ドイツのメッセで大赤字!!にしても黒字と思えた出店劇
日本食はドイツでも人気がある。次から次へと日本食の店がオープンし、スーパーでは、賞味期限が3日間もある " 食べられるけど寿司 " がサラダやサンドイッチなどの横に並べられ、寿司って冷凍するんですか?の " 疑問符寿司 " は冷凍庫に陳列されている。
ドイツのメッセにおいて、寿司店を出店した。
蓋を開けてすぐ、
美味しい寿司が彩り良く並んでいる我がブース前を通り過ぎる何人ものドイツ人が
「Sushi ( ×m×) オエェ..」「Sushi (‐д`‐ll) ウゲー」と、
すごい顔をして去って行き、私の想像と相反する反響をすることに気づかされた。
そんなあほな。うそやん!
なんでーー =͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)ー。
寿司やで寿司!!
寿司様に対してそんな態度、そんな嫌そうな顔ありえないんですけどーー。
9日間続くメッセなのだが、初日の午前中に私の頭の中でうずたかく積もる在庫がイメージできた。
(((٩(๏Д⊙`)۶)))ぎゃーーー
これが会社員の頃に仕出かした事ならば、始末書からの減給はもちろん降格へ真っ逆様だ。
良かった。事業主で!!
いやいや!!!!ヾ(´囗`。)ノあかんやん。あかーーん。
これは " 食べられるけど寿司 " や " 疑問符寿司 " に原因があるのではないか?と仮定した。
これらの寿司を食べた人が、寿司は美味しくない、もう二度と食べたくないと思ったのではないかと。
売るどころの話ではなくなったので、すぐに試食に切り替え、
こうなったら、ブースの前を通るお客様を1人も逃すことなく捕まえ、私の寿司を試食して頂くのだということを自分に課した。
\( ˙꒳˙ \三/ ˙꒳˙)/
初日のうちにご近所さんと親しくなった。
メッセ熟練のOpaさんは、ハムとチーズを販売していた。Opaさんは、聞いてもいないのに我がブースをダメ出しした。
「あんたのブースは小さすぎるねん。3メートル位のブース幅では、キョロキョロしながら歩いてたら、気もつかへんうちにその前を通り過ぎてしまうやろ。」と。
なるほどなるほど.....✍(・∀・*)
いまさらブース幅は変えられない。
ならば、こちらに向かい歩いてくる人は3メートル先から私のお客様となり、大きめの声、決して大声ではなく、あくまで大きめの声でその方へ向けアピールをした。
「お寿司、試食してみませんか~〜?」
隣のBarmamaさんはシュナップスを販売していた。こちらも熟練らしく、自分のブース内から膨らました風船をぽ~んとひとつ、またひとつと通路へ飛ばしていた。
上手いねぇ♡\( ¨̮ )ポチッ
おかげで我がブース前も風船だらけで、風船害を被った感もあったが、個人的には風船は大好きだ。
Barmamaさんからもダメ出し。
「あなたのブースはメニューが分かりづらいわ。何を売ってるか分からないかな。」と。
.....✍(・∀・*)なるほどぉ.…
この課題は今日の夜なべ仕事やな。
ハンガリー料理を出していたMalsehen さんは、時々我がブースを少し離れたところから観察してはふら〜と通り過ぎていく。
(๑• . •๑)?
それならば私もやってみようとMalsehenさんの店の様子を注視した。
わかった。料理の売値を少し安くしたんや。
彼は他店の販売値段を観察していたのだった。
さっすがァー(・ω・`
試食をだされたら、やはり食べるが人の性。それはドイツでも変わらなかった。
八百屋さんや魚屋さんのごとく親しみを込めて、
「ちょっとそこのお姉さん。お寿司食べたことある?どお食べてみる?そりゃもう腕が違うからさ。これが日本の寿司よ。」
ケーキ屋さんやお花屋さんのごとくニコニコと可愛らしく、
「お嬢ちゃん。その人形買ってもらったの?お寿司に興味あるの?ママと一緒に食べてみる?」
大皿に試食用寿司を盛って提供していたので、衛生面に配慮して、こちらがお箸で寿司をひとつ取りお客様の手に置かせてもらっていたのだが、時々勘違いされて、お口をあ〜〜んとされるお客様もいるので、
そんな時は祇園のママさんにもなる。
そんな器量はないって?
ほな、祇園のオバさんで。
それは、もはやキャラでもなんでもなく普通の人やん。
いいねんいいねん。
お客様のあ〜んと開いたお口に恥をかかせなければ。
「いかがですか?お味のほうは。」(๑˙❥˙๑)ウフ
出せるキャラは、惜しみなくだすのが小琴流。ⓦⓦง(๑´Ủ`๑)ว
お客様への声かけに関しては、息子からのダメ出しがすごい。
「お母さんは黙っといて。そんな大きな声で叫ぶの止めて、奥に引っ込んどいて。」
叫ぶって、あくまでお声かえの範疇やん。カッコつけな奴め!!( ー̀εー́ )
試食された多くのお客様から美味しいの声が聞こえ、噂を聞きつけたのか同じ出店者の方々もたくさん集まって来てくれるようになった。
それでもやはり、ひどーく嫌な顔して" 寿司なんか要らんわ " ジェスチャーをし、働いている若いスタッフのモチベーションをさげるお客様はいたし、買いもせず何回も試食を繰り返す出店者の風上にも置けない輩もいた。
スタッフのモチベーションを下げないために、プレーイングマネージャーの私としては、ぶれないキャラに徹し、時には歌ったり、ダンス風にくるくる回ったりして。
なんのキャラ?って、
・・・・・・。
これにはOpaさんも失笑していた。
輩への対応は「あなたは何回も試食して、買う気はないのかしら?」と、どストレートの豪速球を投げた。
そやけど、試食した後にその商品を買わずに過ぎ去るって、気まずいと思ったことないですか?
なんとなく買わないとあかん気分にならへん?
ドイツ人は試食後の去り方が洗練されてるで〜。
「とっても美味しかったわ。でも今はね、お腹いっぱいなのよ。ぐる〜とあちこち回って、おなかを減らして後でまた来るわね。」
とか、
「お寿司って初めて食べたけど美味しいわね。持ち帰りできる?まだ私ウロウロするから、1番最後に買いに来るわね。」
とか、
腕時計を指して
「お昼ご飯にはまだはやいわ〜。お昼にまた戻ってくるわ。」などなど。
しかーし、1人として戻っては来ない。
私のブースのコアなお客様は出店者さんとなった。来場者の大半は1日しかこのメッセに来ないわけだが、出店者さんはこの9日間メッセ会場にやってきている。私のお寿司を気に入ってくれた出店者さんは、何回も買いに来てくれた。
何回もだ。
出店者Starrheitさんは、毎日飴だのチョコだのを持って我がブースへ遊びに来ていた。
「お寿司は嫌い!」と言い切って試食さえ拒んでいた彼なのだが、その理由は、
「兄嫁のタイ人が寿司を振舞ってくれて食べたことがあったが、非常に不味かったからだ。」と答えた。
私は毎日色々なキャラで
「それなら尚更、1度私の寿司を試めしてみて!」と、口説き落とした。
試食後、Starrheitさんはボソッと
「美味しいなぁ(´ڡ`)。」と言った。
嬉しさのあまり私は、カズダンスψ(`∇´)ψをした。
9日間のメッセ終了後、
ご破算で願いましては、
儲け=まっ赤
メッセ出店のいろはを学ぶ =黒
人との出会い =黒
洗練された断り方を学ぶ =黒
寿司ファン増加という日本への貢献=黒
次回への商機 =黒
おまけ
息子の経験値 =黒
では、
黒字
息子からの最後のダメ出し
「お母さんは寿司を過信し過ぎやな。」
過ぎるが過ぎる。
肝に銘じました
ワ、ワカリマシタ...(lll-ω-)。
(ドイツの寿司の話は こちら から)
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