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アジア紀行~ミャンマー・ヤンゴン④~

ヤンゴン中央駅

ヤンゴン市内のHOTEL ESTA での初めての朝食。小さなシティホテルだから、豪華さはまったくない。いくつかのメニューからバナナパンケーキを選ぶ。飲み物やフルーツは自由。

この日の予定は、ミャンマー国鉄の「ヤンゴン環状線」に挑戦!
1877年に一部開通したヤンゴン環状線は(と言っても、当時はまだ環状線とは呼べなかったが)、ミャンマー独立後の1954年に全線が開通した。
全長45.9kmで、38の駅がある。一周すると約3時間かかる。

朝食後、ホテルからタクシーでヤンゴン中央駅まで行く。2000チャット。
曇り空で、いつ雨が降り出してもおかしくない。
ヤンゴン中央駅は英国統治時代に建設された古い建物で、屋根の部分にはミャンマーの伝統的な様式が残されている。

外の切符売り場は長距離列車用らしく、環状線の乗り場へは改札口を素通りして行くことになる。何か言われるかと思ったが、何ともなかった。

階段を上り、線路の上を横断する通路を、環状線の7番ホームに向かう。

ここも通過。環状線の切符売り場はホーム上にあった。

ミャンマー文字で書かれているので、さっぱりわからない。小さな窓口の横に「10:10」と書いた紙が貼ってあるので、これが次の環状線の出発時刻だろうと推測する。
ミャンマー人と外国人とでは料金が異なるとどこかで読んだが、それもよくわからない。とりあえず500チャット札を出すと、切符と200チャット札2枚のおつりが来た。ということは、38駅3時間乗車して、100チャット(約10円)ということだ。あまりの安さにびっくり!

ヤンゴン環状線は右回りと左回りがあり、使用されている車両の半分は日本から来た中古だそうだ。旧日本車両はエアコン付きらしいが、次の列車はどうなのだろうか?
待っている間にホームを歩く。人はそれほど多くはない。ホームの造りも日本と比べると殺風景に見える。ベンチが少なく、地べたに座る人もいる。

10分遅れでやって来た列車は、想像通りかなり旧式。これは日本車両ではないみたいだ。DD933はディーゼル機関車。

ほとんどの乗客がこのヤンゴンで下車する。列車とホームとの段差が大きい。大きな荷物を持っ人も多い。車体には「Red Bull」の派手な宣伝が描かれている。

ヤンゴン環状線、出発!

車内に乗り込むと、対面式の青く塗られた長い座席。車内にも「Red Bull」の宣伝がある。扉近くの席に、茶色い僧衣で体をくるんだ一人の僧が眠りこけている。

ヤンゴン駅から乗り込んだ人はそれほど多くなく、車内はまだ空いている。
列車が出発したのは、午前10時25分。いよいよ38駅一周3時間の旅が始まった。
列車が駅に着くたびに、物売りが乗ってくる。少しずつ座席が埋まっていく。

列車は停車と発車を繰り返し、少しずつ右カーブする。いくつ駅にとまったのか、どこの駅にいるのか、まったくわからなくなっていく。

列車が1時間ほど走ったあたりから雨が降り出した。駅で乗り降りする人、構内で物を売る人も雨に濡れている。傘を持たない人も多い。

ある駅から、野菜や果物をいっぱい詰めた袋を持った人たちが乗り込んできた。窓から車内に放り込んでいる人もいる。みんな雨でびしょ濡れになっている。一気に車内が人と荷物でいっぱいになり、ローカルな雰囲気が充満する。

大きな荷物を持って乗ってくる人の多くは女性だ。ミャンマーの女性はよく働く。この荷物を持って駅のホームに降りるのも大変そうだ。

子供たちも自由に乗り降りする。たぶん無賃乗車。駅に改札口はあるのだろうか。3時間乗っている間に、乗車券の検札は1回だけだった。

列車はよく揺れた。しかし、この横揺れを楽しめるのが旅人なんだろう。
普通なら長いはずの3時間があっという間に過ぎていく。

終点に近づくにつれて、背の高い建物があらわれる。
13時25分。ほんとうに、ちょうど3時間でヤンゴン中央駅に到着。
揺れないホームに降り立つ。

階段を上り、朝も通った線路を横切る通路を逆方向に行く。上から、列車や待合の人々の姿が見える。

駅の外に出て見下ろすと、青草の茂った引き込み線の中に、もう使用されないのか、休眠中の車両があった。

ヤンゴン環状線の車内で撮影した動画です。


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