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「好きな本を紹介するプレゼン」の講義資料#0

今回から、私が大学1年生向けの講義で「プレゼンの練習:本の紹介」を行った時の講義資料を順次紹介していこうと思います。内容は、これまでに紹介してきたもので、それを講義する立場で必要な情報をまとめるつもりです。

この内容は,1年生30名ほどを対象に,ホームルームを兼ねて大学での勉強に必要なスキルを取り上げるという半期15回の講義の後半に4回分で実施します。ここでのねらいは

  1. 一般論として,良い発表とは何か,発表の準備の方法,講演資料の準備の仕方,PowerPointの使い方を知る

  2. 実際に発表の準備をし,クラス全員の前で発表することで場数を踏む

  3. クラスメイトの人となりを知り,今後のコミュニケーションのきっかけにする

  4. 人の発表を聞いて具体的に評価することで自分なりの発表に対する価値観を磨く

の4点です。1. は知識として知っておいた方がいいことの伝達,2. は実践です。実践を学生に負担をかけずに行うために,発表する題材はこれから新たに調べることではなく,自分がすでに知っていること,好きなことにします。自分がよく知らず,興味もないことを調べて,これまた中身をよく知らず,興味のない人に話すのは,プレゼンに慣れている人でも難しいと思うので,自分がよく知っていて,人におすすめしたいと思うものをプレゼンしてもらいます。このプレゼンを少人数のグループに分けて時間をかけて実施する方法もありますが,短時間でも人前に出る練習は今後の経験として役に立つと思うので,持ち時間を短めにして2週間かけて全員分の発表会をします。この方法のメリットは,教員(私)が全員の発表に立ち会えることです。週1回しか会わない学生の顔と名前を一致させるのは結構苦手なのですが,このプレゼンを聞いた後だとしっかり人物が特定できるようになります。3.では学生同士のコミュニケーションのためと書きましたが,実際には私のための自己紹介の拡大版という意味もあります。4.は聞き手の学生が面接官のようにクラスメイトの発表を評価するということです。自分の反省より人の発表を批評する方が次にどんな発表をしたらいいかの示唆が得られると思うからです。

週1回90分の4回分の各回の内容は次の通りです。

  1.  [講義パート] プレゼンテーションの基礎の説明 [実習パート] 発表内容を決めて絵コンテを作る 

  2.  [実習パート] PC教室で1時間でプレゼンファイルを完成させる 

  3.  [発表会 その1] 1人持ち時間5分で全体の半数が発表する。聞く人は評価表をつける。

  4.  [発表会 その2] 残りの発表を聞き、同じ要領で評価表をつける。

1.を実施する2週くらい前に予告として「本の紹介」をするから,本を決めておくよう指示します。具体的にはこんな感じ

クラスの課題として,「おすすめの本を紹介する」ことをテーマに,PowerPoint で スライドを作成して一人ずつ発表をする。本は,漫画でも良いから,出版されているもの にする。第 ** 回の講義 (*/**) までに,ネタを考えておくこと。スライドの作成は講義内でやるので,家で作る必要はない。

2017年に実際に使った講義資料より

また,全ての発表が終わった後,全員から集めた意見をそれぞれにフィードバックするのと,全員が紹介した本のリストを作って配布します。

この内容を4回でコンパクトに実施するために,LaTeXを駆使して自分も準備に時間をかけないで済むようなシステムを作りました。また昭和に培ったアナログな工夫も随所に取り入れました。そういう細かいノウハウも自分のために残していきたいと思います。

今回は予告編というところで。

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