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オトナになる、ということ

トースト焼くのも面倒臭いので、
お湯だけで作れるスープにする
明日やると言ったきり手つかずのレポートが
今の私自身だった

いつだって等身大でいたかった
繭に包まれたまま
いつまでもぬくぬくしていたかった
永遠にBボタンを連打して
「変わらぬ私」でいたかった

幼い少女はジャンヌ・ダルクの夢を見る
あの頃よりもずっと、
体重は増えたし、悩みも増えたし、
やらればならぬことも増えた
時が来れば私も、綺麗な女性になるのだろうと信じて疑いやしなかった
だけれども、毎日目にする鏡の女は、
流行りのメイクをしたとしても
どこかぱっとしなかった

期待外れの人生
期待に答えようともしない怠惰
「こんなの認めない!」と
幼い私の声がする
それでも、なんとなく
今が愛しく思えてしまうものだった

レトルトでもコンソメスープは美味しい
こんな朝はアルコールでも飲んでしまおうか
と、ぼやく、
ダメダメのオトナ、
手つかずのレポートを前にして

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