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母親の子守役

『あなたとお母さんは逆転している』

これは、人生で一番言われた言葉だと思う
小学生の時に、すでに言われていた
母は、若いときからキャピキャピしていて実に激しい
今でこそ落ち着いたが、4,5歳の私に負けじと張り合う母だった
私は、残りは余生というような感じで、あだ名に46歳とつけられていた
今の私は39歳でまだ到達していない・・・
う~ん、あと7年後か(笑)

そういえば小さいときから、誰に言われるまでもなく母親役をしていたような気もする
①母の仕事や彼氏の愚痴を聞く
②八つ当たりを受け止めるか流す
③ディズニーランドやテーマパークに行きたい母に、ひたすらついて行く

ただ母もやっぱり母だと思うことはあった
仕事はきっちりしていたし
守るということに関しては、私一人では不十分と思われていたらしく
身に危険が及びそうなときは、身を挺して私を守り
言い返せない私を危ぶんだ

母の激しさが自分に向いたときも
言い返せずに泣いたこともある
祖父が見つけ、母が怒られていた

日頃から愚痴を聞いていると
自分のことを話すのが二番手三番手になっていき
ついにあんまり話さなくなった
相談もしないし、自分で決めていく人生
小学生の頃、母に大学に行くのか聞かれ、『行く』と宣言していた
『行きたいけどいい?』なんて許可を取るような感じではなかった

小さいときから、なんとなく甘えられないと思って生きてきた
友達のお母さんを見てみると、お母さんお母さんしている人で
うらやましくもあった
こんな人がお母さんなら、もう少し心のことを話せるのになと思っていた

母に彼氏ができてからは、親の言うことを聞きたくないという気持ちが加わった
ちょうど反抗期と言われる時期で、きつかった
心のどこかで、甘えたい願望が大きくなっていった

当時の私にとって救いだったのは
母より友達の方がおとなだったことと
親戚との会話で、胸の内は発散していたような気がする

でも正直、子守はいつまで続くんだ?と思っていた
人の性格なんて、そうそう変わらない
もう一人の自分がこう言う
『ずーっと続くよ・・・』

そう、今でも母は、子供っぽく甘えん坊
ただ昔と比べて、絶望的に感じることはなくなった
それは母との関係が穏やかになった分
母が色んな経験をした分
私が気づいた分だけ状況が変わっていった

あまりにも嫌になったときに
料理教室の先生に、家の事情を話したこともある
すると先生にこう言われた
『私の母親の母(祖母)は、母らしくない人だったかも?』こ
確かに言われてみればそうだった
母が祖母に甘えられなかったように、私も母に甘えられない
似たようなもんだったのか・・・

最近になり、また新たな発見もした
母親の子守役をしてきたというのは、勝手に荷物を背負っただけだった
一人っ子だったから、私がしなきゃと勝手に思っただけのこと
今では、その荷物は下ろしている

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