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あなたは毒リンゴを食べている

ここは、とある喫茶店
何やら来店した二人は友達同士で、相談事の場面のようだ

友人X:『彼氏がこんなことを言うんだけど、どう思う?どう考える?』

友人Y:『さあどうかな、ねえX、もう自分で考えな。もう自分で考えた方がいい。答えや考えを欲しがるのは分かるよ、でも自分には考えがないって悩んでたじゃん。だから、もう答えを渡さない』

友人X:『え~ぇ、もう一回だけ、あとは自分で考えるから』

友人Y:『ダメ。甘えるだけでしょ、ワンチャンいけるって思ってない?ここであなたに考えを渡すことが、あなたのためになってないし、私のためにもなっていない。今まで色んな相談事を受けてきたけど、あなたは良い人と悪い人を何か勘違いしてると思う』

友人X:『えっ?』

友人Y:『Xにとってはさ、人に何かしてもらったとき、親身になって相談を聞いてくれる人が良い人だって思ってるでしょ?』

友人X:『・・・うん、やさしいなって思う』

友人Y:『そうじゃないって話を今からするよ。実はね、悪い奴の方がするの。ここで言う悪い奴っていうのは、2パターンある。1つ目、自分がやってることがいいことなんだって信じて疑ってない人。2つ目、相手を苦しめてやろうとする人。私は長いこと、1つ目のパターンに当てはまってた』

友人X:『Yはそんな感じじゃ無いと思うけど・・・』

友人Y:『いいや、間違いなく悪い奴だった。だってあなたが自分に考えがないことに悩んでたことを知った後でさえ、昨日までそのことを無視して考えを伝えてたんだから。よく考えてみてよ。”自分に考えがない”って悩みを解決するには、黙々と自分で考えを見つけ出すしかないんだよ。ここで他人の考えを受け取ったら、その場しのぎにはなるかもしれない。けれどその代わりに”自分に考えがない”という苦しみがずーっと続くんだろうなって。1つ目のパターンは、その人の苦しみが終わるのか続くのかが分かっていない。だからダメなんだ』

友人X:『・・・』

友人Y:『あとね、悪い奴の2パターン目、相手を苦しめてやろうとするヤツ。彼らは、目的が”人を苦しめたい”わけよ。だから、Xのような相談事に積極的に乗るんだよ。だって、彼らは相手をよく観察して、弱点を鋭く見抜き、相手の望む物をドラえもんのように与えることで、自分がいないとダメなように仕向けていくの。自分が大事にされるように、人を利用していくんだよ。Xなんていいカモだよ。今のままじゃ、相談に乗ってもらって”ありがとう、助かった”って相手に言うんじゃないかな?こんな人にさえね。自分の苦しみが続いてるとも知らずに』

友人X:『なんだか、怖い・・・』

友人Y:『本気で怖いと思うんだったら、本気で”自分で考える”ってことを心に入れないと、きついと思う。悪い奴は、平気で毒リンゴを食べさせて、自分一人で生きていけないようにさせてくるからね。たとえ相手が善意で伝えてくれてる人でも、その人からもらってる考えは腐ったリンゴだと思った方がいい』

友人X:『腐ったリンゴ?そんな風に思ったことなかったけど、なんで?私には新鮮なように感じてる』

友人Y:『もらってる本人からすればね。新しい考えだからそう思うんじゃないかな。でもその考えは、その人が人生を生き抜いてきた中で編み出した考えだから、その考えがどこからスタートしたか分からないし、腐りかけだけどこの相談事には使えるでしょって感じで渡されたら、腐るまでが早いのよ。それに考えない人は、言葉をそのまま受け取る変な癖があるのよ。その言葉を、そのまま心に入れちゃう。だから、なんか本人の言葉じゃないみたいだなって違和感が残る。人は見ているんだよ。考える人は、意味を取るから、心の中に入れるときは言葉が変わってる。考え出すと段々と分かってくるよ』

友人X:『私にできるのかな、かれこれ何十年も人に聞いてきたから・・・』

友人Y:『もし困ったときに、甘えて人に相談しそうになったときは、こう考えてみるといい。私は考えをもらって安心した。でも相手から時間や体力を奪って成り立っているんだって。そう考えると、人から何かをしてもらおうとは考えにくくなる』

友人X:『苦しいね、そんなこと考えたら相談はしにくいかも・・・』

友人Y:『あなたが手にするのは、次の三択。①新鮮なバナナ②腐ったリンゴ③毒リンゴ』

友人X:『うーーーーーーーーーーー』

友人Y:『苦しみを終わらせられたら、新鮮なバナナが残るよ』


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