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[創作]カナタの日常

〈序章〉
これは何でもない"ボク"こと彼方の何でもない日常のお話。

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ボクにはずっと好きな人がいる。

その人に初めて出逢ったのは、高校生の時だった。

その人を認識した瞬間から、ボクの心臓はドキドキが止まらなくなり、身体中の全神経、毛穴も体毛も全てがその人に向かっているのを感じた。

どんなに離れていても、遥か後ろにいたとしても、その人の存在を感じてしまうのだ。

そんなある日のこと、ボクはその人"此方"とペアになる場面があった。
まともに話したことは一度もなく、嬉しい反面ドキドキしてどうしたら良いのかわからなかった。
そんなボクの気持ちなんて全然気付いてないコナタは、ごくごく当たり前に優しい言葉をかけてくる。

「終わったら一緒に教室帰ろう」
そんな何でもない一言を聞いた瞬間、ボクの身体に電流が流れた。
一気に体温が上がって、顔が熱くなって、ドキドキして、嬉しくて、顔が上げれなかった。思わず、コナタの脚の辺りに目をやりながら「うん」と答えた…と思う。

あの日から、ボクは恋におちた。
でもきっと出逢った時から惹かれていた。
今にして思えば、何かしらフェロモンでも出ていたんじゃないだろうか?

正直、ボクはわりと自分を"熱しやすく冷めやすい"奴だと思っていた。
幼稚園児の頃から"笑顔の素敵な人"が好きだと自認していた。要は優しげな人が好きだった。クラスが別れると、また好きな人が変わるような奴だった。

なのに、ね。
出逢った時からコナタはボクの心の底に住み着いた。好きが溢れて止まらなかった。
例え、「嫌いじゃないけど、好きかどうかはわからない」って言われようと、「付き合えない」って言われようと、ボクの好きって気持ちは変わらなかった。
これ、下手するとストーカー?ってものに間違われても仕方ない関係になってもおかしくなかった気がするよ。今時で言うなら。
でもね、何度ボクがアタックしてフラレてもその後の僕たちの関係性は変わらなかったんだ。
普通、気まずくなったりするでしょ?お互い。なのに、コナタのボクに対する態度は変わらなかった。だからさ、たまに会うと"やっぱり好き~❤️"って思っちゃうんだよ。
もう、仕方ないよね。これは。

そんなこんなで、あれから何十年経ったかな~。恋する気持ちは、時に形を変えていったかもしれないけど、それはもっと深い愛に変わっていて、どんな時もボクを支えてくれている。

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これから、こんなボクの大したことない日常や思ってるとこをぼちぼち綴っていくよ。

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