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【クリア後感想】SF×青春の特盛闇鍋群像劇・十三機兵防衛圏

先日、連休中に何かゲームでも購入しようかなとPlayStationStoreを見ていたところ、セール対象の中に、とあるゲームを見つけました。

それが今回紹介する『十三機兵防衛圏』です。

私自身、このゲームは「昔広告で流れてたな~」くらいで、詳しい内容を知らずに購入したんですけれども、いざプレイしてみると、まぁストレートに好みにぶっ刺さったゲームだったのでぜひ感想を書きたいなと思った次第です。

クリア時間は大体30時間ほど。シナリオのネタバレはなるべく避けますが、人によってはネタバレと感じるところもあるかもしれません。

あらすじ

まずは、本作の概要を簡単に説明しておくと、

『十三機兵防衛圏』は、『オーディンスフィア』や『朧村正』『ドラゴンズクラウン』などが有名なヴァニラウェアが開発を手掛けた、SFアドベンチャーゲーム。
主な舞台は、1985年の日本。突如出現した”ダイモス”と呼ばれる“怪獣”によって崩壊していく世界を救うため、13人の少年少女たちがそれぞれの視点と立場で、大型ロボット兵器である“機兵”に乗り込み、怪獣との戦いを繰り広げていく青春群像劇。
本作は、全部で3つのパートで構成されており、ゲームのメインとなるのは、各キャラクターを操作して物語を進めていくアドベンチャーパート“追想編”と、シミュレーションバトルパートの“崩壊編”の二つ。
もうひとつのパートである“究明編”は、追想編、崩壊編ふたつを進めることで開放されていく、アーカイブ的なパートとなっている。

といった感じ。

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今回はゲームの核となる追想編、崩壊編の二つについて語っていきたいと思います。


追想編:圧倒的なクオリティのシナリオ

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特徴としては何といってもメインシナリオで、なんと主人公が13人もいることでしょう。それぞれが違う立場と状況の状態から始まり、"怪獣"と"機兵"と呼ばれるものが引き起こす事件に巻き込まれていく、というのが大まかなあらすじとなっています。

プレイヤーは5~10分程度の短いエピソードを細かく読み進めていき、物語を進めていきます。ここのエピソードは時代も時系列もてんでバラバラで、その断片的なシナリオをプレイヤー自身が頭の中で整理し、つなぎ合わせていくことによって、徐々に物語の全貌が分かってくるという構造になっています。
この方式はホラーゲームの『SIREN』の方式に似ているなと個人的に思いました。

絵のタッチも独特で、今流行りのフルHDの超リアルな3Dっていうわけではなく、2Dの油絵チックなどこか温かみのあるデザインとなっており、昨今のゲームには見られないような”作者のこだわり”を感じさせました。

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▲ 夕日が入る教室の描写が何とも言えない哀愁を感じる


ストーリーの内容は、タイトルにも書きましたがSF×青春の特盛闇鍋群像劇といった感じで、とにかく好きな人には刺さる内容が多かった印象ですね。
最近の国産のゲームでここまで本格的なSFを楽しめるとは! というのが素直な感想です。

過去のSF作品に対するオマージュも豊富に組み込まれており、今までSF作品に触れてきた人にはニヤリとする場面もあるかもしれません。
私も『タイムマシン』、『宇宙戦争』といった超有名SF作品はもちろん、最近だと『インターステラー』や『TENET』といった作品も視聴しているまぁまぁのSFファンではあるのですが、そんなSFファンでもかなり満足できる仕上がりになっていると思います。


崩壊編:機兵を操作して怪獣と戦うバトルパート

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追想編は怪獣との戦いまでの過程の話で、時系列で言えば最後となる怪獣との戦いを操作するのが崩壊編となります。こちらは追想編とは打って変わりシミュレーションゲーム形式となっており、13人中から最大6人を選び、それぞれの機兵に装備された武装で怪獣を倒していきます。

システムとしては少し異なりますが、『ファイアーエムブレム』のようにリアルタイムにユニットを操作して敵を倒していくというもので、大量の敵を広範囲兵器で一掃するのはかなり爽快に感じます。

個人的に崩壊編はかなり割り切られて作られているな、という印象をうけました。というのも、戦闘中の怪獣のグラフィックと味方の機兵のグラフィックは全て簡易的に作られており、追想編で出てきた機兵を操れるのか!とワクワクしている人には少し拍子抜けしてしまうかも。

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▲ 敵も味方もかなり簡略化して描かれている

また難易度もnormalまでなら初見ノーコンテニューでクリアできるほど簡単なので、腕に自信のある方はHardでちょうどいいかもしれません。
難易度がどれであれ、クリアさえしてしまえばストーリーの進行に影響は出ないのでご安心を。


クリアしてみて

           十三機兵防衛圏は面白いぞ!!!

………

……

と言って終わりたいところですが、もうちょっと詳しく書きたいと思います。

本作は基本的にはアドベンチャー好きならプレイして損はないかとおもいます。
ストーリーに関しましては、私はかなり楽しめましたが、SFに造詣が深い方ならある程度オチが見えちゃうんじゃないかな~といった印象でした。それでもミスリードや数多くの伏線によって、最終的に自分が想像していた結末とは違った結末になりましたが。

ストーリーが一本道なのも賛否が分かれるところですね。私は複数のエンディングが存在するタイプの作品も好きなのですが、全ルート制覇するためにもう一回やりなおすという作業をするのが億劫な性格なので、むしろカジュアルにプレイできる本作は非常に良かったです。

アニメ化は…ないだろうな。うん。シナリオ書く人が過労死するわ。

なにはともあれ、気になった方は連休中にでもぜひプレイしてみてください。


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