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入管法改正案について(参議員浜田聡議員のお手伝いになります)


2月7日閣議決定され、令和5年1月23日からの第211国会(常会)に法務省から法案提出となった「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案」(以降「入管法改正案」)について、2点に絞って調査し投稿します。
1・難民申請許可率が数%なのになぜ来るの?
2・何故日本政府は「難民申請者」や「逃亡者」を作り出してしまうのか?


1・難民申請許可率が数%なのに「難民」はなぜ来るの?


①法案名、なぜ長いんだ!

今回の「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案」の改正は、難民申請者数の多さや難民認定率の低さで内外から批判を受けたからだとメディアでも報じていますが、本当にそうでしょうか?
まず今国会に提出予定の法案について調べてみました。

この入管法改正案はア)「出入国管理及び難民認定法」とイ)「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」の2つの法律名が入ってます。
これらは現在も存在する法律ですが、ア)は外国人の入出国制度と難民認定の法律で、イ)は旧日本国籍だった人とその子孫の特別永住者の出入国の法律です。
実はその2つの法律の一部を改正した法律が一度改正されています。その改正された法律が、2009年平成21年「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律」(以下「改正法」といいます。)と言います。
以前から不法就労者が問題になっており、平成17年7月19日に犯罪対策閣僚会議で「外国人の在留管理に関するワーキングチーム」を設置し、報告内容を元に平成21年に法改正されました。
その内容は大幅に変わり、
・住民基本台帳法の改正、外国人住民も住民票に記載
・外国人登録証は廃止、「在留管理制度」の元で在留カードが発行
・雇用した場合は企業が入管庁に届け出の義務
・留学と就労が一本化され、アルバイト時間が延長
・文言上「退去を命ずる」という規定が現行法と同様に「退去を 強制する」に変更
などで、住所移転以外は入管庁で登録や申請など一元管理し事務簡素化と現状把握を強化する内容でした。

出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律


今回の入管法改正案は2021年令和3年に「改正法」の一部を改正し法案を一度閣議決定したのですが、新聞のロイターによりますと「野党の反対や国内外の批判を受け」成立を断念し廃案としたとなっています。現在も世間の受け止め方は当時と同じです。
・2009年平成21年可決・成立 入管法の「改正法」
・2021年令和3年2月9日閣議決定 入管法改正案
・2023年令和5年3月上旬、法務省から法案提出予定

②2021年の閣議決定後提出された政府法案の4つの改正ポイント

閣議決定時の法案提出理由は難民認定手続きをスムーズにやりますという話ですが、改正内容と当時の背景や問題点は浜田議員の調査報告をされていた坂本雅彦氏のブログに解り易く書いてあります。

また、現在の入管庁のサイトにも詳しく載っていて特に気になる内容は、
・他人名義の旅券を用いるなどして不法に日本に入国した人、就労許可がないのに就労(不法就労)している人、許可された在留期間を超えて不法に日本国内に滞在している人、日本の刑法等で定める様々な犯罪を行い、相当期間の実刑判決を受けて服役する人たちがいるという事です。
・現在の入管法では難民認定手続中の外国人は重大犯罪を犯した者やテロリスト等であっても日本から退去させることができない(送還停止効)という恐ろしい事実があります。
・また、令和2年12月末時点(速報値)で、日本からの退去が確定後、仮放免中に逃亡して手配されている外国人が400人余りもいるという事です。


③野党の反対と国外の批判って何のこと?


2021年5月15日の立憲民主党の枝野幸男共同代表のnoteからは、
・入管法改正案の中身に問題がある
・名古屋入管で死亡した事件の真相究明なしに採決には応じない

国外からの批判については主に、
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)【日本の難民受け入れの課題】の中で、『日本と世界における難民・国内避難民・ 無国籍者に関する問題について (日本への提案)更新版 2017 年5月 』の記載があり、、日本の貢献への感謝の言葉とともに「包括的な庇護制度の確立」を求められ、特に日本にとって重要と思われるものが「国際保護の必要性がないと考慮された人の処遇を定めた法的枠組みの確立 」を提言されています。

ブログで見るのが「収容は人身の自由を奪う行為だから裁判所が判断すべき」という意見です。人身の自由を奪うというのは縛り付けて拷問する様な事であって、「収容」をそのように「人身の自由を奪う行為」という表現に悪意を感じます。国内の犯罪は警察が行い、入出国の犯罪は入管庁でおこなうという当たり前な行政組織と職務であり、その点で問題がある様には思えません。
憲法にも書かれている「自由」の点から、入国も入管庁で法に基づいて行っていますが、入国の拒絶等は裁判所で判断しないといけないのでしょうか?
日本の制度下で行う入出国を入管庁という行政で行う事自体に問題はありません。

「ルフールマンに対する保護」についても言う人がいるが、送還後にその人が迫害を受けるのは相手国の対応なのですから何処の国から送還しても同じ事になります。
であるなら、UNHCRが「迫害の危険に直面する国への送還をしてはいけない国」を指定すべきではありませんか?
日本にはUNHCRの難民認定申請者を多く出してる国からの難民は少なく、殆どが就労や留学で入国してきた事実があるのですから、国外から批判が出ているとは思えないですし、日本の人がそれを言うのは何か目的があって言ってるのでは無いかと穿った見方をしてしまいます。

日本と世界における難民・国内避難民・ 無国籍者に関する問題について
(日本への提案)更新版
令和3年12月 現行入管法上の問題点


日本は、JICAを通してUNHCRへの拠出金は世界でも2番目に多くスーダン、アフガニスタン、カンボジアや東ティモールなどで故郷に帰還した難民や国内避難民が平和で安定した生活を送ることができるよう、長期的な復興開発支援と平和構築にも尽力しています。ベトナム戦争後のインドシナ難民は現在も神奈川、埼玉、兵庫に定住しています。

外務省サイト


④日本の難民受け入れ状況

令和3年における難民認定者数等について
令和3年6月にUNHCRが公表した難民認定申請者を多く出している上位5国はベネズエラ、アフガニスタン、シリア、コロンビア、コンゴ共和国で、わが国での申請者数は33人で、アフガニスタン12人、シリア1人、コンゴ民主共和国20人、ベネゼエラとコロンビアの方は0人です。

日本での申請者の国籍は50か国にわたり、申請者総数の約75%がミャンマー、トルコ、カンボジア、スリランカ、パキスタンで、特定の国籍に集中しています。
また、日本で難民申請してる方達は在留資格を持っていた方が資格を喪失したので難民申請しているかたが多いのですが、果たしてこの様な方を「難民」と言えるのでしょうか?

難民認定申請者数及び審査請求数

しかも、収容経費として1人医療費2万円/月かかり、被収容者の入院・通院治療費・薬品日は年間2億円を超えているのは驚きで、他にも厚労省の難民就職促進費、外務省の第三国定住による難民の受入れ、法務省の被収容者等の処遇など各省庁にまたがっての予算で数百億円は下らないと思われる。

この事から、早期に送還していればかなり抑えられた金額ですし、むしろ企業に安い労働力を提供するのではなく、国内での改革を目的に仕事の効率化をはかるイノベーションを起こす必要が本当はあったと思います。
さらに思うのは、「技能実習生」に頼らないで企業合併や規制改革、海外からの高度人材採用支援に政策転換していれば、現在のような中小企業の温存の為の補助金バラマキ政策は避けられていたのでは?
もしこのかかった経費を減税できていたら、企業は設備投資に回し、効率化により生産性が向上し、物価もあがり賃金も増えていただろうと考えてしまいます。


⑤2021年令和3年2月9日閣議決定し、今まで何故審議が出来なかったのか?

浜田聡議員のお手伝いをされていた坂本氏のブログ『出入国管理法改正案について(参議院浜田聡議員のお手伝い)』の中にも書かれてましたが、名古屋入管で亡くなった女性のビデオ開示が異常に求められており争点化しようという野党の思惑によって世論形成が偏ったり、令和3年の秋の衆議院選挙が近いので影響を心配したのでしょう。

さらに、令和4年2022年2月24日あのウクライナ侵攻がはじまり、事態は一変したからではないでしょうか?
ウクライナからの戦争難民が近隣国へ移動し溢れかえる人達。日本は、今日でもウクライナ情勢に関する対応として「ウクライナから日本への避難民の受入れ」としています。
さらに、ウクライナ侵略によってこれまでの戦争の概念が覆されると同時に台湾有事における情報戦やサイバー攻撃などの対応も迫られ、安全保障の観点からもテロリストやスパイなどの出入国等に関し早急な見直しの必要があったのではないでしょうか?


2・何故日本は多くの「難民申請者」や「逃亡者」を作り出してしまうのか?


①現在の難民認定手続き中の人ってどんな人?

日本で難民申請してる方々の現状をみてみると、UNHCRが公表してる難民認定申請者上位5か国からの難民は少ないです。これは10年位前の事ですが、次のような事からも解ります。
平成22年に就労を認める運用をはじめてから急激に増え、平成30年1月に在留申請を認めない措置を取り始めると激減して行きます。つまり、就労目的に難民認定申請しているという事です。

『現行入管法上の問題点』

そして、令和年12月の『現行入管法上の問題点』には、送還を妨げる理由として犯罪者であっても難民申請中であったり自国民の受け取り拒否する国があるとかいてあります。
では、犯罪者は何時犯罪になったのでしょう?

送還を妨げる理由

送還忌避者の全体像②/③を見ると、前年の令和2年12月末には、送還を拒否している人が3,103人いて、994人が有罪判決を受けています。入国者も不法入国者も入国時は罪状は無いはずだから単純に皆日本国内で犯した犯罪と考えるべき。
では何故、日本に就労や留学目的に来ているのに自称「難民」になったり逃亡せねばならなくなるのでしょう?

解り易い資料で令和5年2月の『現行入管法の課題』をみると、覚醒剤取締法違反、大麻取締法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反等などの薬物法令違反が多い。
日本と外国では法律が確かに違ってはいるけれど(;´・ω・)そんな簡単に薬物に?
イランは送還忌避者を受け入れてないから、送還されたくなくてわざと覚せい剤使用するのかもとうがった見方をしてしまいます。入管庁は、現在イランからは特定技能外国人の受入れを行わず、イラン大使館や本国の期間に受け入れ再開を要求している。

令和2年3月に報告されている「送還忌避者の実態について」によると、国連が難民認定した上位5か国以外の者が仮放免中に様々な犯罪を犯し取り消され再収用されています。

また「難民」に限らないが、犯罪を犯した外国人が国外逃亡もしています。
(青い棒は日本人)

第2節 犯罪者の国外逃亡・逃亡犯罪人の引渡し

これらの事から考えるのは、コロナ後に一時的に収容を停止し身柄の拘束を仮に解く制度の仮放免を行ったが、その間に犯罪等を行ったり薬物使用や行方不明、更に海外逃亡をはかった者が増えているのですから、場当たり的な対応ではなく、大元の難民予防として、技能実習制度や留学の見直しが必要な時期ではないかと思います。

②もともとは技能実習生や留学で入国したんだよね?

昨年今年とコロナで失業した外国人も多くいたと思うけど、どうしていただろうか?
コロナの年に離職し、職業安定所に行く機会が多くなり外国人労働者も失業保険を受給しながら求職をしていました。
その一方メディアには外国人の若者の犯罪がいくつも報じられてもいた。

外国人技能実習機構
令和3年度の「言語別 相談内容別 母国語相談件数」を見ると、残業代不払いや労働環境の相談が多い。

令和3年度の「言語別 相談内容別 母国語相談件数」
技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況(令和3年)

これらの資料でも分かる様に技能実習生の劣悪な労働環境や不払い賃金等の問題などがあり、たぶん彼らには十分な理解や納得できる形で解決しなかったり、職場の移動や逃亡などで行方が分からなくなるケースになってしまうのだろうと想像できます。
一時メディアで問題になっていたのが、自国の高額なブローカーにお金を借りて日本に入国しもっと稼ぐ必要から雲隠れするのが報じられていました。ある程度稼いでから捕まり強制送還で帰国する者も多いという。実際昨年は、技能実習生で入国した外国人が北関東で果物が盗まれる事件が多発し、豚や牛を盗む事案があってコロナで収入が減ったり解雇されたりで在留期限が切れた技能実習生という事が分かりました。
しかし一方で、送還忌避者の薬物関係法令違反:672件などを見ていると、メディアでも外国人の麻薬売人の記事が複数あり、薬物を売る為に不法入国した者も中にはいるのかも知れません。

③G7

令和4年12月20日岸田総理は「犯罪対策閣僚会議」で以下の様に述べられています。
令和4年7月の選挙遊説中の安倍元総理暗殺事件があり、今年5月の広島サミットの警備は日本にとって国の威信が掛った最重要事項です。

本来入管庁はテロリスト等の入国を水際で阻止し不法滞在者等を生まない社会の構築を目指す組織です。この令和4年1 2月2 0日犯罪対策閣僚会議で 「世界一安全な日本」創造戦略2022が報告された中には、入管庁の対策強化についての項目もありました。

P71不法滞在者の縮減に向けた対策強化
④ 送還忌避者の送還の促進
送還忌避者の更なる送還の促進のために、国費送還担当の入国警備官の体制を強化し、今後5か年で、護送官付き国費送還等を倍増させることを目指す。 また、帰国後の生活不安を理由に送還を忌避する者に対してIOM(国際移住機関)帰国支援プログラムの活用を推進し、今後5か年でその実施件数を倍増させることを目指すとともに、送還忌避者に対する送還の実施に協力しない国に対して、その身柄引取の交渉を継続するほか、チャーター機の利用による集団送還を更に活用する。 さらに、入管法48の改正を行い、難民認定申請中であっても、重大犯罪者やテロリスト、複数回申請者については、一定の条件下において送還を可能とする等の措置を講じる。

「世界一安全な日本」創造戦略2022の策定について


「不法滞在者に対する違反調査において、捜索時に電磁的記録を押収す」これも一歩踏み込んだ内容です。
きっと日本にスパイ目的で入国した者が嫌がる対策でしょうね。


④国防と難民問題を通して思う事

昭和二十六年政令第三百十九号「出入国管理及び難民認定法」には、「内閣は、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件(昭和二十年勅令第五百四十二号)に基き、この政令を制定する。」とあり、1945年敗戦、1951年戦後GHQ支配下の元作られた法律ということになり、1952年サンフランシスコ講和条約で直接占領が終わるまでプレスコード(新聞編集基準)をしき言論を厳しく統制した時期のものであり驚きを隠せません。
難民申請者の「不法在留」「収容」等の言葉も日常では縁の無い言葉と問題意識です。
日本という技術の優れた治安のよい経済大国に就労して稼いで帰りたいという方々が、ルールを守るなら自由に働ける国であって欲しいと思う一方、隣国の様に現状変更を一方的に行い経済安全保障上も国防上も最新の脅威で迫られている現在では、日本国と日本国民の生命財産を最優先でと願い、価値観を同じくする同盟国との協力の元で、安心安全な日本である事を望んでしまいます。

その上で、難民受け入れや技能実習生と留学生の受け入れを根本から見直しする必要があると思いました。
入管庁は、G7後に、現在の不法在留者の送還と難民申請者の削減を最優先で行って頂きたいし、犯罪者には温情を掛ける必要は無く早期に送還して頂きたいです。

その不法在留者や難民申請者の対策として、「難民申請者」「不法滞在者」「行方不明」「国外逃亡」「犯罪者」を作らない為の対策を日本政府にはして頂きたいです。

まず、行方不明者のリストの存在を日本国民と海外に知らせて欲しいです。この特定非営利団体のサイトが信用できるかどうかの判断はどうすれば良いのでしょう?
Colabo問題に見られる様に、NPO法人等に対してアレルギーーを持ってしまった日本国民も多くいると思います。
税金受け取る法人であれば、政府や自治体が団体の実績のスコアーや代表者等の顔を見えるようにして頂きたいです。


・送還拒否国の国民には、第三国の受け入れ先を探し、生活費等の援助を1年間する事で受け入れして貰う事は出来ないのでしょうか?

・犯罪歴の無い者で、1回だけチャンスを与えて、不法在留の取消の為に長期のボランティア活動を行い、就労先の紹介を行う事で在留資格を取り戻す事は出来ないでしょうか?

・技能実習生には入国前に入管の決まりや手続きをオンラインで受講して貰い、オンラインで現場確認と受け入れ先の賃金についてのチェックを行い書面でかわし機構に保管して貰う。会社負担で、入国時に1週間くらい技能実習生の日本生活の研修を行い友人・知人を作って貰い、それから就労して貰う事は出来ないのだろうか?

・高額なブローカーの紹介で入国した人に、リスクをきちんと理解してもらい、その対処法と沢山稼ぐことは出来ない事を伝えられないか?同時に家族に伝えられないか?

・SNSを活用し、技能実習生のサークルで報告や相談が出来るようなコミュニュティを早めに作れないか?
同じ国から来た人たちで集まる場所や、相談に乗ってくれる民生員的な人はいるのだろうか?

・犯罪者になる前に、予防の為にこういった活動を支える無償の本物のボランティアやNPO法人を募集出来ないか?
その活動を寄付で賄い、その寄付に税の大きな優遇を付けられないか?
・技能実習生や留学生等の専用の派遣会社を、民間に作るような政策は出来ないだろうか?
派遣会社に登録して、就労先が合わばければ他に移動できたり賃金交渉したりする窓口になる。そのスタッフは自国の外国人の通訳を依頼できる等。

犯罪者にならない為の事前の予防が大事だと思う。
日本国民はもっと外国人にじかにふれあい習慣や性格を知る良い機会なので、積極的にボランティアを行い、日本にいながら学習する良い機会でチャンスだと思いました。


以上、浜田聡議員への調査報告でした。


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