなかないのでしょう。これまで、相手の特性を理解せずに対応して不満を抱かせてしまったこともあったのかもしれないと思いました。
 
また、真剣に考えた提案でも1点しかもらえない経験をして、相手の気持ちに寄り添って対応することの難しさもあらためて感じましたね。
 
挨拶でも申し上げたように、4月に新入職員が入ってきた暁には、ぜひ研修に「こまった課?」を採り入れたいと思っています。

参加者の声

ワークショップ後に実施したアンケートで、参加者から寄せられた感想をご紹介します!

・福祉現場の厳しさを知っている分、ゲームとはいえどんどん真剣になっていきました
・キャラクターのかわいさがあるからゲームとして楽しめたのかなと思いました。実際の現場を想像すると、大変なことも多いのだろうなと感じます
・元々ボードゲームが好きなので、シンプルに楽しかったです。知らない障害を持っている人がこんなにたくさんいるんだと知るいい機会になりました
・同じ名前を持つ住民さんなのに、質問内容によって困るか困らないか返答が違うことがあるんだと思いました。同じ障害を持つ人でも、見方によって困り度には違いがあるということなのかなと思います
・職員側としてアイディアを考えてみたことで、行政だけですべてをサポートするのは現実的ではないのかなと感じました。周りの人みんなでサポートしていきたいです

ワークショップを終えて

今回のあそび体験ワークショップは、地域に開かれた場所での開催となり、年齢や所属、経験などさまざまな方々にご参加いただきました。ご感想にもあるように、ワークショップで体験したことや気づいたことを、自分自身の普段の生活やお仕事とつなげて考えてみてくださっていることが印象的でした。ゲームをプレイすることを楽しむ、参加者同士のコミュケーションを楽しむという体験のなかで、目に見えない障害について考えてみる、想像力をふくらませてみることのできる機会をこれからもたくさんつくっていきたいと思います。

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こまった課? 公式ホームページ
こまった課? 販売サイト(STORES)
■商品やサービスに関するお問い合わせ先
株式会社デジタル・アド・サービス
こまった課? プロジェクト室
代表電話:03-5832-5588
Mail:komattaka@dascorp.co.jp

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