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アジア紀行~ミャンマー・バガン④~

DAVID君に教えられて

HOLLY HOTELに着いてチェックインしたあと、荷物を部屋まで運んでくれたスタッフは、DAVIDという名の青年だった。ぼくはそのDAVID君に、この近所でどこか見物するところがあるか尋ねてみた。
彼はどこかのパゴダの名前を教えてくれたが、長くてまったくわからない。何度か聞いたが無理なので、場所を教えてと言うと、廊下の端のガラス窓の所へぼくを連れて行った。
彼が指さす方向に、小さな金色の塔が見えた。

部屋でしばらく休憩した後、教えてもらったパゴダに向かった。
日はすでに高くのぼり、焼けるように熱い光線を容赦なく降り注ぐ。
幹線道路の左側を歩くが、歩道はない。この国の車は右側通行なので、前方からスピードを出してやって来る。正直、おそろしい。
15分ほど歩いたところの交差点を右に折れると、そこに黄金の仏塔パゴダがそびえ立っていた。

Zam bu Ooshung MyatBoneKhaung Pagodas

これが、そのパゴダの名前。
まったく読めない。耳で聞いてこの名前を覚えるのは、どう考えても無理だよね。
とにかく、ここがミャンマーでの初パゴダになった。

ヤンゴン・ホテル近くのパゴダ1

黄金のパゴダの周囲にいくつかの入口があり、それそれ二頭の獅子が守っている。塔の部分は円錐形だが、下部は六角形だったか八角形だったか。

ヤンゴン・ホテル近くのパゴダ2

ミャンマー古来の獅子像は「chinthe」(チンテ)と呼ばれ、国章のデザインにもなっている。

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境内は土足禁止で、サンダルを手に持って裸足で参拝する。焼けた敷石がとても熱くて立ち止まれない。パゴダの中に入ると、ホッとする。
内部に安置されているのはお釈迦様だろうか。天井にも絵が描かれている。

ヤンゴン・ホテル近くのパゴダ3

ヤンゴン・ホテル近くのパゴダ4

境内には小さな仏塔もあり、たくさんの人面獣身像が飾られている。この人面獅子像にはこの後も何度も出会うことになる。
最近、この人面獅子像をミャンマーでは「マノッティーハー」と呼ぶことを知った。(Facebook:Akimasa Kawano 氏)

ヤンゴン・ホテル近くのパゴダ5

ヤンゴン・ホテル近くのパゴダ6

境内には、ほかにも面白い仏塔がある。大きな黄金の岩の上に仏塔が建っている。これは、ヤンゴンから200kmほど離れたところにあるチャイティーヨーの山頂のゴールデンロック、チャイティーヨー・パゴダを模したものである。

ヤンゴン・ホテル近くのパゴダ7

ヤンゴン・ホテル近くのパゴダ8

「パゴダ」は仏塔(ストゥーパ)を意味する英語で、ミャンマーでは「パヤー」と呼んでいる。もとはと言えば、釈迦の遺骨を納める所であり、神聖な場所である。しかし境内を巡っていると、どこかアミューズメントパークにいるような錯覚に陥る。日陰にはカップルがいたりして、信仰の場が同時に人々の憩いの場にもなっているように感じた。

お隣の僧院

この長ったらしい名前のパゴダに隣接して、僧院があった。Googleマップには「修道院」という表示がある場所だ。
入口の扉が開いていたので、中に入る。

ヤンゴン・ホテル近くの僧院1

入口から見えている建物に近づくと、なかなか壮麗な作りだった。

ヤンゴン・ホテル近くの僧院2

さすがに階段を上って行くことははばかられたが、建物の1階をのぞいてみると、若いお坊さんが勉強中だった。
おじゃまして、すみません。

ヤンゴン・ホテル近くの僧院3


アウンミンガラー・ハイウェイバスターミナル

ホテルからパゴダに向かう途中、道路の反対側に大きなバスターミナルがあった。帰りはそちら側の道を歩いて、バスターミナルの中に入ってみた。
長距離バスの駐車場と、各地に行く始発のバス乗り場がある。
いろんな国から購入したと思われる中古バスが多い。もちろん日本からやってきたバスもある。「札幌観光」「岐阜バス」「サンデン観光」「幼児バス」などの文字や、西武ライオンズのレオマークもある。
端から見れば、バスを一台一台見て回っているぼくは「変なヤツ」だったかもしれない。

バス1

バス2

バス3

長距離バスなので、発着は朝夕が多いのだろうか。真っ昼間のこの時間、駐車場のバスたちは、掃除や修理をしてもらっている。
それにしても暑い! バスの胴体のトランクルームに座り込んでいる人たちもいる。みんな日陰を求めている。

バス4

数時間外出しただけで、首筋が陽に焼け、シャツが汗でじっとりとなる。
やっとホテルに戻り、熱いシャワーを浴びる。部屋の冷たい空気が心地よい。

市井の人々

日が少し傾き始めた頃、再度外出。
ホテルと道路を挟んだ向かい側には、背の高い建物はまったくない。年季の入った古い木造家屋が軒を並べている。もちろん道路も舗装されていない。
そんな一画に足を踏み入れてみた。

そこは、いわば都会の片隅にある村である。
村の中の道を歩く。
自分がまったくのよそ者、異邦人だと痛感する。
バラックのような家が多く、家の前には水たまりがある。
井戸水を汲み上げて水浴びをしている女性を何人も見かける。
ぼくはそそくさとその横を通り過ぎるしかない。
カメラは持っていたが、それをバッグから出すことさえはばかられる。
家の中はどこも暗く、しかしどの家にも必ず人の影がある。
スラムではないだろうが、熱帯の日の当たる明るさがまったく感じられなかった。
村の道を抜けた時、正直ホッとした。
彼らが、よそ者である自分を警戒していたのか、無視していたのか、何も感じていなかったのか、本当のところはわからない。
しかしそこは間違いなく、自分にとっては異空間であった。

表の広い道路沿いにあったABCという名の小さなコンビニに立ち寄る。
缶ジュース・ポテトチップス・ドライフルーツを購入。
近くに食堂らしきものが見当たらなかったので、夕食はホテルのレストランでとる。
エビのてんぷら。
豚肉・エビ・イカ・野菜のどろっとした濃厚スープ。
ミャンマービール。

ヤンゴン・ホテル夕食

明日はBAGANに移動する日だ。



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