肉体は魂の乗り物か

(読了目安14分)

今回はちょっとだけ難しい話です。

「夢がない・怖い」など、アレルギー反応を示す人もいるかもしれませんが、マスターの経験から、本質だと思われることをマジメに書こうと思います。

ひとつひとつ理解しながら一回だけじっくり読めば、概要がわかるように書いたつもりです。

興味がある人は、お茶でも飲みながら、じっくり読んでみてください。

・・・

「肉体は魂の乗り物か」

このテーマはスピリチュアル系の話として、世の中で多くの議論があります。
この議論にある程度の結論を出し、一歩愛に近づきましょう。
特にスピリチュアルに興味がある人にとっては、思考のシフトの役に立つはずです。


今回は少し難しくて長いので、興味がある人向けの内容です。
ゆったりした気持ちでお付き合いください。


まずは「魂」について興味深い話があります。 

「死後の世界はあるか」

「死者と話せるのか」

「魂は肉体を離れて存在し続けるのか」

などのテーマを追った人の話です。


1900年代初頭、ある有名なマジシャン「ハリー・フーディーニ」が、「亡き母」と話すため、死者と交信できる霊能者を探し続けました。
当時、「死後の世界があり、魂はそこで待機する」という考え方があり「私は死後の世界の魂と会話ができる」と公言する霊能者がたくさんいたんです。


彼は多くの霊能者に母との交信を頼みましたが、「トリック」を使ったニセモノの霊能者ばかりで、結局願いは叶いませんでした。
彼は霊能者のトリックを見破り続けました・・・それは本物の霊能者を探し、母と話したいという一心からでした。


母との交信ができないまま彼自身も生涯を閉じましたが、彼には、生前、妻との間に交わしたある「暗号」がありました。

「僕の魂が存在し続けるなら、必ず死後の世界からこの暗号(言葉)を送るから、その言葉を受け取れる人を探して」・・・そう言い残した夫。

いったいその暗号は妻に届いたのでしょうか。

彼が有名人だったことはもちろん、暗号の解読には「賞金」がかかっていたため、数百人の霊能者が暗号の解読を試みました。


しかし、その暗号を解読した霊能者、つまり死後の世界にいるフーディーニが発した言葉を受け取れる霊能者はいませんでした。


魂が肉体から離れて存在していることは証明できなかったため、当時、必然的に「肉体は魂の乗り物ではない」という結論が出ました。


・・・と、ここまでは「過去」の話です。


では、「未来」の話にしましょう。
マスターは、近い未来には、肉体は魂の乗り物になり、乗り換えもできると考えています。
「肉体を乗り換えるなんて、そんなこと神にしかできないでしょ」なんて言わないでくださいよ。
みなさんは今、スマホを使い、地球の裏側にいる友達と顔を見ながら話せますよね。
仮に1000年前、「地球の裏側の人と顔を見ながら話す」と言ったら、「神にしかできない・気が狂ったか」と言われたはずです。
しかし現代人は普通にやっています。
科学者たちが頑張った結果、昔は「神にしかできない」と思われたことをやってしまったわけです。
そしてみなさんは、その「神にしかできないこと」を当たり前のこととして受け入れ、自分の生活の一部にしています。

将来、肉体は魂の乗り物になることができそうだと、想像することはできますよね。



◎肉体は魂の乗り物か

現代の人間の知恵では、「魂」という言葉そのものの定義が曖昧で、「霊・意識・心・神」などと表現され、統一表現に至っていない状態です。

しかしここでは、魂を「意識(脳)」と定義して書こうと思います。
そして「肉体」は、そのまま「肉体・身体」という意味で使います。


さて、

「肉体は魂の乗り物か」・・・

これですが、みなさんは「自分の肉体が変わった」と思ったことがありますか?
もし肉体が魂の乗り物で、魂は常に肉体を乗り換えて存在し続けるものなら、みなさんはきっと、前の肉体だったときの遠い記憶があるはずです。


みなさんは、前の肉体だったときの記憶・・・ありますか?

たとえば明治時代の記憶とか、さらに遡って縄文時代の記憶などです。



・・・ないですよね。



ですから答えは簡単で、


「肉体は魂の乗り物ではありません」


となります。


ただ・・・ここからが大切な話です。


上記の答えは、「現在の科学レベルでは」という条件付きです。

1000年前、「地球の裏側の人と顔を見ながら話すことはできますか?」という質問に対しての答えは「いいえ」でしたが、現代は「はい」です。

同じように、現代は「いいえ」でも、未来は「はい」になる可能性が高いわけです。


現在の科学レベルでは、「肉体と魂は一体のもの」と考える必要があります。


「肉体が滅びると、魂も滅びる」
「魂は肉体を乗り換えることができない」

ということです。



理由は、「脳」にあります。
脳を肉体に移植できるなら、脳にとって肉体は「乗り物」です。


しかし、脳そのものを保存することができても、現在はその脳を肉体に移植する技術がありません。
現代の科学では、肉体が滅びると、脳も滅びるわけです。


一部のお金持ちや研究者の世界では、「自分を肉体ごと冷凍保存し、移植技術が発展したところで解凍予定」ということは行われているようですが、やはり現時点では、肉体と脳は一体で存在すると考えていいと思います。
また、現在の科学では、脳の情報を書き換えることはできません。
書き換えができれば、誰かの肉体に脳の情報をインストールして、魂の移動は完了しますが、これも現在は不可能です。



さらに、脳の情報を外部に保存できる時代になれば、人類は「肉体」という不便なものから離れます。
人類の歴史は病気との戦いですから、将来人類は病気になる原因(肉体)から脳を切り離す方法をとると考えることが自然です。
そう考えると、「肉体(病気になるもの)」は魂の乗り物にはなりえないということになります。
(例外は最後に2つ書きます)


結論として、現時点では、肉体は魂の乗り物にならないということです。



◎人工物が魂の乗り物に

未来は、「人工物(機械)」が魂の乗り物になると予想できます。

虫歯にならない「義歯」が身近な例ですが、人工関節や人工皮膚、白内障の治療に使われるレンズなど、病気になってしまう「肉体」ではなく、肉体より優れたものが身体となり、それが魂の乗り物になると考えられます。


上の他にも、ペースメーカーや人工臓器、人工の骨など、肉体の中に人工物を入れて命をつないでいる人は少なくありません。
人工物が占める割合が科学の発展とともに増え続け、やがて必要なもののほとんど全てが人工物になるということです。


つまり、人は遠くない未来に、人工物の身体になって生まれ変わることができる、ということです。



歴史が示すように、人類は、「神にしかできない・気が狂ったか」と言われることを実現し、新しい世代はそれを吸収する力があります。

過去数十年で、人類は「不老不死」のヒントを得ています。

そして今後数十年で、長年の夢だった「不老不死」を実現する理論を形にしようとしています。

人類は今、250万年の歴史の中で最大のブレークスルーを実現しようとしているわけです。


「機械が魂の乗り物になる」という話で興味深いニュースがあります。


以下の動画を見てみてください、おそらく人類最高レベルのロボットです。
特に最後の2足歩行ロボットは、だいぶ人間の動きに近づいたと思います。
http://www.gizmodo.jp/2017/06/softbank-bought-boston-dynamics.html

これはもう5年前の話ですから、現在の最先端ロボットはもっと進化しています。

今後数年で、これらの動きがさらに高度になり、小型軽量になり、バッテリーの効率が良くなるのは、科学技術の歴史が示している通りです。


また、外側を人間に似せた「アンドロイド」の動画は、動きに違和感がありぎこちないですが、これは15年前のスマホや、もっとさかのぼると初代ファミコンと同じレベルです。

現在、スマホは進化し高性能になり、ファミコンはプレステ5になり実写と見間違えるほどのクオリティーになりました。

https://www.youtube.com/watch?v=cb_tmGe3ga0
https://www.youtube.com/watch?v=WnDTc2_XI-Q


今後人類がさらに本気になって「動き」と「外見」が洗練されれば、より人間らしいロボットができるのは確実です。



・・・ここまでの話はOKでしょうか。
OKなら以下に続けましょう。



では、あなたが望む形のロボットに、あなたの脳、もしくは脳の情報を移植した場合、その物体はいったい何でしょうか。
スマホにアプリをダウンロードするのと同じように、好きな形の機械に、あなたの脳の情報を移しかえるわけです。
将来必ずそれが可能になる時が来ます。
あなたが理想とする形の機械に、あなたが入り込むことができるわけです。


機械の身体の「是非」について、以下、頭を柔軟にして考えてみましょう。


機械の身体が普及し始めると、「私は機械の身体なんてイヤ、生身の身体が人間らしいでしょ」と言う人もいるかもしれませんが、ここ数十年のことをちょっと思い出してみましょう。


「電話」が普及し始めたとき、「私は電話なんてイヤ。声を電気信号に変えるなんて温かみがない。会って目を見て話してこそ人間でしょ」
と言う人もいたはずです。
しかしその後、人類は電話を使うようになりました。
おそらくそう言っていた本人も、電話を使うようになったはずです。


やがてパソコンが普及し始めると、「私はコンピュータなんてイヤ、機械に支配されるのは人間らしくない」と言う人がいました。

実はマスターの友人がそうだったんです。

みんながパソコンを使い始めたとき、「オレは絶対に使わない」と宣言しましたが、もちろん使い始めました。
今は、人類のほとんどがパソコンを使っています。


そして「電子メール」が普及し始めると、「私はメールなんてイヤ、手書きこそ人間らしいでしょ。電子メールなんて気持ちが伝わらないでしょ」と言う人がいましたが、その後、人類はメールを使うようになり、おそらく「イヤ」と言っていた本人もメールを使うようになったはずです。
顔文字などで気持ちを表現する人もいますし、写真や動画を添付することもでき、手紙とは違った人間らしさを表現しています。


ですから、「私は機械の身体なんてイヤ、生身の身体が人間らしいでしょ」
と言っていても、人類の多くがどうなっていくか、想像するのは難しくありません。
くり返しになりますが、実際、メガネ・入れ歯などは機械の身体の一種ですすし、人工臓器ももちろん機械の身体の一種です。
骨も人工のものがあります。
すでに多くの人が、「人工物」と「肉体」のハイブリッド(混成)状態です。
病気から逃れる目的の機械化(結果的に不老不死)は、人類の歴史に矛盾していないわけです。



「不老不死」は、太古から現在まで、人類共通の一貫したテーマです。
人類が死の恐怖や病気から逃げ続けた結果、突き当たるテーマは、「半永久的な命を手に入れるか、有限の命を選ぶか」ということになるのは必然で、人類は、人類の歴史の方向性として必ず「不老不死」を目指します。
しかし現在はまだ不老不死を選べないので、人類は死ぬことや生きることの意義を考えているわけです。



◎まとめ

「肉体は魂の乗り物か」・・・もうすぐマスターの答えです。

あと数分お付き合いください。


不老不死が実現された後は、病気や食料不足にまつわる状況に大きな変化があります。
人類の価値観は激変し、「死ぬこと、生きること」を超えた領域に入ります。
人類史上最大のブレークスルー、「不老不死」を手に入れたとき、次になにが起こるのか・・・マスターは、人類は「愛に近づく」と信じています。
(このあたりの話は、「レイ・カーツワイル シンギュラリティー」などで調べるとわかりやすいと思います。レイ・カーツワイルは、グーグルの人工知能開発を担当したこともある科学者です。)


最新のアンドロイドについて調べると、近い将来、人間と区別がつかないロボットができるとわかります。
あとはそのロボットに自分の「魂(脳)」を入れるかどうか、これも将来選ぶことができるようになります。


※人間が機械の身体を手に入れた後も想像してみてください。
ヒントは、
「機械も故障することがある・プログラムにバグもある」
ということです。
パソコンやスマホが理想通りに動かないのと同じ理屈ですが、それを理由にすぐにスマホから離れる人は少数です。
そのあたりをふまえて想像してみましょう。


では、「肉体は魂の乗り物か」をまとめます。


現在の科学では、脳の移植はできないので、肉体と魂(脳)は一体です。
魂はその肉体に一度だけ乗ることができますから、単に「肉体は魂の乗り物かどうか」という「狭い意味」では「イエス」と言えます。


また、魂は肉体を「乗り継ぐ」ことはできませんから、「乗り換える」という「広い意味」での答えは「ノー」となります。


やがて科学の進歩によって、生身の肉体に脳移植が可能になったとき、肉体を乗り換えることができるので、答えは「イエス」となります。
しかし「人体」に脳を移植するという「倫理」の問題が障害になり、現実問題として、肉体に脳を移植することは難しいかもしれません。
ただ、脳移植の倫理の問題が出るころには、アップル、グーグルなどを筆頭に、世界中の企業が、肉体の代わりとして充分に機能するロボットの開発を終えています。
また、科学の進歩で、脳の情報を機械に移動することも可能になります。
ですから、「機械・ロボット」が魂の乗り物になる時代になります。


ただし・・・マスターが考える範囲で、例外が2つあります。

例外1:
脳の乗り物として、意図的に「生身の肉体」を求める人はいるかもしれません。
機械の身体が普及したあとは、生身の肉体は、むしろ「価値あるもの」として認知される可能性があります。
現在、ビンテージものやアナログ的なものが価値を持つ世界がありますが、それと似たような感覚で、人は「生身の肉体」を求めるかもしれません。
クラシックカーなどのように、「トラブルが多くて維持が大変」だったりするかもしれませんが。


例外2:
さらに時代が進めば・・・と言ってもこれも遠くない将来の話ですが、「万能細胞・クローン・人工培養肉・若返り」などの技術がさらに発展すると、人工的に「元気な生身の身体」を作ることが可能になります。

自分の細胞を培養すれば、自分をもう一度作れるわけです。

ですから、将来、肉体が魂の乗り物になることも「可能」です。
しかしそれは、一部の人類の「こだわり」として、「生身の肉体」に乗ることを選んだ場合に限るかもしれません。

こうなってくると、「肉体は魂の乗り物か」の答えに、複数の正解が出てくることになります。


ということで、

「肉体は魂の乗り物か」・・・

答えは、

「一人一人の考え方や時代によって変わります」

これがマスターが出した答えです。

なんとなく、当り障りのない無難な答えにも見えますが、結局これが本質だと思います。

みなさんのヒントになれば嬉しいです。

・・・

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