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高校。

やさぐれからの転機。

母親と進路相談の先生に言われるがまま
私は地元高校に押し入れられた。

一言で言うのであれば、豚箱。

授業中にラジカセを鳴らし
パラパラを練習する子達…

喧嘩を始めて
止めに入った教師をタコ殴りにし
病院送りへする子達…

府内でも有名な底辺校での生活は
目立たず息を潜めるには良いが、何か違った。


2ヶ月程は我慢してみたものの
とうとうストレスも限界になり…
学校へ声色を変え母のフリのして病欠で休んだ。

罪悪感は無かった。
何をする訳でもなく街に出て時間を潰した。

そして、それが1ヶ月程続いた、ある日…
初めての嘘がバレた。

母は昔から
「高校だけは卒業してね。」と
口癖のように言っていたので
バレた時は酷く殴られ続けた。

全治2週間だったかな。

怪我も治り、また学校へ行く日々が
本来なら続くはずなのに…

今度は無断欠席を続けた。

さすがに無断欠席となると
担任も諦めたのか連絡は無かった。

母にもバレずに
毎日、友達もいる訳では無いけれど
街中で何かを探していた。


雨の日。

街中を俳諧も出来ずに
ショッピングモールで時間を潰していると
見知らぬ男の人に、声をかけられた。

「学校は?」

マズいと思い逃げようとした私に対して
その男の人は笑いながら

「補導じゃないよ。」

と、一言告げて目の前の席に座った。


どうでもいい子供な私の話を聞いてくれ
どの位の時間を過ごしたのかな。

話しているうちに同じ年齢だと言う事も分かった。

そして、その男の人は

「仕事探してない?」

と、番号の書いた名刺を渡してきた。

アルバイトですら禁止されてる家なので
一旦は断ったものの…
後日、私は電話をした。

呼び出されたのは
しーんとした昼間の何とも言えない、ビル街。

何だか異様な雰囲気を感じて
逃げようとした所に、その人は現れた。

「来てくれて、ありがとう。」

とだけ言われ
近くのシャンデリアのある喫茶店で話をした。

水商売のキャッチだった。


ここで高校卒業を諦め
水商売への足を踏み込むか悩んだ。

お金が有れば一人暮らしをして
理不尽な思いをせずに生きていけるからだ。


でも私の頭の中には
「高校だけは絶対に卒業してね。」と
母の洗脳が残っていた。


毎日、考えては
洗脳と誘惑の狭間で悩み続けた。

悩みに悩んで…



これ以上、バカな事を考えないようにと
諦めかけた時に、打開策が見付かった。

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