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人は人が育てる

以前読んだ「スギナ日記」でこれから出ますよ~という紹介があった本を借りてみました。

未来を変えた島の学校

スギナ日記は高校生が書く島の素敵な日常を楽しみながら読めました。でも、こちらの本はそうなるまでの悪戦苦闘の日々、問題解決へ取り組む大人と子どもの努力、強さが描かれていてハラハラドキドキしながら読みました。
挑戦するということはやはりとても大変なことで、でももがきながらそれに挑んでいった人々が描かれていて。この島の人々、この島に関わった人々の努力に胸が打たれました。
よく地方都市では小規模校というのが弱みに捉えられがちです。今日も近くにいた方々のそういった会話を耳にしちょっと落ち込みました。でもこの島では早くから少人数教育という強みに転換できることをちゃんと考えていて、多くの人がネガティブに捉えてしまうことをちゃんとポジティブに転換できる力、大事だなと思いました。
島には早く簡単に楽しませてくれる便利で快適なものはない。だからこそ忍耐力や粘り強さが育ち限られた資源の中であるものを上手く活かして豊かに生きていく知恵が身につきやすい
島留学のポスターの内容です。本当にその通りだと思います。これからの人生で生きてく中、あるものをうまく活用していくことが重要で、その力をつけたくて。本当にこの島は日本の最先端をいっているなと感じました。
都会の大規模高校であれば気の合う仲間とだけ遊びそうでないことは関わらないで済む。道前高校では合う合わないに関係なく同じメンバーと協力しながら3年間送らなければいけない。ただ、社会人になった後のことを考えると、与えられた環境の中で多様な価値観を持つ人と適切な関係を構築していくことは当然で。社会に生きるためにこそ、合う合わないに関係なく同じメンバーと協力する経験を持つこと、その力を若いうちに養うことこそ大切なのではと思います。もちろん、場合によっては逃げることも大事ですが。
都会から来た子と島出身の子でぶつかることがあったとしてもその葛藤、違いを受け入れ、文化との付き合い方を身につけることはこれから世界に出ていく子供たちの力に必ずなっていくと思います。
子どもたちの将来についてでもう一点、子ども達を島に抑えようとするのではなく、逆にブーメランと同じで思いっきり遠くへ飛ばしてあげた方が力強く元の場所へ帰ってくるという子供達への信頼、送り出す力、これこそ本当の教育なんだろうと思いました。私も I ターンを控えていますが、 私は息子に大人まで同じ場所にいてほしいわけではなくて、たくさんの場所でたくさんの人と多様な経験をしてきてほしいと思っています。そしてその前提として自然の中で生きた経験をできるだけつけてあげたいと思っています。田舎だからこそ身につく自然との付き合い方を今まで生きてきた中から学んでいる島のこどもたちに私は憧れを感じます。 そして、高校を盛り上げるために外から来る人の努力にも。まず何をするにも最初に地域の人からの信頼を得る必要があることを心に刻み、人と関わること、小さなことにも関わること。一つ一つの行動をしっかりと作っていきたいと思います。

私としてはこの本でもスギナ日記でも感じたのですが「生徒の会話からその生徒の『フック』を見つけて勉強と紐付けるという」学習センターの力こそ大事に思えて、そういう経験を私も積んでみたいです。
そして、グローカル人材の育成。少人数だからこそ国外に出て行くにも出ていきやすく、そして出ていった時に一人一人が力をつけてこれる。例で出てきた高校生達が世界でチャレンジしていく姿、とてもかっこよく思いました。これこそが本来の人を育てるということなんだろうと。
私は高校生の時、未来のためにやるのではなく「やらされる感」ばかりが大きかったです。やらされているではなく自分がやりたいからやる力、そして分からない物を粘り強く向き合い投げ出さずに取り組む力、経験は本当にとても大事だと思います。正直、高校生たちのこの向き合い方も大きさは私の想像以上でした。

グローカルの人材を育てるために、子どもの期間を最大限に使って育てる。
「保育園や小学校の低学年で地域の中で味わい、遊び、楽しみ、五感で地域に浸る体験」を、
「小学校高学年では地域について学び、考え、伝え」、
「中学生で地域のために提案、実践、貢献」し、
「高校生で地域と世界、自分を結び、共に未来を描き、創造する」
私も移住先で、地域から得られる力を教育に活かせるように考えていきたい。

最後に、本書に出てきたお母さんの言葉 、
「やらなきゃいけないと思う。私が辞めてしまったら、子ども達に『負けてもいいから全力で頑張りなさい』なんて二度と言えなくなる」
結局子どもを育てるのは、凝った教育プログラムや優れた教育ツールではなく、背中を見せる大人なんだと。



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