アジア紀行~インドネシア・バリ島男3人漫遊編⑬最終回~
最後の朝がやってきた
昨夜は KUBUKU に戻って来たのが11時半ごろ。すぐに日付がかわった。寝たのが遅かったが、7時前に目が覚める。いつもなら、ベッドの中でもう少しウトウト、グズグズするところだが、今日はそうはいかない。昨日できなかった荷物の整理をしなければいけない。
セラム、アンボン、そしてバリ。20日間近く旅をしてきた間に、いろいろ買ったものがたくさんある。荷物は確実に増えている。バッグがパンパンに膨れ上がるほど詰め込んで、それ以外に壊れそうなものを丁寧にタオルで包んで別の袋に入れる。
やっと片付いたところで、バスルームでシャワーを浴び、髪を洗う。昨夜は疲れ果てて、そのまま眠ってしまったのだ。YとM君も準備ができたようだ。
朝食前に、宿泊代の精算をする。1泊の料金がRp.70,000。KUBUKU には6泊したので、合計Rp.420,000。3人6泊で2万円ちょっとだから、安い。
8時過ぎ、いつものレストランで最後の朝食。食べ終わった頃に、奥のコテージのハナさんもやって来た。みんなで記念撮影をする。
トラブル発生!
アグンさんのドライバーのマデさんが、早めに迎えに来てくれる。みんなにサヨナラを言って、車に乗り込む。やり残したこと、言い残したことがあるようでモヤモヤするけれど、旅人はいつか去っていかねばならない。
車は、昨日タイ料理をごちそうになった「PURI INDAH」のそばを通過する。一瞬、車をとめてもらって、アグンさんにひと言あいさつをしておくべきでは・・・と思ったが、あっという間に遠ざかる。
ウブドから空港までの所要時間は1時間足らずだった。マデさんにはお世話になったが、すべてアグンさんの好意である。別れ間際に、マデさんにRp.10,000を手渡す。ほんのお礼にすぎないわずかな額だが、うれしそうに受け取ってくれた。
さて、ここからの乗り継ぎ予定は次のとおり。
大阪空港到着は明日の朝の予定だ。
空港税(3人でRp.16,500)を支払い、搭乗手続きをするために、ガルーダのカウンターに行く。出発予定の時刻まで、まだ2時間ほどある。国内便だから、余裕だ。
「Denpasar~Jakarta」のチケットはアンボンのツーリストで手配したもので、すでにOKが出ているはずだ。ガルーダ・カウンターで、3人のチケットを差し出す。グランドスタッフがコンピュータでチェックしている。
はぁ? なんて言った?
名前がない!
「リコンファームをしたか?」と尋ねてくる。
いや、していない。
アンボンでこのチケットを手に入れたとき、ツーリストのトニーという男性が、「大丈夫。リコンファームの必要ないよ」と、確かに言ったのだ。そのとき少し不安を感じたのは事実だが、手間が省けると楽観したのも、また事実だ。彼の言葉を信じたのが間違いのもとだが、今はそんなことを反省してもしかたがない。Jakartaからはシンガポール航空に乗り継がなければいけないので、下手をすると、そのチケットまで使えなくなるおそれもある。
YとM君は心配そうにしているが、ここでは力にはならない。
何とかならないかとグランドスタッフに頼み込むと、
「今11時ですから、とりあえず12時まで待ってください」
と言われる。結局、スタンバイ(搭乗待ち)である。ガルーダのカウンターには、搭乗手続きをする人が次々とつめかけて行列ができている。我々のようなスタンバイの者まで座席が確保できるかは、最後までわからない。不安なまま時間が過ぎていく。
何度も時計を見る。12時と言われたが、やがて12時半になり、さらに12時45分になる。乗る予定のガルーダの出発時刻は13時15分だから、あと30分しかない。何度もカウンターの中をのぞき込む。ヒヤヒヤ、ドキドキして心臓に悪い。
グランドスタッフが、「この便でダメでも、次の便なら大丈夫かもしれない」と無責任なことを言う。Jakartaでの乗り継ぎ時間には余裕があるので、最悪の場合はそうするしかない。とにかく運を天に任せるだけだ。
13時を過ぎたころ、スタンバイの人たちへの発券手続きが始まった。焦りに焦りながら、やっと3人分のチケットを無事入手する。
荷物を預けて、搭乗ゲートまで猛ダッシュ。時計を見ると、13時14分。滑り込みセーフ。
我々の座席は、エアバスA-300の最後列で、客席ではなくクルー用の座席だった。もうこれ以上は空席は一つもないという、ギリギリのところだ。しかし、これで一安心。シートベルトを締めると、どっと疲れを感じる。
飛行機は予定より少し遅れてDenpasarのングラ・ライ国際空港を飛び立ち、1時間余りでJakartaのスカルノ・ハッタ国際空港に到着する。DenpasarとJakartaでは1時間の時差があるので、時計の長針を1周戻す。
今日使うエネルギーをすべて消費し尽くしたような気分だ。
日本に向かうシンガポール航空の搭乗時刻は夜の19時。結局は予定通りにJakartaに着き、長い待ち時間を空港で過ごすことになった。
日本を発ったのが7月25日。JakartaからAmbon、Selam、Baliと旅を続け、再びこのJakartaに戻ってきた。今日は8月11日。帰国するのは翌朝の12日になる。19日間に及ぶ長い旅が、間もなく終わろうとしている。
最終回のご挨拶
「アジア紀行~インドネシア・幻の巨大チョウを求めて~」に続いて書いてきました「アジア紀行~インドネシア・バリ島男3人漫遊編~」。今回が旅の終わりで、このnoteの最終回になりました。
長らくお読みくださったみなさん、ありがとうございました。
Terima kasih.
今後また、別の「アジア紀行」を考えたいと思います。
それでは・・・。
Sampai jumpa lagi.
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