木下智実

教職19年目の小学校教師です。人との出会いを通した感情や情動を大切に実践づくりをしてき…

木下智実

教職19年目の小学校教師です。人との出会いを通した感情や情動を大切に実践づくりをしてきました。研究テーマは「教育実践における情動の役割」。社会情動的学習の価値を実践的見地から深く省察し続けています。 # 教育方法、教師教育、デューイ、総合的学習、社会科教育、ICT教育

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言葉に隠された「ものさし」〜能力主義的な見方に縛られない教育を〜

昨今、教育の世界では、学習指導要領に示された資質・能力という言葉が一種の流行(はやり)になっています。 この業界に身をおいていると、この言葉を聞かない日がないくらいよく聞く言葉です。 そして、この言葉は「〇〇力」という言葉とも実に親和性が高いと思われます。しかしながら、その資質・能力という言葉、教育の目標や私たち自身の「力」を語るときに非常に便利な言葉ですが、この言葉を使い続けることにどんな意味があるのでしょうか。少し考察してみたいと思います。 コミュ力への関心こそ「もの

    • なぜ、教師は「子どもの言葉」を尊重した方がよいのか?

      よく教室で見受けられる場面。 「君の言いたいことは、こういうことでしょ。(子どもの発言を遮って)」 「まとめるとこういうことだよね。(短くまとめて板書)」 教師が「勝手に」その子の言葉を、一般的な言葉や、上品な表現に置き換えてしまうことがよくよくあります。 「その子の言いたいことが的を得ないし、時間の関係で・・・」 「板書はシンプルに、分かりやすく、要点をしぼって・・・」 確かに、そう言いたくなるのも分かるのですが、この場面における教師の行動には、決定的に欠けてい

      • 学校の学びの意味は?「ふせふり」の共有で対話的活動

        1 はじめに〜学校って必要ないのでは?〜突然ですが、「学校の学び」と「塾の学び」って、どこがどう違うんですかね?いろいろな先生と話をしている中で、このような言葉が聞こえてきました。 「教え込みじゃダメなのよ。ちゃんと考えさせないといけないのに。」 「文科省は内容だけは終わらせろみたいなことを言っているけど、急に進めたって子どもによくないわよ。」 「体験活動が大事なのよ、体験のない学びはよくないわ。」 最近、聞こえてくるこういう言葉聞いていると、「うん、うん、そうだよな

        • 対話的な学びを実現する「名札マグネット」

          1 はじめに「対話的な学びって言うけど、どうしたら実践できるの?」 対話的な学びについて、案外、悩みを抱えている教師は多いのではないでしょうか。実際、現在の学校の多くで行われている対話的な学びはグループ活動が名前を変えただけのものが多いように思います。ひどい場合には、主体的な学びという言葉に引きづられ、グループ活動の際、教師側からの指導や支援がいっさいなく、子ども達は野ばなし状態。一見、主体的に話し合っているように見えても、話していることは問いや課題から思いっきりズレていた

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