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乃木坂46のアンダーに希望を、選抜に流動を。

乃木坂46には「アンダー」と呼ばれるメンバーがいます。新曲が発売されるたびにその新曲を披露するためのメンバーが選抜されますが、それに入れなかったメンバーの総称です。

以前の記事でも述べたように僕はこの「アンダー」という名称が好きではありません。「アンダー」という言葉からはどうしても「地位の低さ」を連想してしまいます。まるで選抜に選ばれなかったメンバーの能力や努力が足りないかのような表現に聞こえてしまい、ある種の差別用語にも思えてしまいます。

そして以前の記事を公開してからずっと考えていますが、残念ながら今のところ「アンダー」以外の名称はやはり見出せていません。これについては引き続き考え続けていくこととします。

アンダーに振り分けられるメンバーの扱いは、客観的にみても不遇そのものです。

表題曲が発売された時には音楽番組への出演が付き物ですが、アンダーメンバーには基本的にその機会は与えられません。表題曲にはアンダーメンバーが歌う楽曲がカップリングされますが、やはりそれはあくまでカップリングであり、その曲で音楽番組に出演することはないのです。

その曲を披露できるのは、アンダーLIVEや「乃木坂工事中」のスタジオLIVE、乃木坂46全体のLIVEくらいでしょう。選抜メンバーに比べて圧倒的に自分をアピールできる機会が少ないのです。どんなに努力して実力を身につけたとしても、活躍の機会を与えられないのでは成果をアピールすることすら出来ません。

確かに芸能界においてこのような不遇はついて回るものです。乃木坂46で発生しているこの事象は氷山の一角であり、芸能界全体で見れば、努力して活躍の機会を与えられない人材は数え切れないほどいるはずです。そういう人達と比べれば、乃木坂46というグループに所属している時点で恵まれているように見えるのでしょう。

しかし、たとえそうだとしてもやはりアンダーの扱いは不遇の一言です。どんなに乃木坂46が居心地が良い組織でも、選抜に入れないのであれば「自分がここにいる意味ってなんだろう?」と考えてしまうメンバーが出てきてもおかしくありません。

特に27thシングルでは、選抜に入った2期生は新内眞衣さんのみであり、他の2期生は全員アンダーということになります。2期生の不遇っぷりがもはや常態化してしまっています。場合によっては、特に2期生がこの不遇に耐え切れず、乃木坂46から離反してしまうことも可能性としてゼロではないでしょう。

また、アンダーメンバーの不遇を解消しなければ、選抜メンバーとアンダーメンバーの人気と実力の格差は開く一方であり、選抜メンバーが卒業した時に「ロス」が発生することになります。選抜メンバーの卒業が「変化」ではなく「喪失」になってしまい、結果的に乃木坂46の衰退に繋がってしまいます。

そんな悲しい未来を回避するために、今回の記事ではアンダーメンバーの不遇を解消するための施策をあれやこれや妄想を交えながら、考案していきます。


1.乃木坂46の流動性を最大化すること

先輩の卒業が相次いでいる今、僕は乃木坂46全体の育成が必要であると考えています。これは以前から繰り返し主張している通りです。そしてそのためには、乃木坂46の流動性を駆使することが大切であると考えています。

乃木坂46の流動性についてもこれまでの記事で繰り返し述べてきたことです。乃木坂46には元々、毎回の選抜発表において誰が選抜・センターになるのか分からないという文化があります。選抜メンバー・センターは毎回のシングルで異なるものであり、かつてのAKB48のように、特定のメンバーが継続してセンター・選抜を務めるという風習は無いのです。

僕が述べている「乃木坂46の流動性を駆使すること」とはつまり、センター未経験者をセンターに起用すること、選抜未経験者を選抜に起用することです。これらが乃木坂46全体の育成という課題を解消する上で最も効果的かつ効率的かつ画期的であると考えており、特に後者の「選抜未経験者を選抜に起用すること」の対象は、必然的にアンダーメンバーということになります。

このように乃木坂46の流動性を駆使していけば、結果的にその施策はアンダーメンバーの不遇さを解消することにも繋がります。やはり乃木坂46の流動性は様々な良い効果を生み出すものですね。これを文化として取り入れた乃木坂46の運営陣は素晴らしいと思います。

では、どうすれば乃木坂46の流動性を最大化できるのでしょうか。選抜メンバーを運営陣、つまり人が選ぶと、どんなに慎重な考慮があっても多少なりとも恣意的な選抜になってしまいます。

であれば、もはやくじ引き等、完全に運に任せた選抜方法があっても良いのではないでしょうか。このような選抜方法は、奇しくもAKB48が行ったじゃんけん選抜に似た性質がありますね。乃木坂46の流動性を最大化するための施策としては非常に参考になる事例です。

もしくは、乃木坂46の流動性の度合いは比較的下がりますが、「同じメンバーが連続で選抜に入れるのは3回まで」というようなルールを制定するのも施策として考えられると思います。

乃木坂46の運営陣は乃木坂46を商材として売上を獲得していかなければならない以上、人気と実力があるメンバーを選抜に選びたくなるのは当然です。しかしそれではアンダーメンバーと選抜メンバーのバランスが取れない。であれば、選抜メンバーを交代させながら各シングルに配置していくことで、ある程度の売上を保ったまま不遇や実力の格差を解消できるのでは無いでしょうか。

以前の記事で考察しましたが、もしかしたら乃木坂46の流動性は危機的な状況にまで失われてしまっているのかもしれません。それは流動性を意識しつつも、恣意的な選抜をせざるを得ないことを意味していると思います。であれば、まだ乃木坂46の流動性が完全に失われていないうちに、流動性を担保するためのルールを制定してしまうことは決して悪い発想ではないと思います。

27thシングルにおいて、選抜に入った2期生が新内眞衣さんだけだったことに対して、ネット上では様々な憶測が流れています。流動性のルール化を行えばこのような憶測を鎮めることも出来るかもしれませんね。

また、流動性をルール化することで誰もが選抜を経験できるようになり、メディアへの露出や活躍の機会も増えることでしょう。それは、新たな頭角の芽生えを促進させるはずです。選抜を経験することで、各メンバーの新たな一面というものは多かれ少なかれ発見されることでしょう。それにより、新たなファンの獲得や個人の仕事の獲得にも繋がるかもしれません。

それは最終的に乃木坂46の売上獲得に帰結し、今後の発展に大いに貢献してくれることでしょう。

やっぱり乃木坂46の流動性の効果は計り知れない。
これは絶対に失ってはいけないものです。


2.個人の仕事を最大化すること

上述したように、選抜メンバーとアンダーメンバーには活躍の機会に圧倒的な格差が生まれてしまっています。表題曲をメディアで披露できるのは基本的に選抜メンバーのみなのです。

もちろん、スケジュールの都合が合わない時などには、そのメンバーの代打としてアンダーメンバーの誰かが一時的に穴埋めをすることはありますが、それはあくまで一時的なものです。

このような格差を是正するための施策として、アンダーメンバーには個人の仕事を優先して与え、選抜メンバーとは違う形の活躍の機会を得られるようにするというのはどうでしょうか。

ラジオや舞台への出演、テレビ番組への個人出演など、乃木坂46という商材であれば提案営業の仕方次第で個人の仕事を獲得出来るかもしれません。そうすることで、たとえ表題曲を披露しなくても人気や実力を高めていくことは可能です。個人の仕事でそのメンバーが注目を集めれば、新たな属性のファンを獲得することに繋がり、結果的にそれは乃木坂46への集客が行われることになります。非常に効率が良い。

個人の仕事の顕著な例としては、山崎怜奈さんが挙げられると思います。不遇の2期生と言われ続けていたとしても、彼女は「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。」というラジオの帯番組をもっており、選抜メンバーとは異なる形で活躍しています。

また、乃木坂46は舞台に代表される芝居の分野に良く進出しています。素晴らしいことに、たとえアンダーであったとしても個人で舞台に出演する機会は色々なメンバーに与えられています。

舞台進出の例としては伊藤純奈さんが挙げられます。その演技力の高さから「犬夜叉」等の著名な作品の舞台に出演しており、乃木坂46が俳優育成グループとしての一面をもっていることを象徴しています。

このようにアンダーメンバーに優先して個人の仕事を与える風潮を加速していけば、選抜メンバーの中には「アンダーになって個人で舞台に出演したい」と考えるような人が出現してきてもおかしくないでしょう。そして個人の仕事で実力をつけたいがために選抜を自ら辞退するメンバーが出てくるかもしれません。

それは「アンダー」という言葉の終焉を意味します。つまり、地位の低さや格差の是正が否応なく実現します。アンダーと選抜メンバーは対等な立場となり、選抜への加入を希望するか、アンダーへの加入を希望するか、シングル発表のたびに希望を募るような動きが生じるかもしれません。

身の振り方を自ら考えそれを希望できる組織であれば、非常に健全なものであり、各メンバーの乃木坂46に対する居心地の良さが高まるはずです。しかも集客まで出来るとなれば、これはこれで有りなのかもしれませんね。


披露する曲の品質を最高化すること

現在、乃木坂46では4期生が大きく注目を集めています。これには様々な要因があります。4期生に逸材が多いことは間違いなさそうですが、その他にも、4期生が歌う「I see...」や「Out of the bule」の楽曲の質が高いということが挙げられると思います。

特に「I see...」は現時点でYouTubeに公開されているMVは約200万回の再生回数を叩き出しており、その楽曲の質の高さが分かります。そしてなんとつい先日、4期生はついにミュージックステーションで「I see...」を披露しました。この曲が発表されたのは2020年3月のことであり、現時点で約一年が経過しています。

そして何より注目すべきは、「I see...」はあくまで25thシングル「しあわせの保護色」のカップリングであるということです。

この事例から、たとえカップリング曲でも、その曲の品質によっては人気と注目、活躍の機会を獲得することは出来ることが明らかになりました。どうしても世間から第一に注目を集めるのは表題曲ですが、楽曲の品質次第では表題曲にも負けないくらいの注目を集めることは出来るのです。

であれば、アンダーメンバーが担当する楽曲の質をさらに向上させ続けていけば、アンダー=不遇という概念を払拭できるのではないでしょうか。そして表題曲との相乗効果でさらなる売上獲得も見込めるかもしれません。

そうなってくると、もはや表題曲とアンダーの曲のどちらがメインなのか分からなくなってきます。つまりそれは格差の是正ですね。

なお、念押ししておきたいのは、僕は決してアンダーの曲が駄作であるとか質が悪いとか、そのような評価はしていないということです。「新しい世界」等の楽曲は何度も聴きたくなる良曲です。

言いたいのは、現在よりもさらにアンダーの楽曲の品質を向上させれば、選抜とアンダーの格差を是正する施策になるということです。有名な作曲家を起用したり、たまには秋元康さんではない著名な作詞家が歌詞を提供したり、品質を向上させる方法はまだまだたくさんありそうです。


まとめ

僕は以前からアンダーに対して哀れみを覚えていました。選抜メンバーばかりが脚光を浴びている現状をどうにか変えられないのかなと思っており、選抜という概念そのものに疑念を抱いたこともあります。

もはや選抜なんて制度はなくし、「乃木坂46全員で表題曲を披露すれば良いじゃないか」とさえ考えたこともあります。しかしそれは乃木坂46の流動性が減滅することになります。選抜という制度があるからこそ、乃木坂46の流動性は効果を発揮するものであり、乃木坂46はそれを駆使することでこれまで成長してきたことを考慮すれば、やはり選抜という制度は必要なのでしょう。

そして何より、アンダーメンバーは僕が抱いたような哀れみを望んではいないのだと思います。「慈悲で選抜に選ばれても嬉しくない、それで獲得出来る人気なんていらない」という気持ちは、彼女達に共通してある考えなのではないかと思います。あくまで僕の想像ですが。

であれば是非とも実力で人気を獲得してほしい。そのためにも、乃木坂46の運営陣にはアンダーメンバーに対して、せめて実力を思う存分発揮できる環境だけでも整えてあげてほしい。

そして乃木坂46の運営陣には、そのような彼女達の気持ちを知るためにも、是非ともアンダーメンバーや選抜メンバーからの相談を受けて欲しいと思います。

「どうしたら自分はもっと輝けるのか」とか「どうしたら選抜に入ってファンに恩返しができるのか」とか、各メンバーが抱く不安や疑問を解消し、より良いパフォーマンスが出来るように配慮して欲しいと思います。そうして各メンバーのパフォーマンスが向上していけば、結果的に乃木坂46の発展に繋がり、売上の獲得が達成されるのです。

その組織に所属していることに幸せと誇りを感じるからこそ、その人材のパフォーマンスは向上するのです。であれば、「たとえアンダーでも、君は必要だから乃木坂46に合格してここにいるんだよ」というような言葉を常日頃から投げかけ、彼女達を後押ししていくべきです。

そしてアンダーというチームの概念を根こそぎ変えていき、乃木坂46のメンバーが選抜だろうとアンダーだろうと幸せになっていくことを願っています。

以上、「アンダーに希望を、選抜に流動を。」でした!!

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