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宝くじに当たりたい人必見

もし、宝くじが当たったら何しようかと一度は夢を見る
でもその一方で、実際に当たった人がどうなったか聞いてみると
人から逃げるように過ごしたりしているらしい
一体彼らに何があったのか

ここは、とある宝くじ売場裏にある『高楽寺』
今日も宝くじ売場より人が並ぶこの寺は、知る人ぞ知る名所である
帰り際にみんなが口々に言う『宝くじって割に合わない』
でもその意味は、当たる確率が悪すぎるというものではなかった

今日も説法が始まる
住職 :『皆さんは宝くじに当たりたいと思ってこちらの門をくぐりました。そこは間違いありませんね?』

にわか門徒全員:『はい、もちろんです』

住職 :『では、前列に座っているあなたに質問をします。あなたは宝くじが当たるとどんなことを思いますか?仮に金額が3億円としましょう』

門徒C:『一生懸命働かなくても、生きていける』

門徒D:『一生、楽していける』

住職 :『期待を裏切らない回答でほっとしています。では次に、こちらに、一つの表があります。皆さんご覧ください。』

宝くじの金額別 人の心の変化

住職 :『この表は、宝くじの金額別に段階的に変わる人の心の変化を示しています。上から見てみましょう。宝くじを買っているのに当たらない間は、お金が欲しいなと思っています。これが10万円当たり出すと、少し変化が訪れます。自分にツキが向いてきたと思ってみたり、遊び金としてちょっとリッチにいこうとしますね。これは一瞬働かなくても大丈夫という状態です。これが100万円くらいになると、どうでしょう?生活に潤いが出てきますね。人によっては遊び金の範囲かもしれませんが、一時働かなくても大丈夫となります。5000万円が当たると、劇的に心境の変化が起きます。5000万円というと、人によっては家を購入する資金にしたり、車を買う人が増えるでしょう。ここまで来るとすべてを使うということはせず、一部を貯金に回し始めます。3億円が当たると、先ほどおっしゃったように一生懸命働かなくても生きていけるという心に、だいたいなります。』

門徒E:『俺全く一緒(笑)』

門徒全員:ケタケタ笑う

住職 :『でも、これを当たり前だと思っているから、宝くじが当たらなかったんですよ』

門徒 :???驚く

住職 :『いいですか?何か行動するときは、必ず頭で考えた後に行動しますね。例えば、今日は10時から会議だから資料をそれまでにチェックしておこうとか。考えた後に行動。心が先で現象が後に来ますね。だからこの表は変なんです。何で先に現象が起きているのか?皆さん、用意はいいですか?真実はこうです』

心と現象の順番

住職 :『まず一番上からいきましょう。お金が欲しいなと思っても宝くじは当たりません。皆さんは不思議でしょう?欲しいと思っているのに当たらないなんて。でもね、こう考えれば説明がつきます。欲しいと思っているということは、自分は持っていないと思っているということ。実際そうでしょ?』

門徒F:『えーっ、俺今まで損してたのかよ。どんだけ今まで、買ったと思ってんだ⤵』

住職 :『がっかりするのはまだ早いですよ。じゃあどんな考え方をしたら、お金が入ってくるか見てみましょう。ここでちょっとトリックの種明かしをしますが、”お金=心のお金”と捉えてください。言ってみれば、”心の中で一番大事にしているもの”ということです。その一番大事にしているものが、一瞬なくても大丈夫とあなたが思えば、10万円の宝くじが当たります。同じように、一番大事にしているものが一時なくても大丈夫と思えば、100万円、当分なくても大丈夫と思えば5000万円、一生なくても困らないし大丈夫と安心しきると3億円の宝くじが当たるようになっています』

門徒G:『もっとわかりやすく説明してください、なんか意味不明です』

住職 :『早い話しが、心の一番大事なものを失った分だけ、現実世界でのツキが回って来るということです。だから、3億円当たった人が手にしたものと失ったものをよく見ると分かるでしょう?彼らは確かに3億円手にしたかもしれません。でもそれは心を失った代償なんです。彼らが、この3億円を使い切ったらどうなると思いますか?』

門徒H:『やる気がなくなる?』

住職 :『何のために生きているか分からなくなります』

門徒 :絶句

住職 :『ここにいる皆さんは、幸いなことに、まだ宝くじに当たっていません。つまり、心の中の大事なものがちゃんと大事なものだと分かっているんですよ。ただそれを、自分で持っていないからどうしようと焦っているだけなんです。きちんと分かっている間は、あなたの大事な心を取られたりはしません。ただ、自分の心の中に自分で大事なものを育てていかないと、それを忘れたときにとんでもないプレゼントが自分にやってくるのです。自分が大事だと思っているのに、人から用立ててもらっている間は、残るものも残りません。あなた方は楽してお金を手に入れたいと思っている。3億円当たるぐらい、自分の一番大事なものがなくてもいいや、生きていけると簡単に諦めやすいのです』

門徒I:『簡単にお金を手に入れようとするってことは、簡単に心を捨てること・・・か』

住職 :『宝くじを買うな!という話しをしているんじゃありません。もし買うなら、心を知る目的で買うことをおすすめします。リトマス試験紙みたいにですね。100万円当たり出したらまずいなと思うようになるでしょう。今日ここにいる皆さんならば、それができます。最後、全員にもう一度聞きます。あなたは、宝くじに当たりたいですか?』

~にわか門徒が退席する~

脱門徒J:『宝くじって本当、割に合わないよな』

脱門徒K:『そうだな、模した空くじに当たったら・・・』



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