ふたご座うまれのひとりっ子 #1【連載小説】
特技、目立ちたくないのに、目立ってしまうこと。
履歴書に書いてはみたものの、この特技をポジティブにとらえて私を採用するような企業とは気が合わない。
女子社員の中途採用なんて、100パーセント目立ちたくないのに目立ってしまう。
個を尊重し特技を活かした働き方をさせようと考える親切心なのか、目立って困惑する姿を嘲笑いたいだけのマウンティング人事なのか。
とにかく気が合わないことだけはわかる、前職から給料2割増しの企業に採用されたのは、6月7日。
新しい仕事と32という記号を同時に手に入れ、それなりに気分のいい誕生日になった。
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