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[創作]カナタの日常

〈告白 part.1〉
あの日、ボクは決心していた。

小、中と学校がどちらかと言えば嫌なこと、辛いことの方が多かったと思っていたボクにとって、高校はあまりにも楽しい場所だった。

正に青春を謳歌したと言っていい。
多くの友人を得て、学校生活もプライベートも思いのままに過ごしていた。

そんな大好きな学校を卒業する日。
ボクは心にあることを秘めて登校した。
式典の最中は流石に込み上げてくるものがあってちょっと泣いちゃったけど、その後は自分に課したミッションを思って緊張していた。

ホームルームが終わると、皆はそれぞれ外に出て同級生や後輩、先生方と別れがたく写真を撮ったりしている。勿論、ボクも。
でも、心は別のことを気にしてる。気持ちは逸っていた。

一通り挨拶を済まして、ボクはコナタを探した。ボクが何をしようとしているか知っていた友達と一緒に。

居ない…

校庭にも教室にも何処にも…

自転車置き場にも行ってみた。
しかし既にコナタの自転車は消えた後だった。

出逢って一年、その間にだって行動を起こすことはできた。
けど、関係が変わってしまうことが怖かった。何より、放課後も残って教室で一人勉強しているコナタの姿を見たら、ボクは何も出来なかったんだ。
なら、ボクも受験勉強頑張ろう、コナタに相応しい人間になろう、そう思ったんだよ。
そして、卒業式の日に行動を起こそう、そう誓ったんだ。

なのに、コナタがいない!

ボクは友達と自転車で追いかけた。
とても遠くから通っていたから、もしかしたら何処かで追い付けるかも?そんな淡い期待とともに…。
けど、結局見つけることは出来なかった。
家が何処にあるのかもわからない。
あの頃は今みたいに携帯もスマホもインターネットもなかったから。。。

さて、どうしたものか。
ボクはやるせない気持ちのまま、それまで付き合ってくれた友達に感謝を伝えて家路についた。

**つづく**


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