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市民大学Volkshochschule

Hofの緑が日に日に芽吹き、対面の建物を隠していく。今日も快晴だ。

VHS ( Volkshochschule ) はどの町にもあり、市民に公開されている学習の場だ。政治、文化、語学やスポーツなど分野は多岐にわたり、半期に一度プログラムが公表される。講義は1回きりのものから半年間継続されるものまであり、有料だが民間企業のものより遥かに安価だ。

私はここでドイツ語を学習した。
ドイツ語のコースはA1-1, A1-2, A2-1, A2-2, B1-1, B1-2, B2-1, B2-2, C1-1, C1-2, C2と11レベルで、各授業時間は100時間だ。
またA1, A2, B1, B2, C1, C2のドイツ語能力試験は政府公認で、国際的に通用する。
B1試験合格は、ドイツ無期限滞在ビザ取得の必要条件とされているし、ドイツの大学で学ぶためには最低でもB2試験に合格する必要がある。

ドイツ語コースを申し込むには、指定された相談日にテストを受け、それを元に相談員さんとドイツ語会話をし、レベルを決めてもらう必要がある。
私はドイツ語の知識を全く持たずドイツへやってきたので、もちろんA1-1に振り分けられた。

最初のクラスは託児付きで、週3日午前中4時間のコースだった。
受講者は託児付きなので若いママさんが多く、様々な国の人から来た全13人。Lautschwach先生は中年の女性だった。

授業はテキストに沿って行われた。このテキストには問題とCDも付いており、第一章は自己紹介に始まる。

第二章は食料品の買い物だ。このように外国人がドイツで生活するために必要なシチュエーションが続く。

授業は聞く、見る、繰り返すそして解くだ。

CDで聞くまた先生の説明されるドイツ語は、ドイツ語初心者からすると、習ったことのない言葉がどんどん使用されるため理解できないこともある。
しかしその理解できない内容は、テキストに絵や写真があるので見ることで補える。そしてロールプレーイングやカードゲームで、自ら話し相手の話を聞き、繰り返す。もしくは問題を解くことで単語や文法を習得していくのだ。全体的には非常に理解しやすく飽きない。

Lautschwach先生は長年、市民大学でドイツ語を教える経験を持っておられ、授業はわかりやすい。それとロールプレーイングをする時のペアは必ず、理解力のある人とそうでない人を組み合わせ、ゲームをさせながら、できる人ができない人に教える仕組みにしているところも上手い。

だがある点で厳しい (?) 。

ママが勉強している間、子供たちは隣の部屋で保育員さんと過ごしているのだが、それは賑やかだ。Lautschwach先生は授業の途中、何度も扉を隔てた隣の部屋へ文句を言いに行く。
「うるさくて、私は授業に集中できないわ!」と頭を両手で押さえて両目をギュッと閉じている。

欧米あるあるの見慣れたオーバーリアクション、中でも負のバージョンだ。

そんなにか?(´・Д・)ソウカ・・・

数日し、きかん坊な子供が特定できるようになると、Lautschwach先生はその子のママに子育ての仕方を説教をするのだ。授業中に、ほかのママが聞いている前で。

よくもまぁ、そんなにはっきりと人様の子育てを否定されますこと。( ˙-˙ )マジカ

その日も私は始業時間の少し前に教室のある建物へ行った。すると鍵がかかっていた。Lautschwach先生は始業時間に遅れたことがなく、それは珍しいことだった。
しばらくし保育員さんが来たので大学事務所へ連絡をとってもらった所、今日、Lautschwach先生はお休みとの事だった。

その次の授業の時、今日先生は来られているだろうかそれともまた欠席されたりして...などと思いながら向かうと、普段通り先生は教室にいた。そして授業は普通に始まった。
前回休んだことに対して説明がなく釈然としないので、私は休み時間に先生に聞いてみた。他の受講者も注目している。

私「なぜ前回の授業はお休みされたのですか?」

先生「このようなうるさい環境で授業をすることが非常にストレスで、行こうとすると頭痛がして、授業に来ることはできなかったの。」

私「そんな場合は代役の先生が来るべきなのではないですか?少なくとも私達生徒は、授業料を支払っているのですから。」

先生「突然の事で、代役が見つからなかったわ。」

言い訳でもなんでもなく、素直且つ正直はたまた堂々とした返答で、そんなこと当然のことでしょ?と追加でおっしゃった気さえした。

せやけど、先生って

人に厳しく、自分に甘くないですか〜?!(¬_¬ )

A1-1のコースで、Lautschwach先生は二回お休みをされた。しかし二回目のお休みの時は代役の先生が来られた。

憎めない素直な先生やなぁ。(≖ㅂ≖)

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