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ふくらむ

くもり空の河原で
あなたとお昼ごはんを食べた

まだ桜は咲いていないし
川のむこうには
化学工場がひたすらにひろがっているだけ

その工場のまえの道を
高校生のわたしは毎日
自転車で行き帰りしたんだ

そんなことを話してみた

あなたはずっとくしゃみをして
とまらないくしゃみをわたしはわらいながら
とちゅうのスーパーで買ったオムライスを食べた

オムライスはケチャップがかかりすぎていてからかったけど
いつもとちがうことをするのはたのしい

食べおわって
ゴミをスーパーのふくろにいれたら
ケチャップがふくろにいっぱいついて
赤くなった

鼻をかみたいけどティッシュがないあなたは帰りたがったけど
わたしはすこし歩こうといった

ベンチにすわっているおじいさんの連れている犬が
あそんでほしそうにこっちをみていた

とちゅう、梅の花のふくらんでいるつぼみを見た

川へ流れこむ排水溝の水は
ほかほかと湯気を立てて流れこんだ

あなたはその流れている水のほうへ走っていった
わたしは走っていくあなたを見ていた

もうすぐ
さくらもさく

#詩
#あふれてくるものとして
#kotobakotokoto

#8日目
#梅の花
#さくら

#スキしてみて

#創作大賞2024
#オールカテゴリ部門

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