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【短い】郊外の英会話教室

都市の中心地から電車で小1時間離れた郊外にある閑静な住宅街。

英会話教室を開くには持って来いの地下スペースを私は発見した。

空き地の地面の片隅に扉があり、その重い鉄の扉を持ち上げると、地下へ降りることができる。

深く暗い階段を数メートル降りただけで、太陽の光は全く届かない。

電灯もなく、闇の中のその先は、手探りで進むしかない。

階段が終わってもしばらく通路は続く。

途中で手すりも途絶え、最後は己の感覚と希望だけを頼りに、恐怖の中を進むしかない。

教室まで続く暗闇の恐怖を乗り越えた者だけが、私の英会話レッスンを受けることができる。

レッスンの内容、教室の名前、場所、そしてその存在さえ、口外無用である。

生徒たちは脳にセンサーを埋め込まれ、すべての言動が監視されることになる。

このくらいの気合を持って、日本の英語教育を根本から見直さなければ、欧米諸国と渡り合っていけない!という強い信念によって、私はこの英会話教室運営に命を懸けている次第です。


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