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3月11日の前日

3月11日。この日は、日本にとって忘れられない、刻まれた日だ。私にとっても、特別な意味を持つ。13年前のあの日、私は偶然にも有給休暇を取り、映画館で一人映画を観ていた。
映画の途中で、大震災が起こった。家族を迎えに行く途中の車内で目にした津波の映像は、今も私の記憶に鮮明に焼き付いている。

それから13年が経ち、世界も私の人生も大きく変わった。妻とは別れ、子供たちは独立し、私は一人の生活を送っている。そんなある日、車検の代車でFMラジオを聞いていたら、偶然にもブルーハーツが流れてきた。その音楽は、若い頃から私の心に刺さるものがあったが、最近のこの錆びついた心に、また新たに深く突き刺さった。不条理で困難なこの時代を、彼らの音楽は超えて私に届いた。

今、この文章を書きながら、背景でブルーハーツが流れている。明日は3月11日、震災から13年目の日を迎える。この日をどんな感情で迎えるか、今の私にもまだ分からない。悲しみ、寂しさ、そして復興への希望や前向きな気持ちが入り混じる。でも、一つ言えるのは、ブルーハーツの音楽が、この複雑な感情を少しでも軽くしてくれることだ。

音楽は時として、言葉では表現できない深い感情を引き出す。ブルーハーツの歌は、理不尽さや不都合な世の中を生きる私たちに、勇気と力を与えてくれる。そして今、私はその音楽を背景に、過去と現在、そしてこれからの未来に思いを馳せる。3月11日、13年目のこの日を、私は静かに、しかし確かな希望を持って迎えたい。ブルーハーツの音楽が、その一歩を踏み出す勇気をくれるのだと感じている。

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