見出し画像

世界を回していた

要するに、世界は私が回していた
柔らかな日差しは私を祝福し、
生まれたての瑠璃鳥は可愛らしく囀る
お洒落な紅茶を一杯、
クラシックに耳をすませながら
私は愛くるしいノートに詩を綴る

なんて夢見がちに語っても、
私の部屋は、
いつまでも散らかっている
寝癖は酷いもんだし、
朝はいつだって弱い
平日も酒をやめられず、
無気力に日々を生きている
それでも、
私が世界を回している、
そんな馬鹿みたいな実感を得ている
勘違いでも良いと、
馬鹿になっている
馬鹿になれている

お洒落な紅茶も
爽やかな朝日もない
けれど、
胃が弱いくせに、
夜中に蒙古タンメンを啜る、
馬鹿みたいにたっぷりと
チーズもぶち込んでやって、
明日のことはどうでも良い、
そんなふうに思える時間が愛おしい

要するに、いつだって、
私が世界を回しているのだ
ゆったりと確実に、
世界を回しているのだった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?