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人と食事をするのが怖くなった日

上の子の幼稚園の懇談会の日のこと。

その日は、食事を食べるシーンはなかったが
下の子を持つ親は弁当や食べ物を持参していた。
私も持参し、すでに懇談会前に 早めに下の子に食べさせていた。

懇談会が始まり、後ろで、いつも遊んでいたママ友がママ友の下の子に
弁当を食べさせ始めていた。
食いしん坊の(わが)下の子は、食べたにも関らず欲しそうにママ友のとこ
へ行った。

「うちの子(ママ友の)食べないから食べてくれて嬉しい。おにぎ
り食べさせてもいい?」
『おにぎりくらいなら・・大丈夫かな・・」

おにぎりも何が入ってるか分からなかったので気がすすまなかった
が・・そう答えた。
しばらくして、「チーズ食べさせたけど大丈夫?」と声をかけられた。

「え?チーズはアレルギーがある」

あっという間に全身に湿疹が広がり、咳が始まった。
アナフィラキシーだった。救急車で病院へ。

車中、私たちはこれから何回この経験をするんだろう・・
途方にくれた。

そして、人との会食が怖くなり、人と食事できなくなった。

沖縄から神奈川に転勤し、
わたしたちは、ますます2人で過ごすことが多くなった。
友達やグループものに参加することもあったが、
どこまで説明するか、説明しても理解度はそれぞれ。
会食があると弁当持参し離れて2人で食べるか、
食事時間になるといそいそと帰っていた。

うちの子は小麦・卵・乳のアレルギーがあった。
(今は生の卵と牛乳のみ、食べても大きいアレルギ―は出ない)
スーパーに売られているほとんどの加工品、調味料、菓子類に
添加物としても含め卵・乳・小麦が使われている。

出されている食材をいちいちチェックもできないし、
その食材を食べた子が、そのまま手でおもちゃを触り、そのおもちゃを下の子が触ると症状が出る・・

食後の子供たちの手やおもちゃをこっそり拭いてまわった。
菓子袋の開く音をきくと背筋が凍った
ママ友と話すどころではない

世の中は、事あるごとに菓子が出され、みなが菓子を持ち歩いている
公園、集まり、ショッピングモールのトイレ前、隣り合わせて、など・・
だんだん、人気や人目を避けるようになっていた。

世の中から、アレルギー食材が、食べる行為がなくなればいいのに
とさえ思った。

神奈川に移住し、大学病院で負荷試験と免疫療法をするようになった。
私の住んでいたところはアレルギー天国で
アレルギーに強い病院が至近距離に沢山あった。

地方だと負荷試験や免疫療法をできる病院がなく、越境して受けたりしている人もいるらしい。
負荷試験は入院して、どのくらいの量ならアレルギー症状がでないか
を調べる検査。一部屋に医師と看護師がついて行う。
免疫療法はその大丈夫な量を毎日食べさせ、体に慣れさせていくもの。
勉強会にも沢山行った。
アレっ子ママ(アレルギーの子を持つ親のこと)の友達もできた。

アレっ子ママと会って話すのが、心から安心でき元気が出た。
毎日の楽しみと勇気は先輩アレっ子ママのブログを読むこと
不安にもなるが希望でもあった

かたや日々の生活は全く変わっていなかった。
これじゃ、引きこもりだな。このまま誰とも会食しないのか。
でも、苦しくてあの場所に戻る気力はない・・
社会性は育つのか。この状態は健全ではない・・・

ダメだ、社会復帰しよう。
仕事と保育園を探し始めた。
認可保育園は待機のため、無認可、認定で探した。

私の仕事はすぐ決まり、空きのある保育園に電話をかけ続けた。
答えは、うちではみれません、断り続けられた。

ようやく、受けてくれる保育園が見つかった。
見学・面接に行き、お試し保育となった。
道具を準備し、弁当・おやつ持参対応となったが、
いよいよ明日と言う日。何だろう、心が騒いだ。

先生にもう一度話がしたいとメールをし、
明日、またお話しましょう、ということに。

朝、先生と再度話をすると
『やっぱり、うちではみれません」と言われた。

ほっとした。行かせなくてよかった。
私たちを受け入れてくれる保育園がゼロになり
スタート地点に戻った。
どこにも受け入れてもらえないのかーと悲しくなった。

さて、一からやり直し。
私の仕事はどこでもいい、子供が安心して楽しく過ごせる場所
まず、そこを探そう、そう決めた。

手元に大阪のなかよし保育園の料理本があった。

この保育園は、全員アレルギー食材を使わない同じ給食を
食べている保育園。
こんな保育園あったらなー、安心だよなー。

ネットで、神奈川、アレルギー食材を使わない、保育園・・で検索

麦っ子畑保育園がヒット

夜中、麦っ子のホームぺージを何度も隅から隅まで
泣きながら読んだ。

HPに一番初めに書いてあったこと

‘’どんな子でも受け入れます。決してこちらから退園を言うことはありません。’’

もしかしたら、うちの子でも受け入れてくれるかもしれない。

                               つづく

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