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こまち通信 4月号

4月になると、ハウス張り、種播き、耕耘と春作業が一斉に始まりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

新型コロナウイルス感染が始まって3年、ようやくマスク着用は個人の判断となりましたが、今度は花粉症でマスクを外せなくなったとの話が聞かれます。
協会においても、社員がマスクを外すことで、3年ぶりにお互いの顔が見られるようになったと思っていたら、マスクを外す人は誰もおらず、社員の素顔が見られるのは、まだ先のことになりそうです。

3年間のマスク着用生活は、それが日常生活となり、マスクを外すことは、非日常生活になったのかもしれません。
私も、一人で部屋に居る時はマスクを外しておりますが、来客があった時はマスクを着用したり、外したりと落ち着きません。
協会の社員は、それぞれ高齢者と同居していたり、自分の体調がすぐれない場合にマスクを着用しているようですが、私も74歳になり、十分な高齢者なので、マスクを外すかどうか迷っております。

今年は雪の量が少なく、雪消えも早かったので、玉ねぎの生育も順調で、春先の玉ねぎ畑は、とても綺麗で、緑の絨毯となっており、そこだけ別世界になっております。
他の農家の方も、自分の圃場の行き帰りに、私たちの玉ねぎ畑を見ていきますが、お米以外の作物を栽培することは、栽培技術と専用の機械が必要になり、誰でもすぐにはできません。

玉ねぎ栽培に取り組んで6年目、ようやく栽培技術も安定し、収量も穫れるようになりましたが、乾燥が上手くいかず、期待した通りの成果が出ないでおります。
玉ねぎだけでなく、野菜類の多くは栽培普及が難しく、収量が不安定で、価格も相場で変わるため、とても難しい作物になります。


私は新潟県十日町にいた時から、お米を作りながら雪国で1年間農業をするにはどうしたらよいかと考え、キノコ栽培農家やハウス栽培農家を見学に行きました。
先進地に勉強に行くだけでなく、自分でも、様々な野菜作りにも取り組んでみましたが、技術不足で十分な成果を出すことができませんでした。

その試行錯誤の中で考えたのが、畑作の産地はできなくても、雪国だからこそできるおいしいお米を作り、そのお米を1年間通してお客様にお届けすることが、雪国の農業の姿ではないかと考え、協会を創立しました。

農業は作るだけでなく、販売まで含めて考えなければ、産業として残ることはできません。また、どうしたらおいしいお米を作れるのか、どうしたら安全なお米ができるのか、どうしたら食べ易いお米ができるのかということを考え続け、35年経ちました。
また、国の研究機関である農研機構やNTT東日本の協力を得て、AIと多様なネットワークを活用する新たな農業システムの構築にも取り組んでおります。

3月下旬に山間部の農村を訪れたら、そこはまだ雪が50センチも積もっており、土や籾殻燻炭を散布し、少しでも早く雪を消したいと願う雪国の農家の気持ちに久しぶりに会うことができました。

私は、お客様や社員に恵まれたことで、74歳になった今も、こうして手紙を書くことができており、深く感謝しているところです。
これから、1年で一番忙しい春作業が始まるため、大潟村では圃場とハウスを往復する車が急に多くなります。忙しい春作業で気持ちが焦っているせいか、いつもより車のスピードも速く、事故が多くなるので気を付けなければなりません。

令和5年4月
大潟村あきたこまち生産者協会
涌井 徹

これまでのこまち通信はこちら▽
https://ohgatamura.exblog.jp/m2023-03-01/