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パーマカルチャーを学ぶまでの流れ

家族で藤野のすどう農園で、土作り、ぼかし作り、種とり、苗作り、野菜作り、発酵食品など畑の勉強をした。
自宅では、畑がなかったので、マンション暮らしの我が家で色々挑戦した。ベランダ一面プランターで野菜を作り、種取りをし、種取りをした種を蒔き収穫した。野菜クズのコンポストをし、ゴミを減らして堆肥を作った。コンポストトイレを作って使用してみた。ソーラー発電をして、充電やテレビなどは蓄電を使用した。1年分の味噌を作り、発酵食、保存食、乾物などを作った。

次第に土が欲しいと強く思うようになった。都会では、畑も思うように借りられなかった。マンションでできることはやったが限界がある。土が少なすぎる。プランターで育てる野菜に限界を感じる。移住したいと強く思うようになった。
 
移住探しと並行して、自分は何をすればよいか?

私はその頃、訪問看護の仕事をしていた。神奈川県大和市は日本の縮図だという先生がいる。経済状況の差が激しい、外国人が結構いる、だからこそ、色んな立場の人の生活・看護が学べると。
確かにそうだった。使いきれないほどの財産を持つ高齢者の訪問のあとで、1週間ほとんどろくに食べられてないゴミ屋敷に住む高齢者を訪問する。30~40%の家にひきこもりやニートを抱えている。
財産を持っていても安心して、満たされている訳ではない。常にこれがない、あれがない、不平不満をもらし続ける。
反面、傍から見ると生活に苦しそうに見えても、満ち足りている人がいる。「何か困っていることはありますか」と聞いても、「困ってないから、もう来なくていいよ」と言われる。

財産があるのに満たされない、財産がないのに満たされている。この違いについて考え続けた。
困ってるというのは、固定観念であることが多い。在宅医療では、その人が思うこと、望むことが尊重される。疾患的に治療が必要であっても、ご本人が望まれないのであれば、それは、ベストな選択肢ではない。
苦痛が予想されても、その方が望まれる方向に寄り添い、苦痛を最小限にしていけるようにする。
お金がない、食べ物がない、は一般的には大変な状況かもしれないが、その人が、その状況を幸せと思うならそれが幸せなのだ。決めつけて改善しようなんて傲慢だし、大きなお世話なのだ。

同僚がずっと、『〇〇さん、このサービスを受ければいいのに、受けてほしい、病院に繋がってないと何かあった時サポートできない、繋げたい。でも行ってくれない、受けてくれない』と格闘していた。
私は、『その人が望んでないからやる必要ないし、やれないよね。今の状況で本人が幸せと思うならそれでいいんじゃない?サービスを受けることで本人の今の生活が壊されるならそれはベターじゃないよ。たとえ、それで、うちらが瀕死の状態で何度も呼び出されたり、周囲からクレームがきても、本人の思いに寄り添うしかないんじゃない?』と答えたものだ。

仕事をしていると、何度も自分の固定観念や思い込みに気づかされる。相手の思いは何なのかそれを探るしか方法はない。自分の正義を相手に押し付けてはいけない。

話は逸れたが、この使いきれないほどの財産を抱えながら生きる人と、日々の生活をあるものでやっとのことで生きる人、常に満たされない心と、どんな状況でも今のままでいいと思う人。
政治家は自分の私利私欲や保身のためにしか政治をしない。庶民の生活に寄り添ってくれない。今の政治に頼ることもすぐに政治を変えることも難しい。政府は守ってくれないけど、自分たちは政府に依存した生活をしている。災害時、物理が寸断されたら、いくらお金があっても紙切れだ。政府に頼らなくても、生きる力が欲しい。

じゃ、自分は何をしていけばいいのか。

お金がなくても豊かに暮らしていく。自然の中で自然や人や物と共生して暮らしていく。お金を使わないで、コミュニティ力で色々な課題を解決する糸口はないか。

移住して自分の食べる分くらいは自分で育てる農的暮らし。
エネルギーを子供たちや将来の分まで消費していくだけの生活でなく、循環させ、持続的に暮らしていく暮らし。
それが、今感じている問題や不安の解決の糸口になるのではないか・・・そう、考えるようになった。

すどう農園でさまざまなことを学ばせてもらえたので、勇気と覚悟さえもてば移住して失敗しながらも、自分の農的暮らしを追求できるのではと思うようになった。というか、そうしないと生きられないと思えた。

でも、それだけでいいのか。自分の家族だけがそういうことを始めても、周囲に広げていかなければ、意味がないのではないか。コミュニティ作りをしていくことが必要なのではないか。一人の力では変えられないのではないか。みんなの力でやれば可能なのではないか。そう考えるようになった。

パーマカルチャー

持続可能な循環型の畑やガーデン、暮らしやコミュニティをデザインする手法のこと。自然と共生していき、場も空気もエネルギーも繋がり、循環していくような流れ、場、コミュニティを作る。
今の社会は、発展や便利さと引き換えに、環境の変化やウイルスに翻弄される生活となっている。自分たちの生活だけ変えても意味がない、と思うようになった。もっと、身近な人たちから始め、小さいコミュニティに広げることで、やがて社会を変える力になるような気がしてきた。

そこで、パーマカルチャーデザインコースの22期生として学ぶ流れになる。

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