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うつ病になって起きた体の不調

こんにちは。孤高です。
いまだにうつ病は、気持ちの持ち様でどうにかなる病気だと思われがちですが、脳の病気(機能不全)だったりします。

塩野義製薬さんとと日本イーライリリーさんが共同で作られた啓発メディアにもこのように書かれています。

うつ病は、脳の働きに何らかの問題が起きて発症すると考えられています。
単に気分が落ち込んだ状態なのか、それともうつ病であるのかは、具体的な数値などではっきりと示すことは難しいのですが、症状の程度や質、生活への支障の出方などで判断することができます。

さらにこのように続きます。

それに、うつ病は心の症状だけではなく、「食事がおいしくないし、つまらない。『食べなきゃ』と思うけれど進まない…」「いつもより早く目がさめるし、寝ようとしてもなかなか寝付けない…」といった体の症状があらわれることもあります。そのあらわれ方は、人によりさまざまです。

そう、心の症状だけでなく、体の症状が現れることもあるのです。
かつて、私がうつ病を発症した時に起きた、体の不調は次のようなものがありました。

うつ病の発症当初

耳が聞こえなくなる
うつ病で動けなくなる数ヶ月前。突然、耳が聞こえなくなりました。医師からは突発性難聴と診断を受け、治療をしました。治るまで、1ヶ月くらいかかったかと思います。当時、高校生でアルバイトもしていたのですが、耳が聞こえないので、辞めざる得なくなりました。

光が眩しくて、明るいところに出れなくなる
これが、寝たきりになった一番の原因でした。ある日、床から出て起きようと寝室の扉を開けたら、朝日で目が潰れそうなほどの痛みを感じ、頭がグラグラしました。とても立っていられず、暗い寝室に引き返しました。そこから寝たきりの生活になりました。日によっては、携帯の液晶の光でさえ、吐き気を起こすくらいで。病院に行くときもひどい時は、布にくるまり、両親に引き連れてもらっていました。

睡眠時間が長くなる
寝たきりになって最初のうちは、本当に眠ってばかりいました。気づくと寝ているという感じです。1回の睡眠時間が30時間を超える日もありました。まだ数時間しか寝ていないのか、と思ったら翌日になっていることもよくあって。体も動かず、頭も働かず、寝ることしかできない辛さは、回復するうちに自分への負い目になりました。「勉強をするわけでもなく、働くわけでもなく、寝ている自分が許せない」そういう気持ちにも駆られました。

半年間、ほぼ何も食べれず
とにかくご飯が食べられなくなりました。見るだけで気持ち悪くなって。
半年近く、ほぼ水だけ。食べれて、ウィダーインゼリーのようなパウチのゼリーを1つ。半年後には、体重が25キロ減りました。痩せられてよかったと思いながらも今でも弊害はあって、いつも肝臓の値が正常値の下限です。

お風呂を出ると、めまいと冷や汗が出て、呼吸がしにくい
うつになってすぐは頻繁に起きていた症状なのですが、お風呂に入ると、激しい目眩がして、冷や汗が吹き出し、呼吸がうまくできなくなることが度々起きました。なので、出てすぐ脱衣所によく横たわっていて。
起きている時間が少ないために水分が不足していたからなのか、自律神経の乱れだったのか、原因はよく分かっていないのですが、きつい症状でした。

うつ病の回復期

不眠症
回復期に辛かったのは、不眠症。体や頭が疲れているのに、寝れないことが辛く、薬を飲んでも必ず眠れるということではないので、そういう時は長い夜を過ごします。薬で眠れるようになって、徐々に日常生活に戻っていくと、寝れるようにはなりましたが、当時は体も心もしんどい症状でした。

活字が読めなくなる
活字が読めなくなってしまったのは、日常生活を送る上で、大変でした。文字が認識でいないということではなく、目で文字を追っても、何も内容が頭に入ってこないことに苦しみました。

集中力が続かない
元々すぐにゾーンに入れる人間だったので、集中力が続かないことで、思うように作業が進まない苛立ちを感じました。

体力が落ちすぎて、出歩けない
1年半くらい、家での療養をしていたこともあり、体力が落ちて思うように出歩くことができませんでした。長距離歩くと気持ち悪くなってしまうので、学校に通うまではリハビリとして、数ヶ月歩いたり、電車で長距離の移動を練習しました。

迷走神経反射が度々起きる
脳波などを調べてもらったところ、うつ病になったことで交感神経が常に優位になりすぎているようで、度々道端で倒れしまったり、具合が悪くなりました。学校で倒れて意識を失った時は、救急車でも運ばれてしまい、大ごとになりました。恥ずかしいと思う一方で、コントロールできないことなので、困った症状でした。

頭が疲れるので、明るいところで生活できない
明るい部屋などに長時間いると頭がひどく疲れてしまうので、よく真っ暗な部屋で過ごしてました。寝るわけでもなく、ただ暗い部屋にいるだけで頭の疲れが和らぎました。これは初期の症状の引きずっての症状かもしれません。

心の問題が先か、体の問題が先か

私の場合は、心の問題よりも体の問題が先にありました。不調によって、心が病んでいった印象です。先述のような「通常ならできることが、うつで出来なくなったこと」によって、心理的なダメージがあったというのが正しいかもしれません。

こうして私の身に起こった症状を挙げさせていただきましたが、これはほんの一例に過ぎません。それぞれの方にいろんな症状があって、同じうつ病でも異なります。なので、同じうつ病を患っている人に対して、自分が〜だからこの人も同じはず!と決めつけないであげてください。

そして、気持ちの持ち様で楽に部分もありますが、体の不調などは気の持ち用ではどうにもならず、投薬などの治療が必要なことになります。だからこそ、安易に「心の持ち方で変わる」などという精神論で片付けずに、病を患う人の声に耳を傾けてあげてほしいと思います。

私も回復した今でこそ、認知行動療法を学んだりと心の問題にも向き合えるようになりましたが、発症してすぐはただ眠ることしかできませんでした。2年近くかけて、少しずつ回復をしていったことで、12年経った今、日常生活を取り戻しつつあります。今も完治はしていません。

それだけ長い闘いになることもあります。ただ、私自身、その点を気に病まないことにしました。完治することを目的とするのではなく、現状維持できることを目標にして、今日も生きています。

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