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美味しい甘酒を作るために…原料の「あめこうじ」はどういうもの?

9月に入りましたが、まだまだ暑さが続きそうですね。また、今年はいつもよりも台風が多いので防災への備えもしておきたいところです。
今回のタイトルとは関係ありませんが、弊社では5年保存可能な非常食(詳しくはこちら)もあります。「食物アレルギー特定原材料等28品目と貝類不使用食品」ですので、どなたも安心して食べられますよ!


スッキリした甘さが特徴の「あめこうじ」

さて、ここからは自社製造している麹と、その麹を使った甘酒についてお話しようと思います。

弊社では「あめこうじ」という品種の麹を使って甘酒を製造していますが、麹にはもの凄い数の種類があるそうです。私はこの「あめこうじ」しか扱ったことがないのですが、聞くところによると非常に繊細で扱いの難しい麹だそうですよ。

この「あめこうじ」ですが、なんと秋田県で開発した麹となっています。そんなことできるんだ、と思ってしまいますね。この麹は「甘いのにスッキリ!」しているのが特徴です。実際に弊社の甘酒を飲んで頂いている方からは、「飲んだ後の後味が甘いのに喉に残らない」というお声を頂きます。
社内にも「他の甘酒は飲めないけどうちで製造した甘酒は飲める!」と言う人がいます。

電子レベルで見る「麹菌の花畑」

麹と聞いて、皆さんはどのようなものをイメージされますか?スーパー等で売っていますが、塩麹くらいしかなかなか馴染みが無いのではないでしょうか。実際の所、私も入社するまでは麹がスーパーで買える事すら知りませんでした。

ちなみに「」と「」という漢字がありますが、基本的に指している物は同じです。「麹」が元々の中国から入ってきた漢字で、「糀」が米に花が咲いているような様子から日本で作られた漢字だと言われています。
実際に麹を見てみると、米に菌糸が付いて本当に花が咲いているようですよ!これが出来上がった麹です。表面がふわふわしていますよね。

米粒の表面にふわふわした菌糸が見えます

さらに検査課の電子顕微鏡を借りて拡大してみました。こうやって見ると花畑のようだと思いませんか?

麹菌が集まって花畑のようです

更に拡大してもらいました。すごい1つ1つが花のようになっていますね。

1つ1つが花のような麹菌

実際私も顕微鏡で見るのが初めてだったので、こんなに綺麗なのだなあと感動しました。

お肉やお魚を軟らかくする「酵素」の働き

では漢字や花の事はこれくらいにして、イメージの話に戻りましょう。何となくですが、麹と聞くと体にいい、塩麹をお肉やお魚に塗って置いておくと軟らかくなって美味しくなる!といった話を聞いたことがあるのではないでしょうか。これらの事象は、「酵素」と呼ばれるものの働きとなっています。

以前のブログにも載せましたが(ブログはこちら)、甘酒が甘くなるのもこの酵素の働きなんですよ。ちなみに、この「酵素」というものですが高温にしてしまうと機能を失ってしまいます。
弊社の甘酒の場合、途中で高温での殺菌工程が入るので、甘くする「酵素」は失活(機能を失う)します。失う、と聞くと何となくイメージが悪いですが、美味しい甘酒を作る為に必要な作業なんです!

この失活を行わないといつまでも酵素が働いて、せっかく美味しくなった甘酒が段々とボンヤリとした美味しくないものになってしまいます。
同じように、お肉を塩麹に浸けてずっと置いておくと、軟らかくなりすぎて美味しくなくなります。
程々の所で酵素を失活させる高温、もしくは働きにくくなる低温にしてあげてくださいね。

繊細な麹を辛抱強く育てる

では、弊社の麹作りを見ていきましょう。
モクモクと蒸気が上がっていますが、米を蒸している作業です。

蒸気で周りが見えません

洗米、浸漬をしたお米の水を切ってから蒸し器に入れて蒸します。この作業もお米の状態や外気温、湿度等によって条件を変更しないといけないときもあります。なかなか難しいんです、これが。
 
蒸し上がったお米を冷やしながらほぐしていきます。

手作業でほぐしていきます

熱い所に麹の素(麹菌)を振りかけると、死んじゃいますからね。麹菌を振りかけ終わったら、温度を一定に保ってくれる機械の中に入れます。

酒蔵等ではこの機械の代わりに「室(むろ)」と呼ばれる低温サウナのような場所でやっていますね。

ここからは辛抱する時間です。ある程度時間が経ったらお米をかき混ぜていきます。この作業も暑い時期は本当に大変なんですよ。このかき混ぜる作業を何回か繰り返し、最初に機械に入れてから3日目にようやく出来上がりです。生き物を育てているようなイメージですね。

これだけ手間と時間をかけて麹を作らないと、美味しい甘酒はできません!麹は生き物なので、手をかけてやらないとすぐに拗ねちゃうんですよ。

おいしい「甘酒の飲み方」

さて、では出来上がった甘酒を飲む時ですが、色々と飲み方のおすすめもあります。暑い時期であればキンキンに冷やして飲むのがスッキリして美味しいですよ!

もう一つオススメとして、豆乳を混ぜる「豆乳甘酒」もいいですよ!豆乳単体では私も苦手でなかなか飲めないのですが、甘酒と豆乳を7:3くらいで混ぜて飲むと飲みやすいです。豆乳好きな方は5:5でもいいと思います。

寒い時期になってきたら温めて飲むのがおすすめです。耐熱容器に甘酒を入れて、量にもよりますが1分程度温めてもらえるといい飲み頃です。

他にも飲み方やこれを混ぜると美味しいよ!というオススメがあったらコメント等で教えてください! 

甘酒課 菅

※手塩にかけたあめこうじで造った「大地の甘酒」は、全国のスーパー等で販売されています。