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思考メモ ~WebToonとルサンチマン~

※これは思考メモです。そこには根拠はないです。


ニーチェはいいました。
「弱者は、自分たちを正当化しようとしている。」

ニーチェ先生

これは、ルサンチマンという概念で、嫉妬や復讐心といった「強者」へのネガティブな感情だ。自ら「弱者」としての無力さゆえの思考であり、彼らは自分たちを肯定化する。(個人的に、「弱者」と「強者」という風に二元論で事象を考えるのは、不可能であり、その二元論的考え方から「強者は悪だ!」という風な思考へと導かれるのではないかと思う。)

ニーチェはこれを「ルサンチマンの道徳」として批判しています。
とくに、19世紀のヨーロッパでは、宗教への信仰が強く、このキリスト教の教えというのは、「弱者」的思考のもと作られたものだと主張している。
つまり、ルサンチマンがキリスト教を生んだのだ。

このルサンチマン的概念は、現代にも存在するし、令和のルサンチマンが生んだコンテンツもたくさんある。

テレビ番組であった、スカッとジャパンなんてわかりやすい例だ。
ムカつく上司や不平等な世の中を否定する人物や出来事が起こる。
この「集団的否定」による道徳は、ニーチェが言った「弱者の道徳」と何も変わらない。

現状、韓国を中心に熱狂的な盛り上がりを見せている「WebToon」もルサンチマン的思考で生み出された作品が多い印象がある。
「女神降臨」なんてわかりやすい例だろう。
美貌批判的な主人公であり、「化粧」を手に入れ、自らを肯定できるようになるという流れだ。

とはいえ、ルサンチマンの起源は、今も昔も変わらない。社会への不安と自らの人生の不安、そして他者との比較だろう。そもそものルサンチマンの根幹である「妬み・嫉み」なんてものは、他者との比較によって生まれる勘定である上、比較せざるを得ない社会、自らが優位に立てない現実からルサンチマンは生まれる。

近世、近代(今)に至るまで、格差は広がっている。その格差の裏には、成功者への妬み嫉みは想像以上に存在しているだろう。
資本主義社会が世界のベースとなっている現在、格差の拡大はとまらず、それ故のルサンチマンの広がりも止まらないだろう。

そもそも、ルサンチマンを批判するのか否か。
これもまた、二元論であり、二元論的思考の行きつく先がルサンチマンなのだから、肯定・否定をすること自体よくないのかもしれない。

嗚呼、哲学だなぁ。

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