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鎌倉殿の13人 第35回「苦い盃」2022.9.11放送


人が持っている「悩み」について、すっと気持ちが晴れた放送回でした。
あまりに響いたので、書き残しておきます。

大河ドラマを観るようになった

いつの間にか、大河ドラマを観るのが習慣になりました。

初めてちゃんと大河を観たのは、2010年の「龍馬伝」。
きっかけは、主演が福山雅治さんだったから。(笑)

坂本龍馬も有名だったので、歴史ものならではの時代背景や人間関係の難しさを取っ払って、「かっこいい!かっこいい!」と思いながら毎週とっても楽しんで観ていました。

その後もぽつりぽつりと観るようになり、2016年の「真田丸」にドハマり。堺雅人さん演じる真田幸村の生き様、真田一族のちょっとコメディチックな一面も含めて、とっても楽しめた作品でした。

「真田丸」の作品の監督が、三谷幸喜さんでした。

実は、三谷幸喜さんファンです。(隠すことではありませんが笑)

特に好きな映画は「ラヂオの時間」。(1997年)
ある脚本をラジオドラマにするお話なのですが、演者たちが個性豊かで、いろんなわがままを通すうちに、もとの脚本からは程遠いドラマになってしまう、ドタバタコメディです。

…話が逸れました。
その後、2021年の「青天を衝け」も全視聴。

主演の吉沢亮さん見たさに視聴し、日本の発展のためにまっすぐ進んでいく積極性、自信の持ちようにスカっとしていました。

そして、次の大河が、「鎌倉殿の13人」。
三谷幸喜さんが監督、小栗旬さん主演。
これはもう、観るしかない。

「苦い盃」あらすじ

鎌倉幕府の初代征夷大将軍、源頼朝。そして2代将軍、頼家。

2人亡き後、3代目を継いだ、源実朝(さねとも)。
源頼朝と北条政子の次男です。
12歳の若さで征夷大将軍になりました。
主人公の北条義時から見ると、甥にあたります。

成人の儀式を済ませ、「京から御台所(妻)を」という周囲の声により、
後鳥羽上皇のいとこ、千世が正室になりました。

めでたいことですが、実朝の表情はどこか悩んでいるような、納得のいっていないような顔。
婚礼の儀、祝いの席でも、盃が進みません。
「飲んでいいのですよ」促され、やっと飲み干します。

その後、実朝が好きな和歌の時間も、なかなか筆が進みません。

「休憩。出かけよう」と向かったのは、和田義盛(難しいことがキライな、気のいいおじさんです)の家。
そこで「おもしろいところへお連れしよう」と和田に誘われ、やってきたのが小さな小屋。「歩き巫女」がいて、占ってくれるというのです。

そこで、周囲の人にはなかなか言えなかった思いを、歩き巫女に打ち明けます。

「妻をめとったのだが、私の思いとは関わりないところで、すべてが決まってしまった」

自分の意志に関係ないまま周りで話が進められ、どんどん決まっていくことに戸惑いがあったようです。

それに対する、歩き巫女の言葉がとっても印象的でした。

「おまえの悩みは、どんなものであっても、おまえ1人だけの悩みではない。はるか昔から、同じことで悩んできた者がいることを忘れるな。この先も、おまえと同じことで悩む者がいることを忘れるな。悩みというのは、そういうもの。おまえ1人ではないんだ、決して。」

悩みは、自分だけのものではない。
これまでも、これからも、自分と同じことで悩んでいる人はたくさんいる。

言葉だけで見たら、「みんな悩みを持っているのだから、それくらい我慢しなさいよ」と突き放すようにも受け取れますが、この場面ではそう感じませんでした。

突き放すというより、受け止めてくれている感じ。
明るく励ますでもなく、こういう事実があるのだよ、と諭す感じ。
歩き巫女(大竹しのぶさん)の演技力といいますか、語り口調の絶大な効果を感じました。

とにかく、この言葉に安心感を覚えました。
実朝の顔も晴れた様子。(よかった。)

特定の誰か「だけ」の悩みって、実はない。
実朝の、「自分の意志でないところで決まる」のは、先代の頼家も不満を持っていたことですし、現代だって、こういった悩みって、誰かしらは持っている悩みですよね。

先ほど挙げた、三谷幸喜監督作品の「ラヂオの時間」も、自分が書いた脚本を、演者たちのわがままでどんどん勝手に改変されていく物語でした。

だから古典がある…?

今回の大河を観終わった後、「だから古典があるのかな…?」と思いました。

みんな、同じようなことを思い、悩んでいる。
それを書き残して、後世に伝えていく。
それが時には道しるべになったり、慰めになったりする。

温故知新という言葉があります。
昔にあったことを学び、自分の糧にする。
これができるのが、古典の強みなのかもしれないなと思いました。

おばばの悩み

先ほどの話に戻りますが、おばば(歩き巫女)にも悩みはあるそうです。

「年をとって、ひじがあごにつかなくなってしまった」

これを聞いて、テレビの前でやってみた人もいたのではないでしょうか?

私もやりました。

つきませんでした。笑
つかないじゃん。笑

実朝も、「誰でもそうなのではないか」とツッコんでいました。
厳しい時代の中でも、クスリ、とした一幕があるこの作品。

大河、おもしろいです!!

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